まず初めに申しておきたいのは、私が橋本昌和監督のファンだと言う事。
なので、中立的なレビューにならないかも知れない、と言う事を予め了承して頂きたい。
私は原作未読なので、『原作と比較して~』等の書き方は出来ないが、非常によく出来たアニメだったと思う。
話としては『よくある青春物』で、『吹奏楽の大会に出場する為、部員を集める』というもの。
(そこに何故か謎解き要素が入るのだが、それは後述)
部員を集め→大会に向け皆で練習を重ね→最終回ではその大会の話で締める。
という文句のつけようもない構成になっているのだが、惜しむべくは、吹奏楽の大会ともなると、人数が多くないと成立しない点だ。
なので、主要人物には入部する理由があり、各話を利用し入部するので良いのだが、脇役だと”いつの間にか”増えてるのだ。
仕方のない事とは言え、何か入部するきっかけが欲しかった所。
そして先程書いた『謎解き要素』、これが主要人物たちの入部する理由に深く関わってくるのだが、主人公の一人である春太が全て解いてしまう。
個人的には、安定感(金田一一や江戸川コナンの様なもの)で楽しんでいたのだが、人によっては「全部コイツで良いじゃん」と少し飽きるかも知れない。
ただ、個人的には6話と11話の橋本監督が脚本を担当した回は群を抜いて面白いと思ったので、是非見て欲しい所である。
最後に、タイトルに書いた『物足りなさ』について。
最終回まで見て、不透明な部分はない(脇役の部員の入部理由くらい)のだが、どうしても話数が足りなかった気がしてしまう。
理由としては、
『謎解きがメインになっており部活部分の描写が極端に少ない事』や、
『主人公二人の話があまりなかった事』、
『主要人物の出番が入部する事になる各話でほぼ全てだという事』、
そういった部分をもう少し深く描ければ、また違った評価になった気がする。
(もしそうしていたら、「ユーフォニアムのパクリ」などと言われそうではあるが…)
だが、個人的には最終回まで安定して楽しめた。
橋本監督ならではのセリフ回しも、笑わせて頂いたので満足だった。
原作ありきの作品では限界があるのかも知れないので、次は橋本監督のオリジナル作品が見たい所である。