「アキバ系オタク事情 in U.S.A.」 GUEST HOUSE ARCA 分室

2007年12月05日 20:300

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「アキバ系オタク事情 in U.S.A.」 GUEST HOUSE ARCA 分室「GUEST HOUSE ARCA 分室」不定期コラム第1回(文:腐う子)




ひょんなでツテでコラム書きませんかというお話をいただいた。自覚はさっぱりなかったが私の濃い経歴(担当さん曰く)が受けたらしい。

私自身は中学時代に同人誌の存在を知り、高校時代には同人サークル活動に明け暮れたごく平凡なオタクに片足突っ込んだ日本人だ。が、たまたま社会人(塵)になってからアメリカの大学で学ぶ機会があり、たまたま行った大学に日本アニメをこよなく愛するアニメクラブがあり、たまたま最初に友達になってくれたのがJロックマニア娘らだったりしたせいで太平洋を越えて尚、日本のサブカルチャーと縁が切れなかった。 実際、知り合って数日のアメリカ人女子に「YAOI(=やおい)って知ってる?」と聞かれることほど衝撃的なこともあまりない。

これを呪いというのか祝福というのかは未だにわからないが、それが縁でこうやってコラムを書いているのだから人生って不思議なものだ。 ともあれ私がこの国で垣間見たアメリカのアキバ系オタク事情を少しでもお伝えしていければと思う。

ぶっちゃけ、アメリカ人のオタク度ってどんなもん?とは誰もが一度は思う疑問かも知れないが、私からの答えは「ピンきり過ぎてわっかんねえ」である。

のっけから頼りない回答で申し訳ないが、事実であるからしようがない。 多様性だけはピカ一のアメリカほど国民の平均値が役に立たない国はない。“NINTENDO”は知っていても日本が島国なのか大陸の一部なのかすら知らないアメリカ人から、どうして日本じゃなくてアメリカに生まれているんだと聞きたくなる重度のアキバ系オタクまできちんと存在している。

初めて私がアキバ系アメリカ人と出会ったのは大学に入学した最初の年に参加していた某アニメクラブでのことだった。この日本アニメを愛好するクラブでは週に二度日本のアニメを鑑賞する集いがあった。 見ていたアニメは「スレイヤーズ」から「るろうに剣心」(EDテーマ「そばかす」はリクエストに応えて熱唱していた。日本人の面目躍如である)、「カウボーイビバップ」に「烈火の炎」他と多岐に渡っていたが、その全てをたった一人のメンバーが提供していた。 自室には日本のアニメDVDが軽く100本以上あるというマイク(仮名)はその人柄、醸し出す雰囲気からして秋葉原の住人が何かの手違いでアメリカに生まれてしまったとしか思えない人物だった。

彼はいつもアニメクラブに大きくぶ厚いCDホルダーを持参していたのだが、好奇心から中を見せてもらったところ、何枚もの魔女っ子シリーズDVDがずらりと納められていた。 見たことも聞いたこともない魔女っ子アニメのタイトルがついたDVDを片手に魔女っ子を熱く語るマイク(仮名)。「日本人ならばわかってくれる」、という彼の期待を裏切って「ミンキーモモ」や「魔女っ子メグちゃん」しか知らなかった未熟者の私は、その日彼に完全敗北を喫した。

当時四回生だった魔女っ子の彼はその翌年には卒業してしまい、その後の彼がどうしているのかはわからない。が、日本にまだ来たことがないらしい彼が、いつか秋葉原を訪れる日が来ることを私は祈ってやまない。


―訪れたが最後、そのまま住み着きそうになる気がしないでもないが。



■サークル紹介

「GUEST HOUSE ARCA」

元々はゲームマスター:SIRの主催するBL(ボーイズラブ)PBW(Play By Web…チャットやBBSやメールを利用し、架空のキャラクターになりきってゲームをする)サイト、WORLD NEIGHBORHOODシリーズに集まったメンバーから派生したサークル。
メンバーの共通項は、BLとゲームとチャットが好きなこと。
メンバーは各地方に散らばっているにも関らず、毎日のようにBLについて語り合う…と言うか、どんな話題もBLに変換する巧みな妄想力を持つ腐女子サークル。



<<アキバ総研より>>
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