AMD主催「Phenom II」発売記念イベント開催! 兄貴と紳士の解説やOC講座など

2009年01月11日 00:300

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AMD主催「Phenom II」発売記念イベント開催! 兄貴と紳士の解説やOC講座などAMD主催イベント「Don't think ~兄貴と紳士のお正月だよAMD~」が10日(土)、秋葉原のCAFFE SOLARE(カフェソラーレ)リナックスカフェ秋葉原店で開催された。



akiba20090110__0180.jpg今回のイベントは、本イベント当日に発売となったAMDの新型クアッドコアCPU「Phenom II」のお披露目イベント。イベントのメインともいえる「Phenom II」の解説のほかに、最新プラットフォーム「Dragon」の説明や各種デモンストレーション、協賛パートナーのセッションなど交えたもので、AMDの今後の展開をうかがえるイベントとなった。会場内は多くの人が押し寄せ、終始にぎやかな雰囲気に包まれていた。

今回のイベントで注目を集めたのは、スケジュール後半に位置する「AMDプラットフォーム・ロードマップアップデート」。このセッションは、主にAMDの"兄貴"こと土居氏と同"紳士"こと森本氏の2人で進められ、AMDの最新プラットフォームである「Dragon」の概要やその構成要素になる「Phenom II」の性能、同社のGPGPU処理の「ATI Stream」や「OpenCL」などを中心に解説が行われた。また、セッション最後にはPCパーツショップのOverclockWorks 渡辺氏を招いてのOC指南/LN2(液体窒素)デモが開かれ、来場者の関心を集めていた。

最初に行われたのは、土居氏によるAMDの最新プラットフォーム「Dragon」の解説。「Dragon」プラットフォームは、「Phenom II+Radeon HD 4800シリーズビデオカード+AMD 790GX/FXチップセット」からなるものと説明し、次に今回のメインであるPhenom IIの解説を行った。

キーワードは「最高のパフォーマンス」、「下位互換性」、「低消費電力」の3つで、AMD歴代CPUの中では最高峰のクロック、 新ソケット「AM3」(Socket AM2+版マザーボードと下位互換)、45nm SOIプロセスの採用と「Cool'n'Quietバージョン3.0」の搭載による高い省費電力性といった特徴をスライドを交えながらアピールした。

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AMD最新プラットフォームである「Dragon」の構成 Phenom IIは従来製品のPhenom X4 9950と比べてトータルで20%ほどパフォーマンスが向上し、ソフトをチューニングすることで最大45%まで引き出せるという(AMD)
「Spider」と「Dragon」プラットフォームの性能比較
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低消費電力化の主なアプローチ Core i7-920とPhenom II X4 940 BEとの消費電力の比較。Core i7 920が178WでPhenom II X4 940 BEが145W
「Cool'n'Quiet」最新バージョン3.0の搭載と、前バージョンとの主な変更点
新たに実装されたPステートで、より高い省電力化を実現


そして、次に登壇したのは森本氏。主にGPU関連の話題を中心に、同社のGPGPUテクノロジー「ATI Stream」や、パラレルコンピューティング向けAPI「OpenCL」のサポートなどの解説を行った。OpenCLについては、同様のテクノロジーであるNVIDIA CUDAとの比較を行い、CPUとGPUの連携処理が可能な点やハードウェアを意識することなく利用できるプラットフォームモデル、オープンな開発環境、AMD/Intel/IBMなどをはじめとした多様なベンダーのサポートなど、その優位性をアピールした。

また、国内初公開というOpenCLで書かれた物理演算のシミュレーションデモも披露。今回はCPUのみで処理されたモデルであったが、使用するCPUコア数を処理時にリアルタイムで変更できるところを見せ、将来的には「CPUとGPUを連携して負荷分散処理することにも対応可能」と語った。

このほか、ATI Streamでは、Catalyst Control Centerの最新バージョンで搭載された動画トランスコーダー「ATI AVIVO Video Converter」の使用方法について説明。GPUを使った高速なトランスコード処理や多様なファイルフォーマットのサポートなどが特徴と語った。

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GPGPU処理を採用した動画エンコーダー/トランスコーダー。最新版のCatalystに内蔵されて、CPUよりも高速な処理が可能になるという
OpenCLのプラットフォームモデル。CPU+GPUの連携処理にも対応するとされており、ハードウェアを意識することなく分散処理が可能になり、幅広い動作環境が特徴という
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OpenCLとCUDAの比較国内初公開というOpenCLを使った物理演算シミュレーション。右図の緑がニトロで、青が水の沸騰していく様子をシミュレーションしたものという


そして、「Phenom IIで遊ぼう」と題し、PCパーツショップのOVERCLOCKWORKSの渡辺氏を招いてのOC指南も実施。あくまで「AMD非公認」という前置きのもと、同氏がテスト結果を元にしたOCの目安を発表。「3.2~3.6GHzが常用クロック」「3.6GHz~4GHzがチャレンジクロック」「4GHz~がクレイジークロック」「5GHz~がWRクロック」と紹介した。また、クロック倍率固定解除モデルのBlack Editionのメリットを解説。「チップセットの負担」「CPUのFSB耐性」などを例に取り上げながら、各種ソフトウェアの使い方や比較的リスクの少ないOCが可能であること説明した。

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OVERCLOCKWORKSの渡辺氏が解説したPhenom II X4 940 BEのOC指南。OCのメリットや方法、アプリケーションの使い方など、OC時のポイントを説明した。
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Phenom II X4 940 BEのOC時のヒントと耐性
渡辺氏が、調整中としながらもおまけ画像として公開した6GHz越えの画面


最後のロードマップアップデートでは、DDR3/DDR2に対応するSocket AM3版Phenom IIのアナウンスはもちろん、45nmのデスクトップ向けCPUとして「クアッドコア L3有り/同 L3無し/デュアルコア」の3種類あることを発表。また、モバイル向けにも「Huron」や「Conesus」といったCPUを追加し、「2009年には低消費電力・モバイル向けCPUにも注力していく」と意気込みを語った。

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【取材協力ショップ】:CAFFE SOLARE(カフェソラーレ)リナックスカフェ秋葉原店

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