明治大学国際日本学部開設記念シンポジウム「いま、日本のどこがすごいのか」麻生太郎氏特別講演レポート 明治大学アニメ・声優研究会

2007年12月01日 05:000

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明治大学国際日本学部開設記念シンポジウム「いま、日本のどこがすごいのか」麻生太郎氏特別公演レポート 明治大学アニメ・声優研究会「明治大学アニメ・声優研究会」連載コラム第3回


2008年4月、我らが明治大学に、新たな学部が誕生する。

その名も「国際日本学部」。

 “日本を知り、それを海外に発信していく力を育てる”というのが学部のコンセプトらしい。11月16日に秋葉原の隣にある御茶ノ水にある明治大学駿河台校舎で行われたその開設記念シンポジウムには、学部生を始め、多くの人が詰め掛けた。

 学長の挨拶、理事長の挨拶などがあった後、特別講演へと移る。
 いよいよあの人の登場だ。
 今回の目玉、麻生太郎氏の講演である。
 壇上に上がった麻生氏は、小さく礼をした。

 ――どうも、ローゼン麻生です。

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 と、言ってくれれば大爆笑だったが、そんなこともなく、麻生氏は普通に挨拶して、講演は始まった。しかし一体どんな話をしてくれるんだろう。期待感が募る。


■明治大学国際日本学部開設記念シンポジウム「いま、日本のどこがすごいのか」麻生太郎氏特別講演レポート


 最初から最後まで細かく書いていたら紙面が足りない。印象に残ったものを箇条書きにするだけに留めておく。ただ率直に言って、とても面白かった。

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・麻生氏が外務大臣をしていた時に聞いた、外国の人が持つ日本の印象。
――外国の人たちは、日本人が思っているよりずっと日本のことを尊敬している。

・BBCの「いま、世界で貢献している国は?」というアンケートのトップが2年連続で日本である、という事実。
――また、日本でそれが報道されないということ。もっと日本に誇りを持たせるような教育が必要だという。

・留学生から聞いた話。日本の地下鉄で、酔っ払いが寝ていられるということ。
――日本にいる我々からはそれが当たり前のように思えても、世界の基準で見るととても信じ難く印象的なこと。日本はとても治安が良いということに、当の日本人は気づいていない。

・ハーマン・カーン(注:ハマーンではない)の日本論。
――世界で最初に日本に注目した人物だそうな。

・第一回国際漫画賞の受賞者(外国の人たち)が日本に来て、井上雄彦に会った話。
――日本の漫画が世界の「マンガ」になっている。授賞式の前に東京や京都を巡り、出版社にもアニメ会社にも宝塚にも手塚記念館にも行った彼らが一番嬉しかったのは、スラムダンクの作者と会ったことだったそうだ。日本の漫画家は決して世界に向けて作品を作っているわけではない。それなのに世界に評価されている。それは、日本にしかないマンガが世界に需要されているからだ。

・アメリカの寿司屋では、ちゃんとした英語があるにも関わらず、「ウニ」の方が通じる。
――BeefもPorkも食の国であるフランス語から生まれた。同じように、日本の「ウニ」や「マンガ」も、需要があるからこそ呼び名も変わる。そんな日本の文化を研究し、言語化して世界に広めていく試みは非常に意義深い。

・母子手帳を広めてテロ防止に貢献。
――日本の文化を広める意義の一例。実は母子手帳は日本独自のもので、日本には、子供を慈しむ伝統がある。日本はそれをアフリカの国々に広めている。母子手帳が広まり、親が子供を慈しめば、子供をテロリストにする親はいなくなるだろう。日本は軍事力ではなく技術力で戦争をなくそうとしている。それを、もっと誇っていい。

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 麻生氏は参加した我々の期待を裏切らず、その話は機知に富んでおりとても面白かった。しきりに、「最前列に座っておられるお歴々には何の話だかわからないでしょうが」と言ってドラゴンボールなどのマンガの話をしたり、一方で熱っぽく日本の「とてつもなさ」を語ったり…。麻生氏は、「明治大学が日本について研究する学部を立ち上げたことに敬意を評する」と語っていた。我らが明治大学公認サークル「明治大学アニメ・声優研究会」も、日々の活動を通じて麻生氏の期待に少しでも応えられるようになれたらいい、と思えるような講演だった。



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