【先行レビュー】サイズ製超大型CPUクーラー「OROCHI(大蛇)」をファンレスで運用してみるテスト【人柱報告】

2008年02月18日 19:000

※本コンテンツはアキバ総研が制作した独自コンテンツです。また本コンテンツでは掲載するECサイト等から購入実績などに基づいて手数料をいただくことがあります。

2月20日に発売となるサイズの超大型CPUクーラー「OROCHI(大蛇)」(型番:SCORC-1000)のサンプルをお借りすることができたので、ファンレス運用の動作検証を行ってみた。


ニュース記事:重量1kg超、ヒートパイプ10本、ファンレス運用可能な超大型CPUクーラー! サイズ「OROCHI(大蛇)」近日発売!

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幅120mm×奥行き194mm×高さ155mm、重量1155g(+ファン130g)、ヒートパイプ10本という超巨大なCPUクーラー
サイズ「OROCHI(大蛇)」(型番:SCORC-1000)
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120mm互換の140mmファン(500rpm/29.39CFM/10.8dBA)のほか、各種リテンションが付属(478/775、754/939/940/AM2/AM2+に対応)
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テストは、アイドル時と高負荷作業時でのファン有無のそれぞれの温度を計測する。アイドル時の温度は電源投入から10分間放置し、安定動作状態の温度を見る。高負荷環境での温度は、他のベンチマークソフトより強烈な効果が期待できる、インテルの熱分析ツール「Intel Thermal Analysis Tool」(TAT)を用いて、CPU負荷100%の状態を作り出し(通称:シバキ)、シバキ開始から10分後の温度を測定することとする。また、テスト中の室温は19~20度を保ちつつ、CPU温度はTATとCPU温度モニタリングツール「Core Temp」で計った。

テスト機スペック
 ※バラックケース使用につき、ケース内エアフローは無し
CPU
Intel Core 2 Duo E6300(1.86GHz、TDP65W)@定格動作
マザーボード
Intel DG33TLM
メモリ
Corsair DDR2-800 XMS2 TWIN2X2048-6400(DDR-800 1GB×2)
HDD
WesternDigital WD360GD(36.7GB、10000rpm、SATA)
VGA
オンボード
電源
Antec PHANTOM 350
OS
Windows XP Professional SP2
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Thermalright XP-120」でのテスト
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XP-120+120mmファン(700rpm)
アイドル
XP-120+120mmファン(700rpm)
シバキ
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XP-120(ファンレス)
アイドル
XP-120(ファンレス)
シバキ

比較を行うため、まずは、ヒートパイプ5本を採用しソケット周辺を覆いつくすような形状で「巨大クーラー」として話題になったCPUクーラー「Thermalright XP-120」の性能を確認する。ファンは鎌風2の風120(120mm、700~1600rpm)を700rpmで使用した。

結果は、ファン有・アイドルで28~30度、ファン有・シバキで46~48度、ファンレス・アイドルで52~53度、ファンレス・シバキで82~83度となり、室温20度前後で、さらにエアフローがない状況下でのファンレス運用は作業の重さ関係なしに「危険」であると判明した。

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サイズ「OROCHI(大蛇)」(型番:SCORC-1000)でのテスト
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OROCHI+140mmファン(500rpm)
アイドル
OROCHI+140mmファン(500rpm)
シバキ
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OROCHI(ファンレス)
アイドル
OROCHI(ファンレス)
シバキ

さて、本番の「OROCHI(大蛇)」だが、こちらのファンは付属の140mmファン(500rpm)を使用して測定してみた。

結果は、ファン有・アイドルで24~27度、ファン有・シバキで44~46度、ファンレス・アイドルで35~37度、ファンレス・シバキで56~58度という数値に。
XP-120の時より回転数の少ない付属ファンを使用したにも関わらず、ファン装着時でいずれも3~4度近く下がり、ファンレスのアイドル時はXP-120より15度以上、シバキ時はなんと25度以上(!)も冷えているということになる。これなら、室温次第でファンレス運用も可能だろう。

注目は、ファンを装着した場合と外した場合の冷え方の違いで、XP-120がアイドルで24度、シバキで36度も差があったのに対し、OROCHIはいずれも11~12度程度しか差がつかなかった。つまり、OROCHIはファンに依存しない(=クーラー自体の冷却能力が高い)ということになる。

テスト結果

   アイドル(℃) シバキ(℃) シバキーアイドル
Thermalright XP-120 ファン有 (120mm,700rpm) 28~30 46~48 18
 ファンレス 52~53 82~83 30
 ファンレスーファン有 24 36 
     
サイズ「OROCHI(大蛇)」  ファン有(140mm,500rpm) 24~27 44~46 20
 ファンレス 35~37 56~58 21
 ファンレスーファン有 11 12 


今回のテストは、バラックケース+エアフローが全くないという特殊な環境下に加え、シバキ時間も10分と固定したため、実際の利用状況から若干遠いかもしれないが、OROCHI購入や完全ファンレス環境構築の際の参考にしていただければ幸いである。

ちなみに、BLESS秋葉原本店では、ファンレスOROCHI+ケースファン2基という環境の下、クアッドコアCPU「Phenom 9500」(2.2GHz、TDP95W)が40度前後で正常動作していた。

なお、「OROCHI(大蛇)」のパッケージには、「ファンレス運用は、室温25度以下の環境で、エンコードやベンチマークなど重い作業をしない場合に限る」という旨が明記されているので、今回行ったような高負荷テストに使用する際はあくまでも自己責任で。

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