2010秋アニメ「覇権」争いの行方は…? 「俺妹」「イカ娘」BD/DVDリリース開始! アキバ総研編集部

2010年12月25日 13:000

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2010秋アニメ「覇権」争いの行方は…? 「俺妹」「イカ娘」BD/DVDリリース開始! アキバ総研編集部「アキバ総研編集部」連載コラム第43回(文:アキバ総研担当Hokuto.K)





秋の覇権を握ったのはどちらか。

TVアニメ「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」とTVアニメ「侵略!イカ娘」のブルーレイ/DVD第1巻がそれぞれ今週発売となった。



■「秋覇権」(笑)

続々とパッケージ版のリリースが始まっている2010年秋アニメ(まとめ/一覧)。ただ、アニメ業界は例年のこの時期とは違う雰囲気に包まれている。理由は、「(Mステに出るには) 大人達のアレコレ」「夜のギロッポンとかシースーとか」など珍妙な言動で知られる某広報担当者による、"(「俺妹」で)2010年秋アニメの覇権を握ります"という放送前の超強気発言。通称「秋の覇権宣言」である。

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「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」BD第1巻(初回限定版)DVD第1巻(初回限定版)DVD第1巻(通常版)
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「侵略!イカ娘」BD第1巻DVD第1巻

■無差別&自爆(?)テロ

俺妹は秋覇権宣言にとどまらず、他作品を巻き込んでのコラボPRを決行。今期最大のライバルともいえる「とある魔術の禁書目録II」とのコラボ広告を日経新聞に大々的に出す(※禁書側から持ちかけた、という説も)など、覇権取りへ向けての準備を着々と進めた。

「(一緒に叩かれる恐れがあるため)頼むから俺妹とはコラボしないでくれ!」「騒ぎに巻き込むな!」という、他作品ファンの悲鳴がネット上で飛び交うなか、次の餌食となったのは、アダルトゲーム業界だった。

第1話において、中学生であるヒロインが18禁ゲームをプレイするという描写がある上に、実在する18禁ゲームのパッケージ&ゲームメーカーのクレジットが登場。アダルトゲーム業界は、「18歳未満には販売しない」という、メーカーと販売店による自主規制で市場やファンを守っているが、今回の一件はそれを根底から覆すような出来事だった。結果、この騒動は、協力した各メーカーやBPO(放送倫理・番組向上機構)に苦情が殺到するといった事態に発展。なお、「俺妹」側からのパッケージ出演協力依頼の際、"中学生が18禁ゲームをプレイする"という旨の説明はなかったという。

アニメ業界からすれば、「アダルトゲーム業界がどうなろうが、関係ない/知ったことではない/影響もない」(※もちろん、"アニメ化に向いている作品=アニメ原作の供給元"という立場はあるが)かもしれないが、今回の一件はアダルトゲーム業界に対してあまりにも失礼で配慮がない行為。また、「売るためには何をしてもいいのか」とツッコミたくなるような極めて下品なやり方といえる。


■イカ釣り

秋アニメ各作品の放送が進んでいくうちに、「侵略!イカ娘」が話題に。放送前にはそれほど期待を集めていなかったが、まるでキッズアニメのような、わかりやすくて親しみやすい主人公(イカ娘)と彼女の口癖「~~ゲソ」「~~イカ」がTwitterユーザーを中心にブレイク(2010年のネット流行語大賞で3位にランクイン)した。

そんななか、「俺妹」のシリーズ構成担当者が「今期の覇権はイカ娘」と発言。ネット上では、「敗北宣言」か「イカ娘ファンに対する釣り(煽り)」か、と議論になり、「俺妹VSイカ娘」という構図が強まっていった。また、"イカ娘が覇権という発言は冗談である"という旨の必死なフォローもあり、俺妹関係者の"覇権取り"に対する本気の姿勢があらためて示された。


■覇権か侵略か

何をもって"「秋の覇権」を握った"ことになるかは不明だが、今週リリースされたBD/DVD第1巻の売れ行きに焦点を当ててみると、初週の秋葉原アニメショップ各店では、圧倒的に「俺妹」が優勢。ショップスタッフによると、「かなり売れてる」「若い人(の購入)が目立ちます」という声が多い。一方、「イカ娘」は苦戦、とまではいかないものの、落ち着いた出足。発売前からショップ側は、「~イカ/~ゲソは流行ったが、(BD/DVDを)買うところまでハマった人が果たしてどれだけいるか」という疑問を抱いている。

ただ、宣伝費など"資金の差"は明白であり、掛けたコストに対する反応の大きさ(売り上げ/話題性の度合い/ユーザー満足度など)で見ると、「イカ娘」の侵略規模も相当なものといえるだろう。


今回の"秋の覇権"騒動が今後のアニメ業界にどのような影響を与えるのか(それとも覇権争い自体が終結するのか)、何らかの結果が出るその日が待ち遠しい。…結果的に覇者なんて誕生しないのかもしれないが。

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