林原めぐみ、骨伝導アフレコ! 「マルドゥック・スクランブル 圧縮」記者発表会レポート

2010年08月12日 23:300

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20100812233000s.jpg劇場アニメ「マルドゥック・スクランブル 圧縮」(11月6日公開)の記者発表会が11日、都内で行われ、冲方丁氏(原作/脚本)、工藤進監督、声優・林原めぐみさん、声優・磯部勉さん、Conisch氏(音楽担当)が出席した。



「マルドゥック・スクランブル」は、第7回本屋大賞を受賞(「天地明察」)した作家・冲方丁氏によるSF小説。1部(圧縮)・2部(燃焼)・3部(排気)からなる3部作であり、2003年には第24回日本SF大賞を受賞。シリーズ累計50万部の人気作で、コミカライズなども行われている。

内容は、特殊な力を与えられた未成年娼婦バロットが、人の言葉を解するネズミ型万能兵器ウフコックらとともに裏社会の事件に立ち向っていく様子を描いたもの。劇場版では、原作者自らが脚本を手掛けており、(過激な描写なども含めて)原作の雰囲気が巧みに再現されていると思われる。

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<ストーリー>
主人公・ルーン・バロットは、マルドゥック市で生きる未成年娼婦(ティーン・ハロット)。
バロットは、“今”を自分の心の殻に閉じこもることでやりすごす術を身につけ、いつしかその卵の殻に閉じこもる日常を送るようになっていた。ある日、行き場を失くしていた彼女は、一人の野心家でありカジノ経営者であるシェルに拾われる。シェルはバロットに全てを与えた。偽りの生、偽りの過去、そして偽りの今、まさに人一人の人格をも書き換える全てを。バロットは、今を与えてくれたシェルに感謝したかった。何故シェルが「私」に全てを与えたのかを知りたかった。確かめたかった。そのために、バロットは与えられた経歴をコンピュータで照会した。その1回の過ちが、大きく人生を変えることとなる。シェルはバロットの行為を知った後、彼女の乗った車を爆破したのだ。

死の淵を漂う間、バロットは意識の奥深くで問われていた。「生きたいのか。死にたいのか。」

シェルの裏の顔を追っていたマルドゥック市(シティ)の事件担当官であるドクターとウフコックによって、バロットは全身の皮膚を強化繊維で再構成させることによって一命を留めていた。意識を取り戻したバロットに改めて二人は選択を迫る。マルドゥック市が定める、人命保護を目的とした緊急法令、マルドゥック・スクランブル‐09(オー・ナイン)により、法的に使用が禁止されている科学技術の使用を特別に許可された特別な力を、生きるために受け入れるか否か。「何故、殺されたのか」「何故、私なのか」相次ぐ疑問の渦の中、バロットの選ぶ道は――。



林原めぐみさんが主人公バロットを演じることや主要スタッフはすでに発表されていたが、今回の発表会では、その他のキャストも明らかに。また、故・本田美奈子さんの「アメイジング・グレイス」が主題歌となることも発表され、出席者それぞれが作品に対する想いやエピソードを語った。

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左から、冲方丁氏(原作/脚本)、工藤進監督、声優・林原めぐみさん、声優・磯部勉さん、Conisch氏(音楽担当)。Conisch氏はPVにあわせた生演奏も

以下、主な発言。 
※冲(=冲方丁氏)、工(=工藤進監督)、林(=林原めぐみさん)、磯(=磯部勉さん)、C=(Conisch氏)

■キャストについて
工:皆さん主役を張れるというか、イメージ通りのキャスティングだと思います。みんなでサンプルを聞き比べて決めました。
冲:(候補声優)50人くらいのサンプルCDをずっと聴いてました(苦笑) 書くときのテンションは非日常的なものですが、スタッフとして参加するにあたって冷静に話し合いながら選びました。
工:ボイルドの声は悩んだのですが、林原さんの進言で磯辺さんに。
林:それは偶然です!(笑) カウボーイビバップで共演して、すごく雰囲気が怖かった――"この人、簡単に人を殺しそうな…"って感じたので、ピッタリだなぁと思っていたら偶然にも(苦笑)
磯:そういや、(カウボーイビバップのときの)現場でも「人殺しの目」とか言われてましたよ(笑)

■アフレコについて
林:第一声を発した瞬間に彼女(=バロット)に身をゆだねました。あとは、磯部さんとか若本さんとか、あいさつの声だけでも怖そうな方々ばっかりで…(苦笑)
磯:ワルい役とは聞いていたのですが、(原作を)読んでも見当がつきませんでした。でも、現場で救われました。
林:(「声」について)彼女はやけどで声帯を失っている=肉声がないので、マイクを3つ付けて演じました。骨伝導用にのどと首、あとは普通のマイクですね。
磯:そう、現場入ったら1人だけ電線?をつけてて、これは…!!と思いました。
冲:(骨伝導マイクなど)みんな本当に仕事が速いというか、実行に移すとスムーズに進みました。
工:冲方さんが結構現場に来られていたので、いろいろ助けられました。

■作品について
工:第1部は99%完成しています。色合いとか、"普通"にしたくなかった。アニメというより実写に近いように、とにかく「平面じゃなく!」と。
冲:現場に抑え目のプロットを持って行ったら、「原作と違うじゃないですか!」ってまっすぐ意見がきました(苦笑)。スタッフの姿勢から、「本気でやることがどういうことか」を学びました。
C:「マルドゥック・スクランブル」用のアメイジング・グレイスを作ったのですが、もともとの曲のイメージが「希望」なので、寄せていく作業が楽しかったですね。本田さんとバロットを重ねていくのが、最後のとても大事な工程でした。
冲:公開日の11月6日は本田さんの命日なので、なにか運命的なものを感じています。
工:ラスト(の見せ場/盛り上がり)を曲に持っていかれた、というかんじです(苦笑)
林:すごくいい歌で、素晴らしい声の人だったんだなということを改めて感じました。ありがとうございます、という気持ちです。

■みどころについて
工:今まで見たことのない映像。なにせ、もともとのストーリーがすばらしいので。
冲:「アニメなのにスゴイ」って言われ方がありますが、「アニメだからこそここまでできるんだ!!」という作品になってます。
林:劇場にわざわざ足を運ぶのはとても大変なことですが、そこまでしても見たい作品。目を覆いたくなるようなシーンもありますが、最後まで見進めていけば深い何かを必ず感じると思いますので、ぜひ皆さんに見ていただきたいです。


最後に、工藤監督が「原作ファンが面白さを感じる部分をどう表現するか…、ハズレてたら怖いなとも思いますが自分のイメージは表現できたと思います」と力強く締めた。なお、第2部「燃焼」は2011年秋、第3部「排気」は2012年に公開される予定。

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■劇場アニメ「マルドゥック・スクランブル The First Compression 圧縮」
akiba20100812-ms08.jpg11月6日公開

<キャスト>
ルーン=バロット:林原めぐみ
ウフコック=ペンティーノ:八嶋智人
ドクター・イースター:東地宏樹
シェル=セプティノス:中井和哉
ディムズデイル=ボイルド:磯部勉
ウェルダン・ザ・プッシーハンド:田中正彦
ミディアム・ザ・フィンガーネイル:若本規夫
レア・ザ・ヘア:かないみか
ミンチ・ザ・ウィンク:三宅健太
フレッシュ・ザ・パイク:脇 知弘

主題歌:アメイジング・グレイス
作詞:ジョン・ニュートン 日本語詞:岩谷 時子
作曲:Traditional/トラディショナル
編曲:Conisch(コーニッシュ)
歌:本田美奈子

<スタッフ>
原作・脚本:冲方丁(早川書房 ハヤカワ文庫JA)
監督:工藤進
コンセプトデザイン:菊田幸一
キャラクターデザイン・総作画監督:鈴木信吾、中井準
メカ・銃器デザイン:大久保宏
CGIディレクター:児玉徹郎
色彩設計:海鉾重信
美術設定:塩澤良憲(美峰)
美術監督:野村正信(美峰)
撮影監督:福士 享(T2studio)
音響監督:三間雅文
音響制作:テクノサウンド
音楽:Conisch(コーニッシュ)
音楽制作:スターチャイルドレコード
アニメーション制作:GoHands
配給:アニプレックス
製作:マルドゥック・スクランブル製作委員会(キングレコード、アニプレックス、ブロスタTV)


<公開劇場>
テアトル新宿/109シネマズ名古屋/シネ・リーブル梅田
9月下旬より劇場窓口にて特典(※)付き前売り券を発売

※コンセプトデザイン:菊田幸一、キャラクターデザイン・アニメーションディレクター:鈴木信吾が描いた「マルドゥック・スクランブル 圧縮」イメージボードを冊子にした豪華版

(C)冲方丁/マルドゥック・スクランブル製作委員会


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