【Steam新作】人間たちを導くのは…柴犬!? 独特なデザインが光るスタイリッシュなパズルアクション「HUMANITY」ゲームレビュー

2023年05月27日 12:000

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アキバ総研をご覧の皆さま、いかがおすごしでしょうか。ゲーム買いすぎちゃう系ライターの百壁ネロでございます。家庭用ゲームではビッグタイトルが次々とリリースされている今日このごろ、充実のゲームライフをすごされている方も多いのではないかと思いますが、ついつい見逃してしまうのがインディータイトルの注目作。というわけで今回は、5月にリリースされた新作のSteamゲームの中から、オススメのインディータイトルを2本厳選してご紹介していきたいと思います。今回は、独特なデザインが光るスタイリッシュなパズルアクション「HUMANITY」をご紹介します。

人間たちを導くのは…柴犬!? 独特なデザインが光るスタイリッシュなパズルアクション「HUMANITY

 

皆さま、犬派と猫派、どちらでしょうか? 好みは誰しもあるかもしれませんが、犬も猫も、どちらもかわいくて正義である、という事実は揺るぎません。ご紹介する「HUMANITY」は、ずばり“犬”が重要な役割となる作品です。

 

 

HUMANITY」は、犬が主人公のアクションパズルゲームです。本作は、インターフェイス/ビジュアルデザイナーとして著名な中村勇吾氏がクリエイティブディレクターとして手がけた作品。さらに、「Rez Infinite」や「テトリスエフェクト・コネクテッド」などを手がけたゲームクリエイター、水口哲也氏とのタッグによって生み出されたタイトルとなっており、発売前から注目を集めていた作品です。

真っ先に目を引くのは、スタイリッシュでユニークなグラフィック。どこか幻想的でありながらクールさもあり、一度見たら忘れられなくなるようなそのビジュアルは、「なにやらおもしろそうなゲームだぞ」という期待感でワクワクしてしまうこと必至です。さらに、記事では伝えることができませんが、音楽も非常に印象に残るユニークなものとなっており、必聴です。

 

 

人間性や人類という意味を持つ本作のタイトル「HUMANITY」ですが、主人公は一匹の柴犬。ある朝、目が覚めると犬になっていたという主人公の「私」は、頭の中に響く声の主から、意思も目的も失った人間たちを「光の柱」へと導く使命を与えられます。すべての人類から自我が失われた世界の中で、唯一、理性と意思を保ち続ける最後の指導者である柴犬の「私」は、歩き続ける人間の群衆を導くこととなるのでした……というのが、本作のストーリー。ビジュアル同様、なんともユニークで不思議な物語となっており、ガッツリ心をつかまれます。

 

 

本作におけるプレイヤーの目的は、柴犬を操作して、歩き続ける群衆をコントロールし、ゴールである「光の柱」へと導くこと。しかし、群衆はただひたすら直進を続けるため、何もしなければいずれステージの端から落下してしまいます。といっても、落下した群衆はいなくなってしまうわけではなく、光の扉から再び登場してまた歩きだすのでご安心を。

とにもかくにも、何かをしなければ群衆を正しく光の柱へ導くことができないのですが、そこで柴犬がとるべきアクションが、ずばり「吠える」なのです。

 

 

柴犬は、「ワン」と吠えることによって、フィールドの人々にさまざまな指示を行うことができます。

「TURN」なら人々が歩く方向を指示でき、「JUMP」なら人々を跳躍させる、といった具合。これらの指示を的確に配置することによって、群衆を光の柱へ導くというのが本作の基本的なルールとなります。レールを敷いて列車を走らせるおもちゃのような感覚をイメージしてもらうとわかりやすいかもしれません。

ちなみに、人々には飛び降りることができる高さというものがあり、ブロック2段分よりも高い高さから落下した人々は消滅してしまいます。指示を配置するうえでは、高さに目を配ることも重要となってくるのです。

 

 

フィールド上には、人々がよじ登れる壁や、人々が通ることでオンになるスイッチなど、さまざまなギミックが存在します。プレイヤーは、指示とギミックをうまく組み合わせて、最適な答えを導き出す必要があり、これがなかなか悩みどころ。とはいえ、一度出した指示は、いつでも消すことができるので、トライ&エラーを繰り返しながらじわじわと答えに近づいていくのもアリです。パズルの醍醐味である「試行錯誤をする楽しさ」が本作にはギュッと詰め込まれています。

 

 

フィールドには、通常の人々以外に、金色に輝くちょっと大きな人間「GOLDY」が存在します。群衆をGOLDYに触れさせると、GOLDYは皆と一緒に歩き始めるのですが、このGOLDYを何回も連れたままクリアしていくと、攻略に役立つさまざまな新しい力を獲得できるようになるという、一種のやりこみ要素になっています。

GOLDYを連れていかなくてもステージをクリアすることはできるのですが、新しい力を得るためには可能なかぎり集めていきたいところ。しかし、GOLDYを集めてクリアすることを目指すと、ステージの難度はグッと上昇します。このあたりのゲームバランスが本作は非常に巧みに作られており、パズルの腕に自信があるプレイヤーでも、歯ごたえのあるプレイを楽しめる作りとなっているのです。

 

 

また、本作には、ステージをクリアしていく通常のモードのほかに、自分でステージを作れる「STAGE CREATOR」なるモードも存在します。3Dパズルのステージ作成と聞くと、なんだかちょっと難しそうに感じてしまうかもしれませんが、本作のクリエイトモードは簡単な操作で使いやすい印象。完成したステージはオンライン上に公開し、世界中のプレイヤーたちに挑戦してもらうことができるので、ステージ作りにもついつい熱が入ってしまいそうです。

 

 

自分でステージを作るのはちょっと苦手という方は、ほかのプレイヤーが制作したステージをプレイするのがオススメです。「USER STAGES」では世界中のプレイヤーが生み出したステージに挑戦することができるので、まさにボリュームは無限大。本編のステージだけでも90以上が用意されているのですが、それらをクリアし終えても、「STAGE CREATOR」と「USER STAGES」によって長く遊び続けることができるのは、非常にうれしいポイントだと思います。

 

 

独創的なビジュアルと世界観に、シンプルながらも奥深いゲームシステムが融合し、唯一無二のパズル体験が満喫できる「HUMANITY」。パズルゲームが好きな方はもちろん、何か新鮮なゲーム体験がしてみたいという方にはぜひ遊んでみていただきたい、オススメの作品です。

筆者:百壁ネロ
ゲーム買いすぎちゃう系フリーライター。現在積みゲー300本以上。小説家でもあります。著作は「ゆびさき怪談 一四〇字の怖い話」(PHP研究所)、「ごあけん アンレイテッド・エディション」(講談社)など。
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