本日発売を迎えたリマスター版「ペルソナ3 ポータブル」と「ペルソナ4 ザ・ゴールデン」 両作が持つ魅力を紹介!

2023年01月19日 12:000

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2023年1月19日より、アトラスが手がけたRPG「ペルソナ3 ポータブル」(以下、P3P)と「ペルソナ4 ザ・ゴールデン」(以下、P4G)が、PS4/Switch/Xbox Series X|S/Xbox One/ Steam/Windows 向けに発売された。両作は過去に発売されたオリジナル版に追加要素を施したパワーアップ版で、そこに現行機向けの調整を改めて加えたのが今回のリマスター版となる。


本稿では、「P3P」と「P4G」が持つ魅力をピックアップして紹介。ネタバレは含んでいないので、これから両作を買おうと思っている人や、購入を迷っている人も安心して読んでほしい。

ペルソナ3 ポータブル



「P3P」はPSP向けに制作されたRPGで、2006年に発売された「ペルソナ3」をベースにしている。主人公の性別が選べるようになったり、ゲームの難易度にやさしめの「BEGINNER」、より難しい「MANIACS」が追加されたりと、さまざまな面が改良された。また、今回リマスター版になったことで、グラフィックの解像度が増したほか、いつでもセーブが可能な「中断セーブ」機能も盛り込まれている。



なにより大きいのは、「P3P」が現行機でも遊べることだ。2020年にSteam版が出ている「P4G」と違い、「P3P」は2009年に発売されて以来一度も移植されておらず、遊ぶなら本作のPSP版とPSP本体を用意する必要があった。遊ぶハードルが大きく下がったというその一点だけでも、今回のリマスター版「P3P」が出る意味は大いにある。

深夜に訪れる影時間の謎


本作の舞台になるのは、「辰巳ポートアイランド」という場所にある月光館学園。とある理由からこの学園に転入することになった主人公は、学生寮を訪れた晩に、謎の現象に巻き込まれる。その後「シャドウ」と呼ばれる異形の怪物に襲われるも、「ペルソナ」の力を覚醒させた主人公は、命からがら生き延びる。


シャドウが出現するのは、午前0時、1日と1日の間に隠された時間。それは「影時間」と呼ばれ、現実を人知れず脅かしている。その事実を知った主人公は、影時間の謎を突き止めるべく活動する「特別課外活動部」に加入し、シャドウたちを倒しながら「タルタロス」という塔の攻略を目指す。これが本作のおおまかな流れとなる。



本作の物語では、影時間やタルタロスの存在が重要になる。なぜ影時間が起こるのか、タルタロスとはなんなのか、どうすれば取り除けるのかなど、展開が進むにつれてさまざまな情報が明かされていく。どのような真相が待っているのか、それを知るのはプレイヤーの役目だ。



学園の生徒として過ごす1年間


特別課外活動部としてシャドウと戦いながら、主人公は学生として1年間の学校生活を送ることになる。授業を受けたり、部活動にはげんだり、あるいは特定のキャラクターとのあいだに起こる「コミュ」というイベントを進めたりと、どのような1年にするかはプレイヤー次第。行動に応じて自分の「学力」、「魅力」、「勇気」というステータスを上げることもでき、それぞれのステータスが一定に達すると新たな要素が解放されていく。学校生活を満喫するのはもちろんだが、自分磨きも欠かせない。



「月光館学園がある辰巳ポートアイランド」を含め、プレイヤーはさまざまな施設を訪れることができる。ポロニアンモールという商業施設には古美術を扱う店があったり、駅前の商店街にはたこ焼き屋があったりと、その種類はさまざまで、巡っているだけでも楽しい。なかにはコミュが発生するキャラクターもいるので、「P3P」の物語を掘り下げるという点でも寄り道はかなり大事な要素だ。


学生として1年間を過ごすというのは「ペルソナ」シリーズおなじみの要素で、「ペルソナ4」や「ペルソナ5」といった後の作品にも踏襲されている。普通の生徒として過ごす学校生活と、ペルソナ能力に覚醒した者としての闘い。この二重生活が「ペルソナ」の醍醐味と言える。


季節ごとにさまざまなイベントも用意されている

弱点を突いて戦うテンポのいいバトル


バトルはRPGではおなじみのターン制コマンドバトルだが、「P3P」では、これに「1MORE」というシステムが加えられている。武器や使役しているペルソナが相手の弱点を突いた際、敵がダウンし、こちらが続けて行動できるというもので、相性を把握していれば味方側が一方的に攻撃することも可能だ。敵を全員ダウンさせると「総攻撃」のチャンスとなり、敵全体に大ダメージを与えられる。


ペルソナは種類によって弱点となる属性や使えるスキルが異なる


弱点さえ突ければ1MOREと総攻撃はセットで繰り出せるため、敵をサクサクと倒していける。おかげで、タルタロスの攻略などをスムーズに進められるのも魅力的だ。ただし、1MOREを使えるのは敵も同じで、こちらが逆に弱点を突かれてしまうと、相手の連続行動を許してしまう。使いこなせれば心強いが、油断すると痛い目を見る。便利であると同時にリスキーなシステムと言えるだろう。なお、この2つのシステムは、その後の「ペルソナ4」と「ペルソナ5」にも継承されている。

女性主人公を選ぶとストーリーが一部変化


「P3P」最大の追加要素と言えるのが、女性バージョンの主人公。性別はストーリーの大筋にこそ影響はしないが、女性主人公を選んでいるとコミュの相手が一部変わったり、あるいはまったく新しいキャラクターが登場したりと、大小さまざまな変化が起こる。1年間を過ごすということもあり、本作はそれだけでもかなりのボリュームだが、男女2通りのパターンを遊べるとなるとなおさらだ。それぞれの展開の変化を比較したり、セリフの違いからキャラクターたちの別の側面を垣間見たり、さまざまな楽しみ方ができるだろう。


女性主人公を選んだときのみ出てくるキャラクター、テオドア

ペルソナ4 ザ・ゴールデン



「P4G」は、2008年に発売された「ペルソナ4」にさまざまな要素を加えたタイトル。オリジナル版と比べてストーリーのボリュームが増しており、さらに新しいキャラクターやコミュなども追加された。今回のリマスター版では、1周目から難易度が選べるようになったほか、いつでもセーブが可能な「中断セーブ」機能も実装されている。

田園の広がる田舎と連続殺人事件

本作の舞台になるのは、豊かな自然に囲まれた稲羽市。海外赴任する両親の都合でこの市にやって来た主人公は、叔父の堂島遼太郎のもとで現地の高校に通い、1年間を過ごすことになる。いっぽう、巷(ちまた)では、雨の日の午前0時になるとテレビの画面に自分の運命の人が映るという噂が立っており、さらに同時期、電柱にくくりつけられた遺体が見つかるという奇怪な殺人事件が起こっていた。



八十神高校に転入した後、あることがきっかけでテレビの中の世界に迷い込んだ主人公だが、内部を探索する途中でペルソナ能力が覚醒。一緒にいた友人・花村陽介もペルソナの力を手に入れる。その後、稲羽市で起こっている殺人事件とテレビの中にある世界に関連性を見出した主人公たちは、「自称特別捜査隊」を結成し、殺人事件の犯人を追い始める。というのが物語の流れだ。



片田舎の稲羽市という閉塞感や、そこで起こった殺人事件を追いかけるという目的もあって、「P4G」の物語はサスペンス仕立てになっているのもポイント。都会と比べて閑散とした稲羽市で、いったい誰がどうやって人を殺しているのか。テレビの世界を通じて事件を調べていく中で、さまざまな人物が候補にあがってくる。主人公が仲間たちと協力し、見えない敵に翻弄されながらも少しずつ真実に近づいていく様は見逃せない。


ほかにも、全体的にシリアスな雰囲気が漂っていた「P3P」から一転、本作はかなり明るく、ポップな印象が強い。メニュー画面は黄色を始めとする明るい色が基調とされているだけでなく、クマというマスコットのようなお調子者が出てきたり、バトルのBGMも陽気な曲調が多かったりと、「P4G」ならではの要素が随所に散りばめられているのも特徴だろう。



勉学にはげみ、裏では事件を追いかける



1年間を過ごすというシステムは「P3P」から引き続き継承されており、プレイヤーは八十神高校の生徒として学校生活を送るかたわらで、世間を脅かす連続殺人犯を追いかける。学校生活では、授業を受けたり部活動をしたり、特定のキャラクターたちとのコミュを進めたりと、「P3P」同様の要素が楽しめる。


ただし、自称特別捜査隊の活動には一部期限があり、それまでに特定の条件を達成しないとゲームオーバーになることも。ただ漫然と毎日を過ごすのではなく、それなりに予定を組んで動かなければならないので、そこは注意したい。


コミュの進め方では、特定の相手と恋人になることも


1年間を過ごすという点は前作の「P3P」と変わらないが、本作では田舎が舞台になっているというのもポイント。河原で釣りをしたり河川敷を散歩したり、あるいは商店街を巡ったりと、本作ならではの行動がたっぷり用意されている。




さらにオリジナル版にはなかった新要素として、2学期に続く3学期が追加。オリジナル版では2学期で終わるはずだった物語に続きが加わり、純粋にボリュームが増している。そのほか、移動手段としてバイクも登場したのも特徴で、バイクに乗れば沖奈駅や七里海岸といった新たな場所に行けるようにもなった。

新たなキャラクターのマリーが登場



「P4G」最大の追加要素が、新キャラクター・マリーの存在。メインストーリーに深く関わるだけでなく、彼女専用のコミュも用意されており、主人公たち自称特別捜査隊の面々とは頻繁に交流する。マリーはほとんどの記憶を失っており、専用のコミュでは主人公が彼女の記憶を思い出すために手伝う姿が描かれていく。その先になにが待っているのか、ぜひ最後までたどりついてほしいところだ。



コミュで起こったイベントがいつでも閲覧可能に



リマスター版の新要素として、過去に見たコミュのイベントを主人公の自室でいつでも振り返れるように。本作は自分と向き合うという点が強調されており、コミュでは自称特別捜査隊のメンバーはもちろん、居候先にいる叔父さんから学校の部活動の同級生まで、さまざまな人たちの心情や苦悩を垣間見ることができた。いわば「P4G」を語るうえで欠かせないイベントだが、これまではたった一度しか見られないという欠点もあり、見直すならあらかじめセーブデータを用意しておくか、物語自体を最初からやり直す必要があった。



新たな機能によって、そうした手間を省いていつでも振り返れるのは大きい。さらに選択肢も選び直せるので、1回目とは違った反応を狙うこともできる。これはどちらかと言うとやり込んだ人向けの要素だが、コミュを最後まで進めたキャラクターがひとりでもいるなら、きっと内容を振り返りたくてこの機能を使うはずだ。


「ペルソナ5」やそのパワーアップ版である「ペルソナ5 ザ・ロイヤル」の成功を受け、「ペルソナ」シリーズが注目を集めている昨今に、過去作のリマスター版が出るのはとても喜ばしい。とくに「P3P」や「P4G」は10年以上前の作品であり、時代的にも「ペルソナ5」シリーズしか知らない人も多いだろう。そうした人たちはもちろん、純粋に「ペルソナ」シリーズは未経験だという人にも、今回のリマスター版の発売は、過去作に触れるまたとない機会になるに違いない。

  • ■リマスター版「ペルソナ3 ポータブル」「ペルソナ4 ザ・ゴールデン」
  • ・発売日:2023年1月19日
  • ・対応機種:Xbox Game Pass、Xbox Series X|S、Xbox One、Windows、PS4、Switch、 Steam
  • ・プレイ人数:1人
  • ・ジャンル:RPG
  • ・価格:各1,980円(税込)
  • ・CERO:C(15歳以上対象)
  • ・公式サイト:https://p-ch.jp/news/9328/

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