【新作ゲームレビュー!】最後のCAVEアーケード横シュー、10年振りの復活!「赤い刀 真」レビュー到着!

2023年01月02日 18:000

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1990年代後半以降、シューティングファンから絶大な支持を得ているゲームメーカーがケイブだ。

ゲーセンでは「ストリートファイターII」や「バーチャファイター」といった格闘ゲームが猛威を振るう1990年代後半。1997年リリースの「首領蜂」を皮切りに、「プロギアの嵐」、「怒首領蜂 大往生」、「エスプガルーダ」「虫姫さま」など、冬の時代と呼ばれていたシューティングゲームシーンのなかでも次々とヒット作を送り出し、コアなシューティングファンのハートを掴んでがっちりキープし続けているのが同社なのである。当然筆者もハートを掴まれた一人。かつてはゲーセンでケイブシューを見つければ即コインを投下、家庭用ハードにケイブシューが移植されれば値段も詳細も確認せずに即買いしてプレイしまくるという、寝ても覚めてもシューティングな生活を送っていたものである。

ここ10年はケイブの新作アーケードシューティングのリリースがすっかり途絶えてしまっており寂しいところだが、定期的に最新ハードやSteamなどで旧作がリリースされているので、ファンは常にケイブシューに接することができているのが救いだ。まさにケイブシュー・イズ・ノットデッド! である。本気でケイブシューを死ぬまで遊び続けたいと思っている。

 

ケイブアーケード横シューラスト作、10年振りに家庭用ハードに復活!

 

さて、今回紹介する「赤い刀 真」のオリジナル版は2010年にリリースされた横スクロールアーケードシュンティング。「プロギアの嵐」や「デススマイルズ」の流れやテイストを引き継いだ、ケイブのアーケード横シュー(現時点における)最終作である。家庭用移植が翌2011年にXbox 360でリリースされたものの、それ以降家庭用ハードでの再リリースは行われていない。そんな理由もあり、現行ハードでのリリースを切望されていた1作でもあったのだ。

 

筆者的にも、所有していたXbox360が2度のRRoD(レッド・リング・オブ・デスの略。Xbox360に何らかのエラー、故障が発生した時に発光する「死の赤いリング」のこと)で撃沈、その後に買ったXbox ELITEもあえなくRRoDとメーカー修理対応終了のコンボで黒い置物と化し、所有している「赤い刀 真」のプレイがかなわない状態になっていたので、今回のリリースは嬉しさと安堵という2つの感情が沸きあがってきたものである。同様の思いを抱いたシューターも多かったのではないだろうか。

 

シューティングのストーリーは事前把握不要! 好きになってから深く知るのがベター

 

最新版の買い直し目的ユーザーにとっては説明不要だが、どんな突然変異が起きたのか「10代だけどシューティング大好き」、「40代になってからシューティングデビューした」、といった新たなシューティングファンのために「赤い刀」の魅力を解説していこう。

 

本作のストーリーをかみ砕いて説明すると、特殊な力を手に入れた小さな帝国が周辺の国を制圧していったものの、内部でそれをよく思っていない部隊が反乱を起こして内戦を始めた、といったところか。シューティグにおけるストーリーはゲームプレイする上で事前に情報を入れておく必要はほとんどないので、好きになってさらにゲームの世界観を深く知りたい、と思うようになってから深入りすればよい、と個人的には思っている。

そのほか、大正時代をモチーフにした世界観の中、大型の戦艦や戦車、プロペラ型戦闘機など、ミリタリークラスタ受けしそうな機体デザイン、闇深そうなオーラと魅力を放つ登場キャラ、全体的に和ロックで仕上げられたBGMなど、プレイヤーを虜にする要素が多数詰まっている点も見逃さないでほしい。

 



無敵化の幻忍状態へ切り替えながらピンチを脱出していこう


さて、本作には「赤い刀」が3バージョン収録されている。まずは無印の「赤い刀」。これは2010年にリリースされたアーケード版で、画面比率も4:3と懐かしい仕様。アーケード版がそのまま遊べるので、まずはこの無印版から遊び込んでほしいところ。アーケード版を隅から隅まで遊びつくしてこそ、他バージョンが楽しめるというものだ。続いて「絶・赤い刀」。これはアーケード版の難易度を再調整しつつ、画面比率を16:9にしたものだ。この2種はゲームシステムが共通なので、同様のプレイスタイルで遊べる。

プレイヤーはプレイヤー機(パイロットにあたる祈導人と幻忍の2人は機体とセットになっている)を3種から選び、スタート。通常モードのファイターでは自機速度が速いディフェンスモードと、自機速度が遅く弾幕避けがしやすいアタックモードを切り替えながら進めていく。そして敵を倒した時に出る祈導アイテムを取得して祈導ゲージを溜め、ピンチ時に敵弾を無効化する幻忍状態に移行しながら攻略していく。幻忍中は祈導ゲージが減っていき、ゲージがなくなると自動でファイターに戻ってしまうので、以降&解除するタイミングを考えながらプレイすることが求められる。これは「エスプガルーダ」の「覚聖」に近いシステムで、慣れるまで多少のやり込みが必要なこともあり、熱意と根性と気合で習得してほしい。これを覚えることが「赤い刀」を楽しむうえでの必須条項なので投げ出さないでほしいと切に願うばかりだ。

 

ちなみに画面内に散らばった祈祷アイテムや得点アイテムは、アタックモードボタンを押すと自動回収できるので覚えればアイテム回収が爽快だ。さらに細かい仕様として、アタックモードボタンを押しっぱなしにしていると回収した祈導アイテムがオプションにくっつく状態になり、この状態でアイテムが敵弾に触れると成長するのである。あとは任意にボタンを離して成長したアイテムを回収することでゲージを通常よりも多く貯めることができるのだ。しかし、そこまで意識してプレイするのは大変なので、始めのうちは自動回収をメインにプレイすることをオススメしたい。アイテムの成長は上級プレイを目指すようになってからでいいと思う。

 

 

いろいろとシステムの説明をしてしまったが要約すると、「撃って避けろ、無敵化に必要な祈祷アイテムをアタックモードボタンで自動回収しまくれ、ピンチ時には無敵に切り替えろ」。ひとまずこれだけ把握すれば「赤い刀」を楽しむ準備は整ったってものだ。

 



「真」での無敵解除は敵に大ダメージを与える刀を発射するのを忘れずに!

 

続いて「赤い刀 真」だが、このモードには新たな攻撃システムが追加されている。敵を倒すと緑の祈導アイテムのほかに鋼アイテムが登場し、取得すると自機の周囲にハガネが付き、幻忍時に発射して敵弾を消しつつカタナを生成することができるのである。さらにそのカタナは任意でファイターに切り替えることで攻撃手段となって敵弾を消しつつ敵に大ダメージを与えることができるのだ。追加仕様は全て幻忍中に使えるものだが、無敵化し時に反撃チャンスにもなるのが「赤い刀 真」の真骨頂。使いこなすというか、どこで効果を発揮させるかを考えながら攻略を進めていくかが面白いところなので、ぜひこの高みを目指してみてほしい。

 

「赤い刀 真」を要約すると、「撃って避けろ、無敵化に必要な祈祷アイテムと鋼アイテムをアタックモードボタンで自動回収しまくれ、ピンチ時には無敵に切り替えろ、無敵中にハガネを敵弾に当てて刀を作れ、無敵切れる前に任意で解除して作った刀を発射させろ」。これをおさえておけば「赤い刀 真」も楽しめること間違いなしだ。

 

 

また、今回リリースされた「赤い刀 真」は、松本大輔氏による新規アレンジ曲が追加されている。その新規アレンジBGMを流しながらのプレイが可能になっているので、原曲と切り替えて楽しんでみてほしい。そのほかに言及しておきたいのが、Xbox360版から新しい要素は特に追加されていないということだ。アーケードシューティングとしてはそれで正しいと思っているし、変なアレンジやリメイクは必要ないのである。「グラディウス」や「ダライアス」や「スペースハリアー」が毎回アーケード版そのままのクォリティで移植されてプレイできるように、「赤い刀」も今後ハードの世代が変わっていっても、単純に最新ハードで遊べるようにリリースしてもらえれば、無問題なのだ。そんな「赤い刀」10年振りの復活を祝福しつつ、本作に魅力を感じた新たなプレイヤーが現れてくれたら、これ以上嬉しいことはない。筆者は今回PS4版をチョイスした「赤い刀 真」だが、愛用のアケコンと共に末永く遊ばせてもらうぜ!


(文/風のイオナ)

【製品情報】
■赤い刀 真
・発売中
・ジャンル:横スクロールシューティング

・メーカー:シティコネクション
・プラットフォーム:Nintendo Switch™、PlayStation®4、Xbox One、Steam
・プレイ人数:1~2人 ※「赤い刀」モードのみ2人プレイ対応
・対応言語:日本語、英語、フランス語、スペイン語
・レーティング:CERO B (12才以上対象)
・価格:ダウンロード版 3,410円(税込) ※Xbox One版のみ3,400円(税込)
    パッケージ・通常版 4,400円(税込)
    パッケージ・特装版 6,600円(税込)

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