「CoD」シリーズ最新作「コール オブ デューティ モダン・ウォーフェアⅡ」をレビュー! ミサイルの行方を巡る緊迫のキャンペーンモードを始め、64人対戦や3人称視点のマルチプレイが楽しめる

2022年11月14日 19:060

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2022年10月28日にACTIVISION から、PS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One/PC向けに「コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア2」(以下、MWⅡ)が発売された。本作は、3000万本以上を売り上げた前作「コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア」(以下、MW)の続編。タイトルの通り「現代戦(モダン・ウォーフェア)」をテーマにしており、現実を舞台にしたリアルな戦いが楽しめる。今回は、本作のキャンペーンモードとマルチプレイモードをひと通り遊んだうえでのレビューをお届けしよう。

弾道ミサイルを追う「タスクフォース141」の戦いを描いたキャンペーンモード

 

 

特殊部隊・タスクフォース141は、作戦地域にいた標的のゴーブラニ将軍を暗殺。取引現場もろとも爆撃し、ロシア製の兵器がイランの手に渡るのを防ぐことができた。その後、テロ組織の指導者ハッサンが将軍を殺されたことへの報復をもくろんでいるという情報を元に、部隊は彼が潜伏している中東のアル・マズラへ向かう。そこにはハッサン本人はいなかったが、代わりにコンテナに収納された、アメリカ製の弾道ミサイルがあった。

 

 

なぜテロ組織にアメリカの兵器が流出したのか、ミサイルは何発奪われたのか、その配備場所はどこなのか。今回の事態に関する情報を聞き出すため、タスクフォース141はハッサンを探して世界中を飛び回る。作戦を進める中で、やがてメキシコの麻薬カルテルの関与も発覚し、事態はますます複雑になっていく。というのが本作のキャンペーンモード(ソロプレイモード)のあらすじだ。

 

前作で結成されたタスクフォース141。ソープやゴーストを始め、シリーズファンにはなじみ深い面々が所属している

 

前作の「モダン・ウォーフェア」でも話題になっていたが、グラフィックや質感のリアルさは本作でさらに磨きがかかっている。キャラクターの肌や髪の表現、水面に反射する建物や照明の光を反射するサイトなど、あらゆる要素が細かく描写されている。とくに夜戦時の画面は際立っていて、暗視装置を通して増幅された光の加減や、光の角度などで陰影が浮かび上がる兵士は迫真に迫るものがある。キャラクターのセリフに合わせて出てくる字幕や、所持している銃の弾数を示すアイコンといったゲームらしい要素がなければ、実写と言われても気付かなそうだ。

 

 

ゲーム的な話をすると、本作では特殊部隊が活躍する裏方の作戦がメインに描かれている。敵地への潜入や屋内の掃討といった、大規模かつ派手な戦いというよりは静かで緊迫したミッションが多い。とはいえ、夜闇に紛れて敵部隊を奇襲したり、上空を哨戒するガンシップの砲撃手としてタスクフォース141を援護したり、長距離からの狙撃で敵を倒していったりと、ミッション自体のバリエーションは豊富。ミッションごとのテーマやプレイスタイルのようなものがはっきりわかるので、遊んでいて毎回新鮮だし、最後まで飽きることなく楽しめた。

 

 

個人的に印象に残ったのは、長距離狙撃に挑むミッション。弾道ミサイルの在り処を探してプライス大尉とギャズが敵地に潜入、狙撃地点に着いたら周囲の敵の数を減らし、その後施設から情報を手に入れるという構成なのだが、この前半の流れである潜入・狙撃の流れが面白い。

 

 

潜入パートでは、周囲の草木に溶け込むためのギリースーツと、発砲音を抑えるサプレッサー付きの武器を使い、戦闘を最小限に抑えながら奥へと進む。ギリースーツがあるので気付かれないとわかっていても、敵がすぐ側を通り抜けるときの緊張感は相当なものだ。プライスとギャズがいるのは敵地のど真ん中なので、見つかったら当然命はない。発見されたら即死というわけでもないのだが、襲ってくる敵の数があまりに多く、ほぼ即死と言っていい。そうしたリスクもあって、敵の基地までたどり着いたときの疲労感にはこたえた。

 

 

基地に着いた後の狙撃パートでは、プライス大尉と協力して遠くの敵を倒していく。あらかじめ持ってきた狙撃銃を使うのだが、近くの敵でも300メートル以上は離れている。弾丸は飛ぶ距離に応じて徐々に落ちていくので、その分の弾道を考慮して敵を狙わなくてはならない。そこで、のぞいているスコープに表示される対象までの具体的な距離と、十字に伸びた照準線とそれに割り振られた「ノッチ」という目盛りを使って、弾道が落ちる距離を把握することになる。

 

 

筆者が遊んだ限りでは、ノッチは基本的に100メートルごとに刻まれているので、200メートルくらいの距離を狙うなら2ノッチ、300メートルの場合は3ノッチとなる。一撃で仕留めなければ敵に気付かれるので、慎重に狙わなくてはならないが、大抵の場合は狙いを定めた相手に最適なノッチをプライス大尉が教えてくれる。ただ、たまに何も教えてくれないときもあり、その場合は距離とノッチから弾道を想定し、自分で照準を調整する。

 

 

「2ノッチ半だ」、「3ノッチだ」とプライス大尉に指示されながら、その都度照準を合わせて敵を始末していく流れは、まさにプロフェッショナルといったところ。ミッション中では、いきなりノッチという単語が出てくるので最初は驚いたが、それをものにするとかえって臨場感を感じられる。筆者的には、リアルな戦場を体験できる本作の特徴が色濃く反映されたミッションだと思う。

 

キャンペーンモードのクリアにかかった時間はだいたい7時間。初心者向けのルーキーと、物語と戦闘のバランスが取れたレギュラーを始め、全部で5つの難易度も用意されているので、周回プレイをしようと思えばかなりのボリュームになりそうだ。ルーキーを選んで敵を蹴散らしていくのもいいし、最高難度のリアリズムで、過酷な実戦を疑似的に体験してみるのもいい。各ミッションにはマルチプレイで使える報酬も用意されているので、そちらもモチベーションにつながりそうだ。

 

最大64人対戦に3人称視点など、初心者が遊びやすいルールも盛り込まれたマルチプレイ

 

 

本作のマルチプレイは、基本的には「コール オブ デューティ」シリーズのものを踏襲している。チームに分かれて先に一定数の敵を倒したほうが勝つ「チームデスマッチ」、3つの陣地を巡って相手と奪い合う「ドミネーション」、攻撃側と防衛側に分かれ、目標物を巡った攻防戦を行う「サーチ・アンド・デストロイ」など、6対6をベースにしたさまざまなルールが楽しめる。

 

 

さらに本作には、20対20の「インベージョン」と、32対32の「グラウンド・ウォー」が用意されている。どちらも複数の陣地を取り合うルールであり、戦車や装甲車あり、戦闘ヘリありの大規模な戦闘が特徴。6対6とはまるで違う感覚で楽しめる。キル数や獲得したスコア数に応じて得られる報酬の「ストリーク」もこれに加わるのだから、もはやお祭り騒ぎだ。個人的には、このインベージョンやグラウンド・ウォーは初心者に向いていると感じた。

 

敵の位置を味方のミニマップに表示する「UAV」や、プレイヤーが指定した地点を空爆する「SAE」など、ストリークにもさまざまな種類がある

 

少人数だとスピード感や緊張感がある分、ひとりにかかる責任は大きい。一度やられるとつぎのラウンドまで復活できないサーチ・アンド・デストロイなら、軽率に動いて無駄死にすれば、味方に少なからず迷惑がかかる。いっぽう、インベージョンやグラウンド・ウォーなら、ペースこそゆるいが大人数で連携して戦うために、プレイヤーひとりが受けるプレッシャーも少なくて済む。40人や64人による陣取り合戦中に、たったひとりのプレイヤーがやられようが誰も気にしない。陣地を取ってスコアを稼ぐのが目的なので、必ずしも敵を倒す必要がないのも気楽だ。

 

 

初心者向けというと、本作から追加された新ルール「サード・パーソン・モッシュピット」もオススメ。これは文字どおり3人称視点のルールで、1人称視点が基本のほかのルールとは違い、自身が操作しているキャラクターを肩越しに見ながら遊べる。

 

 

視点が肩越しに変わると、1人称視点で演出される主観とは別物になる。まず視界が広い。角度によっては真横すら見えなかった主観に対し、肩越し視点になるとキャラクターの真横はもちろん、斜め後ろも見える。体を乗り出さずとも、障害物の奥を確認することもできる。視界が広い分、カメラを動かしても画面自体の変化は微々たるもので、さらに中心には常に自分の操作キャラクターがいることもあり、画面酔いになりにくいのもポイントだ。激しいアクションが苦手な人にとっても、3人称視点はかなり遊びやすいだろう。

 

また、エイム中は視認性が気になるアイアンサイトに加えて、撃った際に銃口からほとばしるマズルフラッシュも関係ない。肩越しの視点なので、そもそも持っている銃とプレイヤーの視点が遠いためだ。使う銃にもよるが、アイアンサイトやマズルフラッシュはエイム中の視認性に大きく関わる。見にくいサイトや派手なマズルフラッシュでは、狙っている最中に相手を見失い、返り討ちになることも多い。主観視点のルールで遊ぶ場合、見通しをよくするために限られた枠を使い、専用のアタッチメントを装備することもあるが、サード・パーソン・モッシュピットではそうした配慮もしなくていい。

 

 

「MWⅡ」では、バトルロイヤルの「ウォーゾーン2.0」や、完全新規コンテンツの「DMZ」といった新コンテンツの配信も予定されている。初心者の人は、今後出てくるさまざまな形の「MWⅡ」に慣れるための初歩として、大人数でわいわい遊べるインベージョンやグラウンド・ウォー、肩越しの視点のサード・パーソン・モッシュピットに挑んでみるといいだろう。

 

パーツごとの調整も可能になり、より極まったガンスミス

 

 

2019年に発売された「MW」で初めて実装されて以来、「コール オブ デューティ ブラックオプス コールドウォー」や「コール オブ デューティ ヴァンガード」にも受け継がれてきた「ガンスミス」は、本作「MWⅡ」にも続投している。

 

ガンスミスとは、ベースとなる銃にさまざまなアタッチメントを付けることで、自分好みのカスタマイズができる要素。カスタマイズ自体は過去のシリーズ作品からあったが、「MW」以降はその幅が大きく広がり、新たにガンスミスという名前が付けられた。

 

 

本作のガンスミスでは、銃ごとに「プラットフォーム」という区分がなされている。一部の銃やアタッチメントを解放するには、このプラットフォームにある銃のレベルを順番に上げていく。たとえば、始めから使えるアサルトライフルの「M4」は、M4から派生するプラットフォームの基になる銃だ。M4のレベルを一定まで上げると、M4自体のアタッチメントが解除されるだけでなく、新たに軽機関銃の「556 ICARUS」と、バトルライフルの「フォージタック リーコン」が解放。それぞれのレベルを上げれば、アサルトライフルの「M16」やサブマシンガンの「FSS HURRICANE」といった武器も新たに使えるようになる。

 

サイト系のアタッチメントだけでも50種類以上用意されている。実用性で選んでもいいし、見た目を重視してもいい

 

一部の銃やアタッチメントを解放するために各武器をまんべんなく使うことになるものの、レベルは最大でも20前後が大半で、そこまで使い込む必要がないのはありがたい。同時にいろいろな銃を試すきっかけになるので、自分に合った武器やプレイスタイルを発見して、これまでの戦い方を見つめ直すことにもつながる。

 

さらに、最大までレベルを上げた武器は「武器調整」が解放される。これは銃に装着させているアタッチメントの性能を微調整できるというもので、サイト系なら「ひるみ耐性」と「エイム速度」のうち、どちらかを下げていっぽうを伸ばしたり、銃身系であれば「反動の安定性」や「エイム時の移動速度」の数値を変えたりと、アタッチメントの付け替えだけでは届かない細部までいじり回せるのが特徴だ。

 

 

施した調整が銃のステータスにどれほど影響を与えるのかは、調整画面の中央に表示される七角形のレーダーチャートで逐一確認できる。ほかのアタッチメントが影響しているのか、いじっている対象の数値を上下させると、伸びが鈍い場合と著しい場合があり、そうした傾向を見て性能を調整していくだけでも、あっという間に時間が過ぎていく。アタッチメントとその武器調整をしたら、カスタマイズ画面から選べる「射撃場」で試しに撃ってみるというのが試行錯誤の基本だが、その様はまさにガンスミスといったところだろう。

 

タイトルにふさわしい現代の戦いをモチーフにしたキャンペーンモードを始め、大人数での対戦や3人称視点といったルールもあるマルチプレイ、ガンマニアも満足できそうなほどに細かな点まで調整できる進化したガンスミスなど、本作は前作を踏襲しつつもさまざまな要素がパワーアップしている。世界的人気を誇るFPSシリーズの最新作を、ぜひ一度遊んでみてほしい。

 

(文・夏無内好)

 

  • 【作品情報】
  • ■Call of Duty:Modern Warfare II
  • ジャンル:FPS※一部モードではTPSもあり
  • 対応機種:PS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One/PC
  • プレイ人数:1~64人
  • CERO:Z(18歳以上のみ対象)
  • 発売日:2022年10月28日
  • 価格:9,680円(税込)※秘蔵版は13,090円(税込)
  • メーカー:Activision Publishing, Inc.
  • 公式サイト:https://www.callofduty.com/ja/modernwarfare2

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