【絶賛予約受付中!】合体トイ×ハイディテールという挑戦──大張正己による新デザインを最速立体化した「THE合体 HAGANE WORKS ダンクーガ」泰勇気(声優)×田中ヒロ(グッドスマイルカンパニー)開発インタビュー

2022年09月11日 13:000

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アニメファン、トイホビーファンの痒い所に手が届くラインアップで、毎回我々を驚かせ、歓喜させているグッドスマイルカンパニーのトイブランド「メカスマ」より、またしても大作トイが発売される。

1985年にTV放送され、今もなお根強い人気を誇る合体ロボ「超獣機神ダンクーガ」が、グッドスマイルカンパニーより「THE合体 HAGANE WORKS ダンクーガ」として発売決定した。

本商品は、アニメでもメカ作監を務め、以降もさまざまなメディアでダンクーガを描き続けているアニメーター・大張正己さんによる最新設定画稿をベースに立体化。また各部に合金パーツを使用し重量感、耐久度もバッチリ。もちろん獣戦機各形態に分離変形を差し替えなしで実現するという具合に、究極の「ダンクーガ」トイと言える。

 


そんな本商品だけあって、続編「超獣機神ダンクーガノヴァ」で、ノヴァエレファント操縦者であるジョニー・バーネットを演じ、同時に声優業界随一の「ダンクーガ」フリークでもある泰勇気さんも気にならないわけがなかった!

そこで、「メカスマ」総合プロデューサー・田中ヒロさんに、「THE合体 HAGANE WORKS ダンクーガ」の魅力とこだわりを徹底的に聞いてみた。

──企画の発端から教えていただけますか?

 

田中 「このロボの決定版はもう出ているから、次はこのロボで決定版を作ろうよ」という発想になりがちなんですが、ホビー市場における世代や地域の幅が広がったことにより、最近その流れが変わってきたといいますか。すでに何度も出ている商品に対して、今度はディテールをマシマシにしてみましたとか、サイズを変えてみましたとか、いろんなアプローチで迫るという例が増えてきてました。

たとえば合体ものではなく、いわゆる単体のロボで、いろんな表現の商品が増えてきてるんですよ。特にハイディテール表現のフィギュアが、国内海外問わず独自の技術でたくさん作られているんです。3年前にこの状況を見て、「これは寡占市場だな」と思っていました。今はまだ日本のメーカーがトップを走っているんだけど、いずれものすごいプレイヤーが増えていくだろうから、これは大変な世界だと思ったんです。

ただ合体玩具の世界ではまだそのアプローチをしているプレイヤーがいなかったので、合体でハイディテールなものを作れないか、というテーマで始まったのが、今回の「THE合体 HAGANE WORKSダンクーガ」です。

 

 今年の6月にthreezeroさんが「ロボ道 ダンクーガ(ケルヴィン・サウ アレンジ版)」を出して、さすがにあれ以上のものはもう出ないだろうと思ったら、ほんの数か月後にこれ(「THE合体 HAGANE WORKS ダンクーガ」)が発表されて、本当にたまげました。たまげましたし、こうなったら付き合うぞと思いました。

 

 

田中 ありがとうございます(笑)。そこで「いい加減にしろ」じゃなくて、「付き合うぞ」と言ってくださるのがさすがです。ただ、最近はある種のしきい値を越えてきたのかもしれません。同じような商品展開をしているロボが、グレンラガンとゴライオン(ボルトロン)なんじゃないですかね。この数年で、何体出たんだという感じで、ある種レジェンドロボは切り口を変えれば別商品になるというか、定番をどう料理するのかというような楽しみ方があるんじゃないかと最近は思うんですよね。

 

 ユーザーが国内のファンだけじゃないというのもありますよね。

 

田中 そうですね。世界的にもニーズが多様化していて、だから決定版というのが人によって異なる気がしています。今までは決定版が出たら、しばらくそこに対しては誰も踏み入れないという雰囲気があったと思うんですが、最近はわりとそこはゆるくなってきている気がします。買う側としては大変なんですけどね。

 

 「ダ・ガーン」などの勇者ロボ系も、同じような発想ですか?

 

 

田中 「ダ・ガーン」など勇者ロボ系は違います。勇者ロボはこれまでリメイクされる機会がなかったので、例えばちゃんとアニメっぽい「ダ・ガーン」のいい立体物を作ろうというコンセプトでした。

対して、「ダンクーガ」はやがて来るであろう(ハイディテールなフィギュアの)ムーブメントに対して、「合体」で何かチャレンジしておきたい、というところからスタートしました。

ここで考えたのが、初立体化もの、初リメイクものはやめようということでした。「ダ・ガーン」がいきなりコテコテのハイディテールで出てきたら、きっと初手でそれはとまどうと思います。嬉しいんですけど、もっとプレーンなやつが欲しかった、とかね。

逆に、すでに番組のイメージに近いものが出ていて、かつアレンジをしてもあまり嫌な感じにならないロボというところで、おのずと「ダンクーガ」に決まっていきました。

 

 確かに「ダンクーガ」は、アレンジに寛容なところがありますよね。

 

田中 そうこうしているうちに、近しいテーマで「POSE+」さんが「ガオガイガー」を出してきて、「そうそう、こういうこと」と思いながらも、「やっぱりやってきた」と思いました。「ガオガイガー」はすでに「超合金魂」をはじめ、ある種プレーンな決定版が出ているけど、新しい解釈をしたものを出してくる、というのはまさにムーブメントとしてきているということだなと。

並行して弊社でも、昨今のムーブメントを意識したハイディテールな「ダンクーガ」と、初めてのリメイクで、最大公約数的なものを目指す勇者ロボ系の二輪が、「THE合体」では動いていたというところです。

 

 

 なぜそれらのキャラクターたちが選ばれたのか、よくわかりました。その中でダンクーガはゴリゴリとアレンジする方向になった。

 

田中 はい。情報量を増していくというコンセプトは、最初からありましたね。

 

 そこに大張さんのベースデザインは、どの段階で反映されたのでしょうか。

 

田中 先に企画スケッチを書いて、そこから設計に入ろうって段階で、ちょうど大張さんの新しいダンクーガの画稿が公開されたんです。新しいデザインを一番乗りで立体化したいということで、改めてベースデザインが大張さんで、最初に考えた全体のディテールを引き継いで、そこからGOD BRAVE STUDIOさんに原型を作っていただきました。難しいオーダーでしたが、それでもやってくれるということで相当がんばっていただきました。

 

 大張さんのデザインが出てきたことが、今回の商品の追い風になったんですね。

 

田中 そうですね。あれがなかったら、またちょっとダンクーガの形が違っていたかもしれません。

 

 初めて商品情報を観た時に、ダンクーガの変形と合体ギミックを盛り込んだうえで、この大きさだと知った時に、もっとお値段がいくだろうなと個人的には思っていたんですよ。そう考えると、58,000円っていうのはすごくがんばってくださったなと思います。

 

田中 やはり大きさと価格が比例して上がっていっちゃうので、そこをどう納得していただくものを作るかですね。まあ、為替の急激な変動がなければもう少しがんばれたかもしれませんが、なんとかこの価格に収めたというところですね。

 

 

イーグルファイター

 

 まずイーグルファイターから見てみましょう。今回、この大きさになることで初めて肘などの自由度が持てたという感じですね。

 

 

田中 今回は、このイーグルファイターのサイズを決めてから全体のサイズが決まっていった感じです。やりたいことの最小のサイズはこのサイズでした。頭部の作り込みや細部の塗り分けも、ようやくこのサイズになってできたといったところです。可動に関して言えば、股間がハの字に開くのがポイントかなと思います。つま先も接地に追従する形になっています。これは変形の都合もあっての可動です。

 

 銃もちゃんと手から離して、ダイガンに接続することができるんですね。小さいサイズゆえに、銃と手首が一体化している商品もよくあるのですが、これは嬉しい。関節軸は、可能な限り金属パーツといったところですか?

 

田中 必ずしもそうではありません。確かに金属軸を使っているパーツも多いんですが、関節によく使われるプラスチック素材のPOMも結構使っています。

 

 ヒューマロイド形態を正面から見ると、クリアパーツの面積が大きいので、その中身が気になります。コクピット内部はどの程度造形されているのですか?

 

田中 シート、コンソール的なものまでは作りこんでいます。

 

 クリアパーツ越しにしか見えないのに、ここまで作りこんでるんですね。すごい!

 

 

田中 ある種、今回一番こだわりがあるのはイーグルといっても過言ではないですね。一番小さいんですけど。

 

 変形パターンも、主翼が折り重なるなど複雑なところもあったりするから、デザインの制約も結構あるのかなと思うのですが。

 

田中 そうですね。ですので、ずっとイーグルをいじっていました。特に股関節をちゃんと開くために、可動部をひとつ増やしたりとか、非常に細かくやっております。

 

 驚いたのは、イーグルの機首部分とヒューマロイド形態の顔の造形です。顔がアニメっぽいんですよ。あとは肘の稼働ですね。

 

田中 今回は、きちんと肘の可動をやりたいと思っていました。

 

 アニメ序盤ではわりとヒューマロイド形態で活躍していたので、ポージングもしっかりしたいところですよね。

 

 

ランドクーガー

 

 手首が回転軸になっていることで、ライフルが持たせやすくなって、小脇に抱えた状態とか腕を伸ばして真っすぐ構えたりとか、自由なポージングができるんですよね。また、どうしても過去のアイテムと比較してしまうんですが、今までのアイテムだとウエストの可動はなかったと思います。

 

田中 確かにありませんでしたね。今回はその可動に加え、ウエストをきゅっと絞っているのが造形的なポイントです。脚の2体は、どちらかというと寸胴になりがちだったんですが、よりスマートなイメージになりました。

 

 

泰 肩幅も大型化した印象もあって、迫力が増したように思います。あとこの大きさだからだと思うのですが、いい表情していますね。

 

田中 そうですね。クーガーとライガーの脚組2体のイケメン度が高くなっているのが、今回の商品のポイントじゃないかと思います。あとはビースト形態のための、獣脚の可動もポイントです。

 

 確かにそこは猫っぽいと思いました。猫じゃないんですけど(笑)。足裏も、けっこう、肉球を思わせる造形がありますね。鼻の変形は、巻き込んで収納する形ですか?

 

田中 はい。アニメ準拠の巻き込むタイプです。

 

 ここは省略しそうなところですけど、きちんと再現できるのは、この大きさならではですね。まさにマスターピースな感じです。戦車形態の車輪は固定なんですね。

 

田中 そこは動きません。

 

 合体した時に足元が安定しなさそうですからね。

 

ランドライガー



 ライガーはクーガーと似ていますが、こちらにはたてがみがついていて、これが今回変形します。大きめに仕上がっているとは言え、やはり小さいパーツだと思うのですが、可動ヒンジはたてがみパーツの中に埋め込んであるんですね。いかにもここが軸ですよ、というのが見えないのがすごいです。

 

 

そして、もちろんコクピットはキャノピー越しに中が見えるのがすごいです。まだ先の話をしても仕方ないのですが、いっぱい売れたら、コクピットに誰かが乗ってるバージョンとかもあると嬉しいですね。あえてシャピロを乗せてみたり(笑)。

あとは肩の機銃も、銃口が抜かりなくちゃんと空いているのも決定版を目指しているのかなと思います。

あとは顔。精悍な顔つきでいいですね。ひさし部分ももっさりしそうなデザインですが、シャープな仕上がりになっています。

 

 

田中 そこはやはりGOD BRAVE STUDIOさんのセンスが冴えているところかなと思います。

 

ビッグモス

 

 そしてビッグモスです。同じく象担当としては、もっとも気になるマシンです(笑)。

いやー重い! これだけでひとつの合金トイとして十分な重さですね。腕が太いので、肘もきちんと上がるのかなと思ったら見事な二重関節で、180°近くまで動きますね。指も1つひとつ稼動すると。

 

 

田中 やはり拳法ポーズが大事だと思いますから。

 

 指の表情づけができるのは嬉しいです。あとは、今回の肩は面の情報量というか、塊感がすごいですね。

 

 

田中 もともと大張さんの絵をベースにはしているんですが、ディテールはそこからもかなり追加されています。そういう意味では情報量が多く、見ごたえがあるパーツだと思います。

 

 くぼんでいるところにシルバーなどの塗装が入っているのも、効いていますね。これをプラモでやるとなると面倒くさいんですが、完成品トイでここまでやってもらえるのは非常に嬉しいですね。脚の接地を見ると、足裏のパネルがしっかり追従してます。

つま先の部分にひねりがない代わりに、パネルを引き出して安定感を出しているんですね。

 

 

──ビッグモスの鼻については、今回は下ろした状態で腰をねじれるんですね

 

田中 ガチャっと下ろすだけで腰を回せないパターンと、いったんパーツを分割して回せるようにするパターンを選べるようになっています。この「ビッグモスの鼻問題」も、構想段階で分割する案もあったのですが、そこまでしなくてもいいかな、と一体のパーツ構成で進めていました。

ただ、一度出力品を見てみて、この大きさで腰が動かないのはいさぎよすぎないかということになり、かといってダミーパーツになるのは嫌だなというところで、ワンアクション入ってしまいますが、こういう形で処理をしました。

 

 

 両サイドに出ている、アームみたいなものは何でしょうか。

 

田中 タンク形態時の、両手足のロックですね。ビッグモスはタンク形態が最大の難関なんです。非常に地味なところなんですが、構造上、両手足にはロックを何も設けられないということで、本商品の難所のひとつだったと思います。

 

 そこまで考えたことはありませんでした。

 

田中 最初のDX超合金の時は、脚が軽いこともあってクリックだけの力業で固定できていたんですが、やっぱり関節にダイキャストを使うと重くなっちゃうので安定感がなくなってしまいます。でも、腕には拳が入ってるし何も仕込めない。脚側の接続部分も足裏だから何も仕込めない。もう何も入れられないということで、両側から出てくる小さなロックを刺しこむことでダブルロックすると。とても地味なんですが、すごく苦労したところです。

 

 確かに、これまでほかのダンクーガで遊んでても、かっちり戦車形態にしたいのに・・・・・・と思うことがありました。しかもこの大きさですからね。そのほかタンク形態は、けっこういろんなパーツを収納しないといけないのも……

 

田中 そこも大変な部分ですね。

 

 DX超合金版は牙を軟質パーツにすることで処理していたんですが、今回は堅い牙を、パーツを避けて収納していく感じですね。

 

 

田中 180°回すことができるので、きれいにほかのパーツを避けて動かすことができます。

胸のパルスレーザーは、硬い素材とやわらかい素材の2種類があります。取り外しは簡単にできます。

そのほか工夫したところというと、いかに車高を低くするかというところですね。今回の場合は後ろで股を広げて、お腹との干渉を避けていくという形でやっております。

 

 これをやらないと短足になっちゃうんですよね。最初のDX超合金版は太ももを伸縮させてましたよね。あとキャタピラがゴム製です。これは固定ですか?

 

田中 キャタピラは動きます。

 

 おお! 動かして遊べるのは嬉しいですね。

次ページでは、いよいよダンクーガ形態が登場!

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