いきなり付き合うところからスタート!? ドキドキの恋愛アドベンチャー「ハジラブ -Making*Lovers-」レビュー

2022年08月12日 19:050

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アキバ総研をご覧の皆さま、いかがおすごしでしょうか。ゲーム買いすぎちゃう系ライターの百壁ネロでございます。突然ですが、夏と言えば何を思い浮かべますか? 夏休み、海、花火、お祭り、バーベキューなどいろいろあるかと思いますが、やっぱり(?)夏といえば「恋の季節」ではないでしょうか! というわけで今回は、ドキドキの恋愛が楽しめる「ハジラブ -Making*Lovers-」をご紹介したいと思います。

なお、本作はNintendo Switch版とPS4版が発売されていますが、今回はPS4版でレビューをしています。

燃えるような本物の恋を求める主人公と一緒に「交際してから育まれていく恋心」を体験しよう!


本作「ハジラブ -Making*Lovers-」は、男性主人公となってヒロインたちとの恋を楽しむ、恋愛シミュレーションアドベンチャーゲームです。テキストを読み進めながら選択肢を選ぶことで物語が展開していく、いわゆるオーソドックスな“ギャルゲー”スタイルの作品となっています。



オプションについては、BGMやボイスなどの各種ボリューム調節はもちろん、テキストウィンドウの透過度、メッセージ送りでの音声継続のオン・オフ、キャラクターごとのボイスのオン・オフなどなど、テキストアドベンチャーゲームを遊ぶうえで「欲しい!」と感じる設定がひと通りそろっている印象です。これらのオプションはゲーム中にいつでも変更可能。さらに、セーブ、ロード、マニュアルの確認もすべてゲーム中いつでもできるシステムなので、かゆいところに手が届きすぎる非常に遊びやすい作りになっています。


というわけで、さっそく本作のストーリーをご紹介していきましょう。


本作の主人公は、凪沙学園という学校に通う男子生徒。「恋をするなら一生に一度、理想の相手と燃えるような恋をしたい」と考えている主人公は、手近な相手とインスタントな青春をおう歌するクラスメイトの背中を見送りながら、自分だけは違うと信じていました。しかし彼は、この学校で迎える二度目の夏に、運命の相手は空から降ってきたりはしないことに気がつきます。



理想の中だけにある幻想の恋ではなく、血の通った本物の恋をしたいと思い始めた主人公は、潮鳴神社の七夕祭りの夜、男女2人で祈れば願いがかなうという伝説がある「星見の滝」へ、女の子を誘うことを決めるのでした……。



某有名恋愛ゲームの“伝説の樹”しかり、恋にまつわる伝説が言い伝えられている場所やシンボルには、ゲームの終盤で行くというのがギャルゲーの定番ですが、本作ではその定番を覆し、この伝説の「星見の滝」にプロローグの段階でヒロインとともに訪れることとなります。しかも、ただ訪れるだけではなく、「付き合ってください」という告白までプロローグ中に済ませてしまうのです……!



実は、何を隠そう本作は「いきなり付き合う」ところから始まるという、一風変わった恋愛アドベンチャーゲームなのです。プロローグで4人の中からひとりを選択することで、そのヒロインとの交際が始まり、本編がスタートする流れとなっています。つまり、あくまでも付き合うのはきっかけに過ぎないということなのです。

「交際してから育まれていく恋心」を体験することにフォーカスが当てられている本作は、ヒロインによって主人公への想いの大きさや知り合ってからの時間の長さといった差はあれど、付き合っていること自体は共通しているため、筆者の肌感覚では、かなり“甘々”なストーリーが楽しめる印象。付き合っているからこそあふれ出る「ドキドキ感&イチャイチャ感」が本作の大きな魅力となっており、そのコンセプトゆえに、プレイ中は終始、顔が緩みっぱなしになってしまうかも!




清楚系幼なじみやギャル系後輩など、個性豊かな4人のヒロインを徹底紹介! あなたが付き合いたいのは誰?


恋愛アドベンチャーゲームといえば、やはり言うまでもなく、欠かせないのはヒロインの存在です。

本作「ハジラブ -Making*Lovers-」には、かわいい個性豊かな4人のヒロインが登場します。先述のとおり、本作は「ヒロインといきなり付き合うところから始まる恋愛ゲーム」というわけで、4人の中の誰と交際をスタートするかというのは、かなり重要なポイント。まあ、繰り返しプレイしてヒロイン全員とのお付き合いを体験してみればいいという話ではあるのですが、それでも魅力的な4人を前にすると、悩んでしまうのがゲーマー心。というわけで、ここからはヒロインたちを1人ひとりじっくりとご紹介していきましょう。


1.ほっとできる清楚な幼なじみ「園池 桜子(そのいけ さくらこ)」


ピンク色の髪とふんわりした雰囲気が特徴的な園池桜子は、幼稚園の頃から主人公と仲良しという、幼なじみの少女。主人公に自分の望みを素直に言い、さらに主人公を立てることをいつも忘れない彼女は、主人公とは、言葉にせずともお互いの考えていることが何となくわかりあえてしまう、まるで長年連れ添った夫婦のような関係。しかし、現在、主人公との仲は「愛はあるけど恋はない。恋はないけど愛がある」といったところで、進展がない状態が続いています。



「幼なじみとして好きだけど、恋心はない」という状態の桜子との交際を選択すると、無意識にお互い意識していたことを感じて、何となく付き合ってみることに……という流れになります。

やさしく清楚で癒やし系の幼なじみという、「これぞヒロイン!」といった要素が勢ぞろいの桜子とのストーリーは、安定感のあるまさに王道のシナリオ。幼なじみから恋人へと変化していく2人の甘々な関係を楽しめるのが桜子ルートの魅力と言えるでしょう。



2.ちっちゃな体にあふれる母性「篠原 小唄(しのはら こうた)」


4人のヒロインの中で一番小柄な少女、篠原小唄は、主人公と同じ学校に通う同級生。創作料理が趣味という小唄は、家の居酒屋が繁盛して忙しい両親の代わりに年が離れた弟妹たちの面倒を見ているしっかり者。主人公と同級生であるにもかかわらず、学校では「小唄ママ」という異名で呼ばれている、あふれ出る母性を持った女の子です。



小柄な女の子のキャラクターというと、妹系だったり勝ち気なツンデレ系だったりといったキャラを何となく想像しがちな筆者ですが、小唄はその幼く見える印象に反して、包容力があるしっかり者な「ママキャラ」というところがおもしろいポイント。「女の子に思いっきり甘えたい!」という願望を持つ方々には間違いなくドンピシャです。さらに、普段はしっかり者な小唄が逆に主人公にだけ甘えてくるといったシチュエーションも存在するので、そういう“いつもと違う一面を、自分にだけ見せてくれる”シーンにキュンとくる方にもオススメのヒロインと言えるのではないでしょうか。



3.ギャルカワイイで武装したザコちょろ後輩「秤 結衣(はかり ゆい)」


金髪ポニーテールと口からのぞく八重歯、そしてあえてどことは言いませんが体の一部のボリュームが爆発的な少女・秤結衣は、主人公の一学年下の後輩。過去、孤立してしまったトラウマから進学を期に一念発起した結衣は、理想の「カワイイ」を身にまとって誰にでも好かれる自分になろうと努力した結果、クラスの女子グループの中心的存在となった女の子。ギャルっぽい見た目でいわゆる「陽キャ」な雰囲気を出している結衣ですが、実は重度のアイドルオタクで、どちらかというと「陰キャ」系だったりするという秘密を抱えています。



学校の成績は壊滅的、しかも絶望的な運動オンチという、おバカキャラでザコキャラな一面を持つ結衣とのストーリーは、「見栄を張って主人公のことを友達に“彼氏”だと言ってしまい、引っ込みがつかなくなって付き合い出す」という流れから始まります。
いわゆる「ニセモノの恋がだんだんホンモノに……」というラブコメ的なアレなのですが、好きな方にはたまらないシチュエーションなのではないでしょうか。また、明るく元気でちょっぴり(?)おバカな結衣に、ビシバシとテンポよくツッコミをいれる主人公という漫才風の笑える掛け合いシーンが多く含まれている点も、結衣ルートの魅力のひとつと言えます。



4.パーフェクト美人な不思議先輩「夜舟 初穂(よふね はつほ)」


どこかミステリアスな雰囲気をまとった黒髪ロングの少女、夜舟初穂。実家が代々神を祀(まつ)る旧社家であり、自身も巫女を務めている初穂は、主人公とは別の学校に通う上級生。普段は神社の境内にある父親が仕入れたという謎の雑貨店を営んでいたり、店にいないときは駅前でストリートライブをしていたりという事もある、なんだかとらえどころのない部分が彼女の魅力。「謎めいた黒髪美人の先輩」という、刺さる人には刺さりまくるであろうキャラクターです。



初穂とのストーリーは、「初穂がお見合いを回避するために、彼女の口車にのせられて、主人公が恋人のフリをすることに」という流れからスタート。イタズラ好きな初穂の突飛な言動に振り回される主人公という、これまたラブコメの王道パターンと呼べる掛け合いがふんだんに楽しめる一方で、そんな彼女が恋愛で照れたり慌てたりという意外な一面を見せるところが初穂ルートの魅力となっています。




デートメイキング、彼女に関するデータの解析、ドキドキ感をゲージでチェック……。恋人生活を満喫できる充実のシステムをご紹介


付き合うところから物語が始まるという斬新なコンセプトが光る本作ですが、ゲーム内に実装されている数々のシステムにもまた、斬新なものが多数存在します。


そのひとつが「俺デート」。これは、恋人生活を彼女と2人で作り上げるために、一緒にデートプランを考えるというデートメイキングシステム。デートの場所やディナーの場所について、「主人公の部屋」「ゲームセンター」「展望台」「バーガーチェーン」「居酒屋」など、複数の候補から選択しプランを決定することで、そのプランに沿ったデートイベントを見ることができる仕組みとなっています。従来の恋愛アドベンチャーゲームなら、主人公がデート場所を決めてからヒロインを誘うという流れが定番でしたが、本作はすでにヒロインと付き合っている状態なので、「2人で一緒にデートプランを決める」という流れが違和感なく可能となっているのです。まるで本当に彼女と相談しながらデートプランを練っているような、リアルな恋人気分が味わえる没入感の高いシステムだと言えるでしょう。



続いてご紹介するのは、「カノジョカイセキ」。これは、ストーリーを読み進めている中で挿入されるデータ画面のようなものなのですが、そこに書かれているのは付き合っている彼女に関するさまざまな情報。これらの情報は、付き合い始めたときには?マークで伏せられているなど、不明な部分が多いのですが、物語を進めていくにつれて、言い換えるならば“彼女との仲が深まるにつれて”どんどん明らかになっていく仕組みとなっています。「彼女と親密になっていく」という過程を情報の可視化という形で実感できるユニークなシステムとなっており、ゲームを進めるモチベーションをプレイヤーに与えることに成功しているように筆者は感じました。



本作のタイトルである「ハジラブ」の“ハジ”には、「いきなり付き合うことから“はじ”まる恋」という意味の他に、“恥じらい”の「ハジ」の意味も含まれています。そんなヒロインたちの“恥じらい”を堪能できるシステムが、その名も「恥じらいゲージ」。シナリオ中の特定のシーンで、画面右上にハートマークが表示され、ヒロインのドキドキ具合に応じてゲージがたまっていくというのがこの恥じらいゲージで、会話や表情だけではわからない、彼女の内心の「恥じらい」が見えるシステムとなっています。


さらに、この恥じらいゲージがマックスに達すると、そのシーンでのヒロインの心情を彼女の視点から回想することも可能に。これにより、ヒロインがこの瞬間にどういった想いを抱いていたのかをのぞきみることができ、彼女の意外な一面を発見できます。「ヒロインが恥ずかしいと感じた場面を彼女の視点から追体験できる」というのはなかなか新鮮な味わいがあり、これもまた、シナリオを進めていく中での大きな楽しみのひとつとなっています。



ココがスゴい!「ハジラブ -Making*Lovers-」の筆者的推しポイント3選


それではここからは、筆者の独断と偏見でチョイスした本作の推しポイントをご紹介していきましょう。

1.「付き合うところからスタートする」という斬新さ


まずは、やはりなんと言ってもこれではないでしょうか。多くの恋愛シミュレーションゲームは、「意中の女の子から告白を受けるまで」「意中の女の子と結ばれるまで」の過程を楽しむ作品が多いかと思いますが、本作は「女の子と付き合う」ところからゲーム本編が始まります。


交際をゲームのゴール地点ではなくスタート地点に据えた本作は、恋愛シミュレーションゲームとしてかなり画期的であり、これまでにさまざまな「ギャルゲー」で遊んできた方でも新鮮な気持ちで楽しめる作品になっていると言えるでしょう。


従来の恋愛シミュレーションゲームであれば、エンディングのあと、つまり付き合ったあとのエピソードというのはほとんど描かれないものだったりしますが、本作はむしろその部分が本番。そんな特殊な設定だからこそ、付き合い始めたばかりの微妙な距離感であったり、いつもと変わらないやり取りの中に、ふと付き合っているからこそのやり取りが入ってきたりといった「ならでは」なシチュエーションが目白押し。「ハジラブ」というタイトルにも含まれているとおり、付き合っているという状況だからこそ見られるヒロインたちの“恥じらい”も、グッと心を掴まれるポイントとなっています。



2.軽快なテンポで繰り広げられる読みやすいテキスト


本作はテキストアドベンチャーゲームということで、言うまでもなく、「テキスト」がゲームの大部分を占める重要な要素となっています。ゲームでも小説でも、読みにくい文章・読みやすい文章というものがあると思いますが、本作のテキストは難しい言葉や言い回し、表現などが少なく、また、難解な漢字の使用なども少ないため、かなり読みやすい部類に入ると筆者は感じました。

文章のテイストとしては、軽快なテンポや現代風の言い回しが特徴的な、いわゆるラノベ調となっており、飽きることなくサクサク読み進められる点は好印象。普段はあまり読書をしないような人にもオススメできるかと思います。また、じっくり読ませる部分とライトに楽しめる部分の書き分けも非常にたくみで、クスッと笑ってホロリと泣けるストーリーが楽しめる点も大きな魅力となっています。



3.ヒロインのあんな姿やこんな姿が見られる美麗なイベントCG


恋愛アドベンチャーゲームのお楽しみ要素として外せないのは、ストーリーの大事なところで挿入されるイベントCGの存在ではないでしょうか。かわいいヒロインたちの姿を美しいグラフィックで画面いっぱいに表示してくれるイベントCGは、恋愛ゲームのメインディッシュと呼んでも過言ではなく、本作のイベントCGもとても美麗で魅力的。「ハジラブ」の“ハジ”の由来であるヒロインたちのかわいい恥じらいの表情を大画面でじっくり鑑賞すると、自然と口元が緩んできてしまうこと必至です。



中には、ヒロインたちのあんな姿やこんな姿が見られる、ちょっぴり大胆なCGも存在します。ありがたきご褒美と受け取って、“恥じらい”を覚えることなく、じっくりと心ゆくまで鑑賞し尽くしてしまいましょう!



「ハジラブ -Making*Lovers-」は、普通の恋愛ゲームに飽きてしまった方にこそ遊んでほしい作品!


というわけで、「ハジラブ -Making*Lovers-」をご紹介しました。


「付き合うところから物語が始まる」という斬新なコンセプトと、かわいくて個性豊かな4人のヒロインが魅力的な「ハジラブ -Making*Lovers-」。恋愛ゲームファンの方にはもちろん、「普通の恋愛ゲームにはちょっと飽きてきたかも……」という方にも遊んでいただきたい作品です。気になる方はぜひ、この夏、4人のヒロインとドキドキの恋を始めてみてください!



  • タイトル情報
  • 「ハジラブ -Making*Lovers-」(エンターグラム)
  • ジャンル:恋愛シミュレーションADV
  • 発売日:Nintendo Switch版/PS4版 2022年7月28日
  • 価格:
  • パッケージ 通常版:8,228円(税込)
  • パッケージ 完全生産限定版:10,978円(税込)
  • ダウンロード版:7,810円(税込)
  • https://www.entergram.co.jp/hajilove/
筆者:百壁ネロ
ゲーム買いすぎちゃう系フリーライター。現在積みゲー300本以上。小説家でもあります。著作は「ゆびさき怪談 一四〇字の怖い話」(PHP研究所)、「ごあけん アンレイテッド・エディション」(講談社)など。
Twitter:https://www.twitter.com/KINGakiko
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