亜咲花＆佐々木恵梨の映画『ゆるキャン△』主題歌対談──なでしこたちの成長と再会を描いた物語に合わせて

それぞれに深い愛を描いたカップリング曲

── 亜咲花さんのシングルの3曲目は、ご自身の作詞による「Say "I love you"」です。

亜咲花　今回のシングルで唯一、私が直接メッセージを伝えられる曲だったので、熱量が高いものになりました。ひと言で言うと、亜咲花初のウェディングソングになっています。今までの恋愛曲はピュアな青春感を表現したものが多かったんですけど、今回は成長して恋から愛に変わり、2人が永遠を誓い合う大事なシーンを想像しながら書いていきました。この曲が、そういう段階にあるカップルのもとに届いたらいいなと思って。

── 端的に言えば、結婚式とかで使ってほしいということでしょうか？

亜咲花　はい。ファンの方から亜咲花の曲を結婚式で流しましたというお話を聞くことがよくあって、じゃあ、ウェディングソングを作ってみるのはどうだろうという思いが、年々高まっていました。実はこの楽曲とは1年半くらい前に出会っていて、でもまだ10代の私には早いなと感じて、ずっとキープしていただいていたんです。今回のシングルは大人になったなでしこたちを歌った曲が表題なので、この機会に成長した私のボーカルとともに、ウェディングソングにして歌おうと思いました。

── 壮大な響きがあってエモーショナルで、ブルースと言っていい曲だと思います。

亜咲花　はい。特に1番のAメロはエッジボイスを多めに、大人っぽく歌うことを意識しました。それから注目してほしいのが曲の一番最後のフェイクです。こういうふうに歌いたいというアイデアが、レコーディング現場でパッと出てきて、その気持ちのまますぐに録ったので、今まで出したことのない高音が出ているんです。今の亜咲花の最高到達点が聴けるパートなので、ぜひ聴いてみてください。

── 佐々木さんのシングルにもカップリング曲が2曲収録されています。3曲目の「Twin Ray」が、亜咲花さんの「Say "I love you"」と同じように深みのあるラブソングだったので、まずはそちらから、お話を聞かせてください。

佐々木　「Twin Ray」は中村ヒロさんと何年も前に作った曲で、歌詞はずっとデタラメ英語がついていたんです。それに日本語詞をつけ直してレコーディングしました。

── ちょっと調べたんですけど、「Twin Ray」というのは直訳すると「双子の光」ですが、「魂のかたわれ」とか「運命の人」という意味を持った言葉なんだそうですね。

佐々木　そうなんです。だからウェディングソングではないけれども、そういう相手との深いつながりを歌った曲です。ただ、その相手をもうひとりの自分と解釈することもできて、自己愛の曲だとも言えるんです。

── 2曲目の「透明散歩」はトリッキーなリズムの、不思議な味わいのある曲でした。

佐々木　これこそ頭を全然使っていない、遊んでいるだけの曲です（笑）。なので、楽しく聴いてくださいという感じです。共同作曲者の鵜飼大幹さんは元々バンド仲間で、今までも何曲かに参加してもらっているんですけど、「こういうリフできたぜ」みたいな感じで、データを送ってきてくれるんですね。それを私がジャキジャキに刻んでメロディを付けて送り返すみたいなやり取りをして、作っていきました。

── 佐々木さんにとっては、こういうタイプの曲が自分の血肉になっているというか、自然に生まれてくる曲なんですね。

佐々木　そうですね。むしろ「ふゆびより」のような曲は普段はあまり聴かないですから（笑）。特に「透明散歩」は気に入っていて、一番聴いているかもしれません。

── 歌詞も言葉遊び感が強くて、不思議でした。

佐々木　テーマは「お魚パラダイス」です（笑）。海の中に潜って、心地よい世界に行って。でも言葉の響きだけで作っているので、意味はないも同然なんです。

── 佐々木さんにはもうひとつトピックがあって、「ふゆびより」のオルゴールが完全数量限定で9月下旬に発売予定となっています。今がちょうど販売期間で、7月8日まで申し込みを受付中なんですよね。

佐々木　ふたを開けると、「ふゆびより」の限定盤イラストのリンちゃんが描かれていて、音楽が流れるというオルゴールです。一般的なオルゴールは18弁という歯の数なんですが、これは23弁で鳴る音もより豊かになり、演奏時間も長くなっているんです。サビのメロディを使っているんですが、和音の使い方やテンポ感をできる限り私が監修させていただいて、心地よい響きになっていると思います。箱は木製でアウトドア感があって、そこも『ゆるキャン△』らしいデザインになっています。


── ファンの方にはぜひお手元に、という感じですね。長い時間ありがとうございました。最後にお2人から、ひと言ずついただけますか？

亜咲花　「Sun is Coming Up」は、映画『ゆるキャン△』の内容に合うように考えて考えて生み出した曲です。CDも聴いていただきたいんですけど、ぜひ映画館で映像とのマッチ具合を見ていただければと思います。

佐々木　「ミモザ」は、映画で流れるバージョンは、セリフの入り方に合わせてイントロを変えているんですね。CDとは違うので、そこに注目して、映画『ゆるキャン△』をご覧になっていただけたらうれしいです。

プロフィール

あさか／1999年10月7日生まれ。愛知県出身。3歳より5年間をアメリカ・ミシガン州で過ごす。2016年10月に、17歳の高校生アニソンシンガーとして、「Open your eyes」（TVアニメ「Occultic;Nine -オカルティック・ナイン-」ED）でデビュー。今までに11枚のシングルと2枚のアルバム、1枚のミニアルバムをリリース。


ささきえり／福岡県在住。幼い頃からクラシックバイオリンを習い、京都大学総合人間学部入学後、軽音サークルに加入し、ボーカル＆ソングライティング活動を始める。2015年5月、「Ring of Fortune」（TVアニメ「プラスティック・メモリーズ」OP）でアーティストデビュー。現在まで5枚のシングルと2枚のアルバムをリリース。

CDデータ

■映画『ゆるキャン△』オープニングテーマ「Sun Is Coming Up」／亜咲花



〈収録曲〉

01. Sun Is Coming Up
02. Easy Life, Easy Curry -カレーメシのうた-
03. Say "I love you"
04. Sun Is Coming Up -off vocal-
05. Easy Life, Easy Curry -カレーメシのうた- -off vocal-
06. Say "I love you" -off vocal-

〈DVD収録内容〉

01.「Sun Is Coming Up」Music Video
02.「Sun Is Coming Up」Making Movie


■映画『ゆるキャン△』エンディングテーマ「ミモザ」／佐々木恵梨

〈収録曲〉

01. ミモザ
02. 透明散歩
03. Twin Ray
04. ミモザ -off vocal-
05. 透明散歩 -off vocal-
06. Twin Ray -off vocal-

〈DVD収録内容〉
01.「ミモザ」Music Video
02.「ミモザ」メイキング映像

※映画『ゆるキャン△』オリジナル・サウンドトラック（音楽：立山秋航）も、6月29日に同時発売。
（MAGES.／3,300円（税込）／BGMと「Sun Is Coming Up」と「ミモザ」のMovie Editを収録）

※完全数量限定「ゆるキャン△オルゴール『ふゆびより』」の詳細は、MAGES. STORE https://axelstore.jp/mages まで


（取材・文／鈴木隆詩）
(C) あfろ・芳文社／野外活動委員会