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世界の全体像は、ゲームや劇場アニメに引き継がれていきます
── ストーリー的には、毎回、登場するクラスタが違うことで、多彩な物語が描かれていると思います。 賀東 この世界には、こういうクラスタがあるよということを、毎回、面白く描いていきたいと思いました。最初はこの世界について、僕ら自身が全然わかっていなくて、試行錯誤の連続で、第5話、第6話くらいで、やっとつかめてきたという印象ですね。
── 前半の話数で、印象的なゲストキャラクターは誰でしょうか? 賀東 やっぱり第2話のトイチは強烈でしたね(笑)。
── 新宿クラスタにいるヤクザの親分で、和装が似合うシブい男なんですけど、実は魔法少女になりたいという(笑)。 賀東 それから、第3話のミハイルとミールペンも、いいキャラクターでしたね。人間に置き換えるとものすごい美形で、そんな2人が「俺から逃げられると思うなよ」みたいな話をしているんです。もっとBLっぽくして、壁ドンとかやってほしかったんですけど、あの体型だとできないんですよね。
── 壁ドンしたくても、手(羽根)が届きませんね(笑)。 賀東 第5話のお台場クラスタの神官ビバルデも面白かったですし、これから放送される第8話のゲストキャラクターもいいですよ。白金台クラスタの住人たちです。第8話は世界観の全体像が見えてくる話でもあって、見ごたえがあると思います。
── 全12話なので、放送が始まってしまうとラストまで一気という感じですね。後半はどうなっていくのでしょうか? 賀東 第10話くらいまではアクション中心みたいな感じで、シリアスな話もありつつ、面白く見ていただけると思います。ラスト2話はシリアス度が増しはしますが、基本的には難しいことを考えずに楽しんでいただける作りになっています。
── クライマックスの展開について、少し教えていただけますか? 賀東 逃がし屋は、頼まれたら誰でも逃がすのか、というテーマを描いていくことになります。第8話も同じテーマを扱っているのですが、それをさらに突き詰めていく感じですね。でも、さっき言った通り、そんなに肩ひじ張らずに見ていただける話です。
── 世界の全体像も、より見えてくるという感じなのでしょうか? 賀東 見えてはきますけど、全部ではないですね。本当に一部を見せてTVアニメは終わりです。その後はゲームや劇場版でまた別の一面が楽しめます。TVアニメ1クールでは描ききれない設定がたくさんあるので、今後の展開を楽しみにしていただきたいです。
── 最後に、改めてTV アニメ「エスタブライフ グレイトエスケープ」のお仕事を総括してください。 賀東 オリジナル作品であり、アクションであり、メインキャラクターは女の子ということで、本当に試行錯誤しながら作ったという思いが強いです。自由にやらせていただいたんですけど、作品の大枠というものがあるので、その中で何をやったらいいのか、そしてお客さんに何を見せていけばいいのか、考えながらの仕事でした。でも橋本監督とのコンセンサスがしっかり取れていて、そこはよかったなと思います。それから作画の面では、ポリゴン・ピクチュアズさんにとっての新境地となった作品ではないかと思っています。
── 新境地というのは、どういうところを指してのことですか? 賀東 CGではあるんですが、2Dにすごく近いんですよね。エクアたちもかわいらしく描かれているし、止め絵も意識的に使われていて、そこは視聴者のみなさんに気づいていただきたいところです。
賀東招二プロフィール
がとうしょうじ/東京都出身。小説家・脚本家
小説に「フルメタル・パニック!」、「甘城ブリリアントパーク」など。両作のアニメ化にあたってはシリーズ構成・脚本(「フルメタル・パニック!」)、シリーズ監修・脚本(「甘城ブリリアントパーク」)を務めている。ほかに、シリーズ構成を担当したアニメに「ドルアーガの塔 ~the Aegis of URUK~」、「氷菓」、「コップクラフト」などがある。
作品情報
■TVアニメ「エスタブライフ グレイトエスケープ」
フジテレビ「+Ultra」ほかで放送中/FODにて先行独占配信中・見逃し配信中(取材・文/鈴木隆詩)
(C) SSF/エスタブライフ製作委員会