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ピアニストの佐藤さんには、難しい曲を見事に弾いていただけました(エバン)
── 「Wherever You Are, Wherever You May Be」(Disc-1の11曲目)は、TVシリーズ放送当時からエバンさんお気に入りの曲だったそうですね。 エバン はい、盛り上がっていく雰囲気が気持ちよくて好きなんです。アニメでは1度しか流れていないんですけど(第6話「どこかの星空の下で」のラストシーン)、すごく印象的に使われていました。原曲ではメロディの後ろで、弦と木管楽器による速いフレーズが流れているのを、酒井さんにピアノでもうまく表現していただきました。また、アルペジオのフレーズをつなげて、より気持ちの高まりが出るアレンジになったと思います。ピアニストの佐藤さんの左手は相当忙しかったと思うんですけど、見事に弾いていただけました。
酒井 この曲の 冒頭は五線が3つあるんです。通常、ピアノの楽譜は右手のための五線と左手のための五線の2つが並んでいるんですけど、弾きたいパートが多いので3つにして、重厚な響きになっています。また、コントラバスが低い音を伸ばしているのを再現するために、3本あるピアノのペダルの中でもっとも使われる頻度の少ないまん中のソステヌートペダル(踏んだときに押していた鍵盤の音だけを長く引き伸ばすペダル)を使って、長く伸びた低音の上でハーモニーが変わっていくという演奏法をやっています。佐藤さんもそのペダルを使うのは初めてだったんですけど、すごく上手に演奏してくださいました。
── 佐藤さんの技巧が味わえる曲になっているんですね。TVシリーズの最終話に使われた「Violet's Letter」(Disc-1の22曲目)は、いかがでしたか? 酒井 私自身大好きで、京アニフェスでも演奏した曲です。繊細なメロディをピアノが気持ちよく歌えるようにアレンジしていきました。前半は音の動きを少なめに抑えた感じにして、後半に盛り上がりを持っていきました。
エバン すばらしいアレンジでした。原曲のいいところをうまくピアノで表現していただいて、Disc-1の終わりの曲として気持ちいい曲になっていました。
── Disic-1は全曲がTVシリーズの曲(アルバム「VIOLET EVERGARDEN : Automemories」収録曲)で、Disc-2は外伝と劇場版の曲(アルバム「VIOLET EVERGARDEN : Echo Through Eternity」収録曲)にTVシリーズの曲を加えた構成になっています。 エバン TVシリーズの曲がDisc-1に収まりきらなくてDisc-2にもこぼれた形なんですけど、外伝でも使われた曲や劇場版でアレンジを変えて流れた曲なので、そちらに入ってもいいかなと思いました。
酒井 私は、Disc-2では19曲目の「Violet's Final Letter」が印象に残っています。ステキな曲で、シンプルにピアノの音色の美しさが出ればいいなと思って、アレンジしました。
エバン 「Beyond These Waves」(Disc-2の14曲目)のアレンジもすばらしかったです。原曲はリズミックで途中で転調して盛り上がっていくんですけど、ピアノアレンジでもそこが気持ちよくて。メロディを弾きながら、高い部分で細かいアルベジオの動きがかっこいいなと思って、何度も聴き返しました。
酒井 この曲の中間部はメロディが中域に行ってるんですよね。そして高いところに飾りの音が散っていて。
エバン その飾りの音がすごくいいんです。