【インタビュー】あのとき「リネージュ」は確かにもうひとつのリアルだった! 20年間やり続けたレジェンドプレイヤーだからわかる同作の魅力

2022年03月14日 17:400

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SNSや動画配信サイト、コロナ禍でのリモートでのやり取り等々、2022年の現在は、現実とネットが地続きになった感が強い。しかし、約20年前は、ネットはもうひとつの新しい世界だった。

2000年代に流行したMMORPGの草分け的存在


※使用しているスクリーンショットは2005年当時のものです


その中でも抜群の拡張性で、ゲームユーザーを虜にしていたのがMMORPGだった。当時2000年代に流行ったPCオンラインゲームの中でも、多くのユーザー数を誇っていたのが初代「リネージュ」である。今回は、今年2月12日に日本サービス20周年を迎えた同作を20年間やりこんでいるという、「ウィザード」使いのHさんと、「ダークエルフ」使いのIさんに20年の軌跡と同作の変わらない魅力について聞いてみた。


Iさん(写真左)とHさん(写真右)


まず「リネージュ」の基礎情報であるが、1998年に韓国でサービスを開始し、日本国内では2002年にエヌシージャパンにより正式サービスがスタートしたMMORPGだ。2Dのクォータービュー(斜め見下ろし型視点)を採用しており、他ゲームでギルドに相当する「血盟」をプレイヤー同士で結成し、血盟同士が城を奪い合う「攻城戦」などが特徴だ。プレイ時に選べるクラスは、現在「君主」「ナイト」「ウィザード」「エルフ」「ダークエルフ」「ドラゴンナイト」「イリュージョニスト」「ウォリアー」「フェンサー」「ランサー」の10つ。なお、ゲームプレイ開始後に同キャラクターでのクラス変更はできない。


Hさんはサービス開始初期から「ウィザード」ひと筋で、どちらかというとソロ狩りを好むプレイスタイルだ。このクラスを選んだ理由は「指輪物語(ロードオブザリング)」のガンダルフのような、後方支援だけではなく、自身にバフをかけて肉弾戦もできるマジカルとフィジカルを両立した「ウィザード」に憧れていたからとのこと。


Hさん:初めて「リネージュ」に触れたときは高校生でした、毎日平均二桁時間プレイしていた記憶があります。最初はウィザードってできることが多そうだなと思って使うのを決めたのですが、自分を強化して前線で戦えるようになったのは、ある程度強化されてからでしたね(笑)。


Iさんは元々Hさんのリアルでの友人であったが、遊んでいる途中にHさんがあまりに「リネージュ」を推してくることから興味を持ったそうだ。



Iさん:Hさんと遊んでいると、合間に「リネやりてー!」と挟んでくるんですよ。それで興味を持ったのですが、当時はまだ回線がISDNで(笑)、半日くらいかけてHさんにADSLを入れてもらった記憶があります。


なお、Iさんは最初「ナイト」を使用していたが、忍者っぽい風貌やプレイスタイルが楽しめそうな「ダークエルフ」が近いうちに実装されると知り、「ナイト」のキャラクターはひとまずのゲーム内での資金集めに使い、その後「ダークエルフ」が実装されてからは19年間、同クラスを使い続けている。


現実とは別の広大な世界ができたぐらいの新鮮さがあった!



「リネージュ」を含む、1990年代後半から2000年代初期当時に増え始めたMMORPGは、それまでのゲームの観念を覆し、今でいうところの「メタバース」そのものだった。ネット文化の黎明期において、彼らはまさに時代の最先端を、今までは体験できなかった面白さととらえ、走っていた。


Hさん:まずMMORPGで世界中のプレイヤーと同時に同じゲームができるという点に驚きました。そして実際、「リネージュ」でもゲーム内のプレイヤーとチャットで会話ができ、現実とは別にもうひとつの世界があった感じでした。また、ゲームが買い切りではなく、アップデートされていくというのも当時は新鮮な体験でした。500時間やったらどうなのか、5000時間やれば先が見えるのかと思えば、まったく見えない。深淵をのぞくイメージといいますか、ものすごく魅力的な刺激でしたね。


Iさん:僕がまず興味を持ったのは、ゲーム中でペットが飼えることですね。今でこそ珍しくないですが、ゲーム内のペットなのに、おなかが空いて死んでしまうのが鮮烈でした。同じペットは死ぬと2度と帰ってこない。「やり直しがゲームで利かないなんて!?」と衝撃を受けました。やり直しが利かないのはプレイヤー側も同じで、ちょうどいいところでリセットして再開、というのができない。プレイ中にキャラクターが倒されるとペナルティ(デスペナルティ)が科せられるということでかなり緊張感がありました。


なお、サービス開始から2009年までは同ゲームは月額払い、2009年3月3日以降は基本プレイ無料ということで、今でいうサブスクリプション(サブスク)やアイテム課金などを、「リネージュ」のプレイヤーたちはいち早く体験したとも言える。



「リネージュ」といえば「攻城戦」によるPvPが有名で、対人戦を好む傾向のプレイヤーが多い印象だが、そこはMMORPGということで20年前からからさまざまな楽しみ方があった。Hさんもそういった独自の楽しみ方を模索していたひとりだ。


Hさん:血盟には所属していましたが、最初期から私はソロ狩りをメインでやっていました。そういう楽しみもできましたね、昔から。ネットゲームというと人間関係がどうのという方もいますが、実はそこまでではなく、1人ひとりが、「自分がこうしたい」というロールプレイを決めて、冒険を楽しんでいた印象です。自分と同じような人は結構いて、早朝とかに狩りをしていて別の血盟の人に会っても「よく会うね」とか和気あいあいとした感じで、対立というのは特に意識したことはないですね。


Iさんも血盟やPvPのシステムは楽しみつつ、ネットを介して多人数がプレイするという基本的な部分を大事にしていたプレイヤーのひとりだ。


Iさん:PvPはもちろんこのゲームを楽しむ部分のひとつですが、当時はまだSNSもアプリを介してリモートで対面するなどということもなかった時代です。ゲームをやるだけで、仲間たちに会えるのがうれしかったですね。社会人や学生など異なる立場の人が仲良くなるなんてことは、今となってはよくあると思いますが、当時は珍しかった。私は家が厳しかったので、学校の試験が近いと「遊んではいけません」という家庭だったのですが、試験期間中にこっそりゲーム内の仲間たちと会ったりしたこともありました。ちなみに、Hさんはガチでプレイしているときにチャットを送ると「話しかけんじゃねえよ! 今忙しいんだ!!」って言ってくることがありました(笑)。


「リネージュ」はゲームの枠を超え、コミュニケーションツールとしても発展し、過去にはプレイヤー有志が主体で「リネオフ」という大型オフ会イベントも開かれたことがある。血盟ごとのオフ会というのもサービス当時から珍しいことではなく、なかにはそこで知り合い、リアルで結婚したケースもあるようだ。


「新規復帰プレイ支援キャンペーン」など、現在は新規勢や出戻り勢力にもやさしい



さて、「リネージュ」と言えば、経験値の獲得が大変なうえ、サービス当時はキャラが死亡した場合はデスペナルティで経験値の13%が奪われるという、長年プレイしてきたIさんもHさんも認める「マゾい」仕様ではあったが、20年経過した現在は新規や復帰プレイヤー歓迎で、それを援助するキャンペーンや環境も揃っている。


Iさん:我々はアイテムの無料配布がないゼロベースの状態で、1年プレイしてようやくレベルが1上がるような時代からやってきましたが、今の人にそれをやれというのは酷だと思います(笑)。現在は新規プレイヤーや復帰プレイヤーに、役立つ武具一式が配布されたり、毎日アイテムが配布される「スペシャルログインスタンプ」などもやっているので、もっとカジュアルに遊べるようになっています。


Hさん:デスペナルティで経験値を奪われたときは、それこそ寝込むほどでしたが(笑)、今はレベル55までは死んでもペナルティがなく、経験値を復旧するシステムもあるので安心です。ある程度までは楽しく、やり応えを求め始めた頃に、ちょうどシステムがプレイヤーに厳しめになるように変わっています。胃がキリキリするようなスリルは、私たちが始めた頃は刺激的な魅力のひとつではありましたが(笑)、今は気軽に長く遊べるゲームに変わっていると思うので、復帰勢や興味を持った新規の人はぜひやってみてほしいという気持ちです。


サービス開始から20年を経過した現在も「リネージュ」は変わらず、日々プレイヤーを楽しませている。今は誰もがスマートフォンを持ち、SNSで気軽に人とつながることができる時代だが、あまりにネットと現実が地続きになりすぎて疲れる人も多い。そういった、スマートフォンを介したコミュニケーションとは異なる魅力が「リネージュ」にはあると、Hさん、Iさんは口をそろえ、これからも「リネージュ」をプレイしていくと話した。



Hさん:20年前の活気やモチベーションと同じというわけにはいきませんが、「リネージュ」というMMORPGを介して行う会話はSNSとは違うもので、この魅力は普遍的です。



Iさん:「リネージュ」がリアルとは別の、もうひとつの“故郷”になっているんですよね。ログインしてゲームをやっているという感じではなく、帰郷するというのが今は正しいかもしれません。これは普通のゲームでは味わえない体験だと思っています。



「リネージュ」ゲーム概要


『リネージュ』は気軽に遊べる無料オンラインRPGです。20年以上の歴史を持つ剣と魔法のファンタジー世界で繰り広げられる壮大な物語。その世界では日々、数千人規模のユーザーが同時に協力して敵を倒したり、チャットで気の合う友達を作りながら冒険を進めます。従来の家庭用ゲーム機やPCゲームからは考えられなかった自由度の高い楽しみをお客様に提供しつづけています。





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