ガメラのプラモデルは、まさかの1/700スケール!? エクスプラス「少年リック」の目指す、プラモデル製モンスターたちの理想郷【ホビー業界インサイド第79回】

2022年03月12日 12:000

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インターナショナルな人材の協力で、世界的キャラクターを続々と製品化


── しかし、プラモデルシリーズの第1弾はアメリカン・コミックスが原作のセクシーな美女、ヴァンピレラでしたね。

Gee ヴァンピレラを選んだのは日本にコンペティターがおらず、ライセンスが取得しやすそうに思えたのと、オーロラからすでに1/13スケールではプラモデル化されていたからです。日本版が1978年に創刊された「スターログ」誌には、イラストレーターのホセ・ゴンザレスの描いたヴァンピレラが掲載されていて、血気盛んな年ごろだった我々からすれば、鼻血ブー!ほどの魅力でした(笑)。

── ヴァンピレラは、蓄光素材で成型したグロウ・イン・ザ・ダーク(暗闇で光る)版も発売されるんですね。

Gee グロウ・イン・ザ・ダーク版は、当初からパッケージデザインを込みで考えていました。ヴァンピレラの下箱には別注(1インチ/2.54センチ)のつや消しテープを使って、表面も普通のシュリンクではなく、セロハンを折りたたんで包装しています。

── テープやセロハンまで、オーロラ商品へのリスペクトなんですか?

Gee はい、オーロラのモンスターシリーズを知っている方たちなら、このこだわりを理解してくれると思います。聞いたところでは、ヴァンピレラの主な購買層は50~60代、70代の方たちだそうです。


── ヴァンピレラは、ポーズも造形も異なるVer.2が発売されるようですが?

Gee 最初に発売したヴァンピレラのポーズは、オーロラのキットの裏に刷られていた絵を立体化したものです。当時の広告などでは使われていたのが、このポーズですね。Ver.2は、ホセ・ゴンザレスの描いたイラストそのままのポーズとなります。ヴァンピレラはもうひとつ、M字開脚でホットロッドを運転しているポーズで出したいと思っています。最近、ゴジラがゴーカートに乗っているオーロラのプラモデルがポーラライツから復刻されましたが、ああいう感じでヴァンピレラを出したいんです。

── 古典SF映画「メトロポリス」の女性型ロボット、マリアがプラモデルになるのも、驚きです。

Gee 1927年公開の「メトロポリス」より前の無声映画といえば、「巨人ゴーレム」「吸血鬼ノスフェラトゥ」「カリガリ博士」などでしょう。「メトロポリス」は、“Maschinenmensch” (ドイツ語で機械人間)という傑作デザインを生み出しました。「メトロポリス」のフィルム自体はパブリックドメインになっていますが、デザイナーが手がけたものは、その没後何十年かにわたって権利が保護されるそうです。ですから、著作権を管理している人に行き当たるまで、かなりの時間がかかりました。以前、合金製玩具(ダイキャストエイジ)で「禁断の惑星」に登場するロビー・ザ・ロボットを発売しまして、その第2弾としてこの“Maschinenmensch”を考えていました。原型まで完成していたのに、権利関係が障壁となって発売できなかったんです。そこで今回は、弊社のインターナショナルゲームチームのドイツ人スタッフに協力してもらい、彼のがんばりもあって、WSM ARTから正式に許諾を得られました。
ちなみに、プラモデル“Maschinenmensch”の原型制作はスウェーデンの方です。ヴァンピレラは、ブラジルの原型師にお願いしました。弊社のゲームチームは、音楽やデザインなどを海外のあちこちにアウトソーシングしています。そのラインの中で、3D造形できるクリエイターが見つかりました。エクスプラスが貿易商社だからこそ、そうした海外の有能な人材ともつながりができたわけです。

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