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背中の鳥型メカは分離するのか? ギミックはあるのか? ないのか?
前のページで「上半身」と書いたように、このキットは胴体が上下に別れている。上半身と下半身を別々に組み上げた後、戦車の砲塔のように差し込んで90°回転させる方式。これまた、私が好感度を一気に倍増させる大好きな構造。スケールモデル的な要素がキャラクターモデルに導入されていると、何でもうれしい単純バカです。
▲ 腰パーツに、両足を組みこむ。股関節は左右に広がる構造。それほど大きく開くわけではないが、足首を左右に振れるなら、股関節も左右に開けないとどうにもならない。この時代のプラモは質実剛健というか、誠実な作りなんだよな組み立て説明書に従うと、次は背部から分離する鳥型メカ、そして頭部の取り付け、そしてスラーゼンのフィギュア……と、怒涛のようにクライマックスを迎えます。
▲ 説明書を見ると、キャラクター解説のところでは「分離飛行メカ」と書いていたくせに、ただの「鳥」よばわり。「鳥の取り付け」って……その突き放した言い方、急にどうしちゃったの? スラーゼンを「人形」とだけ書いてるところもクールだよね
▲ その「鳥」だけど、左右を接着するだけのシンプルな構成。翼を差し込むダボは丸いので、接着しなければ可動させることもできる。しかし、この鳥型メカそのものは胴体へは接着してしまうので、設定のように分離したりはしない
▲ そして、思わせぶりに板状ブロックで挟み込む構造になっていた頭部だが、これも胴体に接着するだけ、特にギミックなし。うーん、そうなのかどうしてこんなに背中の「鳥型メカ」と「首の板状ブロック」についてしつこくこだわっているかと言うと、初登場時、危機に陥ったガリアンを助けるために飛来した鳥型メカがスカーツの背中に戻る際、首が前にスライドしてるんだよね。だから、板状ブロックごと動くような簡単な分離合体ギミックがあるのでは? と期待したんだけど、とにかく完成しました。
▲ 穴の開いた右手には、伸ばした状態のランサーを持たせた。ポーズがお行儀くなってしまうのは仕方がないとして、手足がぶっとくて、しかも優雅なラインを描いている。頭が小さいのも好印象
▲ そして、背部の鳥型メカの翼は接着しなかったので、このように動かせる。この翼は、劇中では分離時に180度回るんだよ。だから、ちょっと手を入れれば分離ギミックが再現できる、というか「モデラーの君たちが再現しろ」というメッセージか?
▲ パッケージ写真にあるようにランサーを両手で構えさせたり、左右に回せる胴体を利用して、戦っているっぽいポーズもつけてみた
▲ 選択しなかった短いランサー、そしてドン・スラーゼンを台座に接着して並べてみた。ヤバい、やっぱりスラーゼンの造形がよすぎて、すべてを持っていってしまう! 奇跡だろう、スラーゼンのような親父キャラのインジェクション成型って!!
タカラ製のスカーツは1/100スケールで当時価格600円、このクラウンモデル製は1/130スケールで300円。全高は11センチぐらいだから、かなり小ぶりではある。だけど、1984年になると標準サイズのキットが複雑になりすぎて、価格帯が上がってしまったため、低価格帯キットの存在意義は高かったように思う。
以前に、「蒼き流星SPTレイズナー」のザカールを取り上げたけど(https://akiba-souken.com/article/47935/)、標準サイズで発売できなかったロボットを救済する側面もあっただろう。しかし、クラウンモデルの「ガリアン」シリーズって、全部のキットにフィギュアが付いてるんだよね? ウィンガルに付属するマーダル兵とか、もう匿名の戦闘員じゃん? それを金型に彫ったのか! 狂ってるよ、素晴らしい。「どうしてこうなった?」という要素があるから、80年代プラモは楽しいよね。さて、来月は何を素組みしようかな!
(文/廣田恵介)