【ちょいレトロなトイレビュー連載!】「マクロス7」放送当時に発売された完全変形トイ「デラックスファイヤーバルキリー バサラスペシャル」は、今見ても色あせない傑作トイだ!【懐かしトイ発掘隊 第1回】

2022年02月01日 15:050

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アキバ総研の編集Aが自前の懐かしトイコレクションを振り返り、古きよきトイに思いをはせるコラム「懐かしトイ発掘隊」がスタート!

自身が幼少期に遊んだ懐かしのトイを改めて収集することが趣味の、1980年生まれの私、編集A。しかしいつしか集めることが目的となり、トイの本来の目的である「遊ぶこと」を忘れていやしないか? トイは飾って眺めるものにあらず。遊んでこそのトイではないのか!

 

ということで、これまでほとんど遊ばれることなく、死蔵されていた自前のちょいレトロなトイをきちんと遊び直してみようというのが、この連載。

もしかすると、今のトイにはない発見や気づきがあるかも……?

 

記念すべき第1回は、変形ロボットの王様「マクロス」のバルキリーです。しかも、「マクロス7」の「ファイヤーバルキリー」!

 

「マクロス7」は1994年10月から1995年9月にかけて放送されたTVアニメで、1982年に放送された大ヒット作「超時空要塞マクロス」の続編として、鳴り物入りで放送スタートしました。

前作はアイドルの歌うラブソングが戦争を止める切り札として物語を盛り上げましたが、本作の歌は「ロック」! しかもギター&ボーカリストの熱気バサラが、ギター型の操縦桿をかき鳴らしながら、「戦争なんて下らねえぜ! 俺の歌を聴け!」と叫びながら戦場をかき回すという、前作を知っているファンほど「どひゃー!」とひっくり返るような内容だったのです。

しかも、前作の主人公・一条輝の乗機は実在の戦闘機をモチーフにしたリアル志向のルックスである「VF-1」だったのに対し、ファイヤーバルキリーはスーパーロボットばりの口ありフェイス! 放送当初は大いに物議を醸したものですが、はてさてトイの出来はいかがでしょうか?

 



第1回 「マクロス7」デラックスファイヤーバルキリー バサラスペシャル(バンダイ)

 

本商品が登場したのは、アニメの放送も中盤にさしかかった1995年前半頃だったように思います。

当時、バンダイからはプラモデルも発売されていましたが、非変形タイプの1/144スケールと差し替え変形の1/100ということで、「これ、どういう変形をしてるんだろう」とずっと疑問に思いながらアニメを見ていた記憶があります。

それゆえに完全変形を実現したこのトイの発売を知った時は、「これで、どんな変形をしているのかがわかる!」と歓喜したものです。

 

まずは箱から見ていきましょう。

 

OP映像に登場したCGを彷彿とさせる、正面から見たファイター形態のファイヤーバルキリーがカッコいい!

 

 

 

けっこう奥行きのある箱ですね。サイドや後には、トイを使った写真が多数。これでもかというくらい、変形推しです。

 

内容物はこちら。ファイヤーバルキリー本体と、組み立て式の武装「ランチャーポッド」。ホイルシールと説明書です。

 

ランチャーポッドをランナーから切り離して、組み立ててみました。

 

さすがに27年も前のトイなので、プラの経年劣化が感じられます。ピンをはめる時に「キシキシ」と音がして嫌な汗が流れます。

 

ホイルシールは意外と粘着力は劣化しておらず、問題なく貼り付けられました。

というわけで、完成!

 

ちょっと足が長すぎる気もしますが、全体的にはなかなかナイスプロポーション!

いかにも主役メカっぽい真っ赤なボディと、ヒロイックなフェイスがたまりません。

 

 

 

 

イケメンですね。目と口周りもしっかり塗装されています。頭部のカミナリ状のマーキングと、トサカ部分。それと胸の黄色い三角、肩のひし形の紫色部分がシールです。

 

足の可動はこんな感じ。太もも部分は動かせませんが、膝の上下にそれぞれクリック可動部があるので、意外と大きく足を曲げることができます。

 

腕は二の腕にロール軸が。

 

肘の関節は一軸ですが、けっこう深く折り曲げることができます。

 

では、ちょっとポーズを取らせてみましょう!

 

ポッドを構えて様子をうかがうファイヤーバルキリー。

 

飛行しているイメージ。「俺の歌を聴けーーっ!」

 

さて、ここからが本番です。

バルキリーと言えば、バトロイド(人型)、ガウォーク、ファイター(戦闘機)の三段変形が最大の特徴!

というわけで、さっそくガウォークに変形させましょう。

 

上半身のロックを外して、後ろに倒します。

 

小ネタですが、変形の過程でバトロイド時、コクピットブロックがどの位置にあるかがよくわかります。差し替えナシの変形が可能なトイだからこそ、アニメではじっくり見れなかった変形ギミックやロボットの構造を楽しむことができます。

 

続いて、足を逆関節の鳥脚状に変形させます。

 

ガウォークっぽくなってきました。

 

次に頭部を収納します。

 

首を180°回転させます。

 

両耳のアンテナを回転させて角度を変えた後、ブロック内に頭部を収納させ、カバーでフタをします。この最中にアンテナがうっすら白くなってきて、いつか折れるんじゃないかとドキドキしました。

 

次は翼の変形。

 

前進翼を展開します。

 

ここで翼側の出っ張りパーツを本体側の穴に差し込んで固定するんですが、クリアランスがめちゃくちゃタイトです! 翼のすぐ上に腕があります。そしてここでもプラの劣化が怖い……。無理にパーツをねじ込むと、ボロっと砕けそうです。この連載、これから毎回プラの劣化を気にしながら続けることになりそうな気がしてきました……。

 

ガウォーク形態、完成!

ほとんどアニメには登場しなかった記憶があります(たしか1~2回くらいしか登場しなかったような?)が、かっこいいですね。翼を脇で挟むという一風変わったデザインが特徴です。

 

 

 

そして、最後にファイター(戦闘機)形態に変形させましょう!

 

まず武器をとりはずします。

 

続いて両腕を後ろに回します。

 

左腕にあるダボを、右腕にある穴にはめこむと……

 

かっちりと両腕、両肩が固定されます。

 

 

今度は両翼の根元にある差し込みパーツを、穴にはめ込みます。

 

そして両脚を後方に向けて、つま先を折りたたみ、尾翼を起こすと……

  

ファイター形態完成! 本当は機首にもシールを貼らないといけないのですが、台紙と癒着してしまっていたので、泣く泣く諦めました。

 

実に美しいフォルムじゃないですか……! バトロイド、ガウォークともに当時のトイとしては悪くはなかったのですが、ファイター形態の完成度は頭ひとつ飛び抜けています。滑らかな機体の表面は感動的ですらあります。パーツの合いがバッチリです。

 

ファイター形態をベースに、ほかの形態を設計したんじゃないかな……? なんて勘ぐっちゃうくらい洗練されてます。

 

キャノピー部分はクリアスモークとなっており、なかなかリアル。

 

両腕、両脚、頭部がみっちりと詰まった機体後部。なのに、変形マシンとは思えない見た目。非常に完成度の高いデザインのマシンだとわかります。

 

後から見るとこんな感じ。しっかり足の裏までディテールが刻まれています。

 

裏側から見るとこんな感じ。裏側もかっこいいです。

 

ちゃんとランディングギアも展開します。まず機首の根元辺り。

 

両脚の脛に当たる部分にもランディングギアが。本当は長方形のパーツが回転して、車輪が露出するんですが、パーツがガチガチになっていて動かすことができなくなっていました……。

 

そして、ポッドを機体下部に懸架することが可能。……なんですが、ここでついに差し込み穴のプラパーツが割れてしまいました……(泣)。

 

これが割れた欠片です。うう……。おもちゃで遊んでたら壊れるのは日常茶飯事……。悲しくなんて、ない……。

 

「懐かしトイ発掘隊」第1回いかがでしたか?

タカトクトイスから発売されていた「超時空要塞マクロス」のバルキリーシリーズも非常に完成度が高く、今もなお伝説的トイとして語られていますが、ファイヤーバルキリーもその後継作のアイテムとしてはなかなかのクオリティではないでしょうか。

特に、偉大なる始祖とは全く異なるアプローチの変形ギミックに挑戦しつつ、各形態のフォルムも破綻なしという点は素晴らしいと思います。

またこの「ファイヤーバルキリー」は、子供向けトイということもあり、多少力業で変形させても壊れない堅牢さがポイント。近年は繊細な取り扱いを要求されるハイエンドなトイやプラモデルでの商品展開が多いバルキリーですが、やはり変形トイには多少乱暴に扱っても大丈夫という安心感も遊ぶ上で大切な気がします。 

 

というわけで、これから連載にかこつけて、倉庫の奥底に眠っていた懐かしのトイを令和の時代によみがえらせてみようと思います。

次回もお楽しみに!

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放送日: 1994年~1995年   制作会社: 葦プロダクション
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