【新作ゲームレビュー】ゴスロリ少女が敵を撃ち、アイテムの雪崩をかっさらう! 点稼ぎが楽しい弾幕シューティング「デススマイルズ I・II」レビュー!

2021年12月27日 13:260

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シティコネクションから、2021年12月16日に「デススマイルズ I・II」が発売された。

弾幕シューティングゲームの名門・ケイブが2007年から展開する横スクロールシューティングを2作セットにし、Nintendo SwitchおよびPS4、Xbox One(Xbox Oneはダウンロード版のみ)に移植したものだ。シリーズはこれまでにもXbox360版やiOS版、Windows版が発売されてきたが、今回は同じケイブのスマートフォン用シューティング「ゴシックは魔法乙女~さっさと契約しなさい!~」のキャラクター5人がDLCおよび特装版の特典で使用可能となるのがポイント。

どちらのゲームも同じ世界を舞台としているため、まさに夢の共演である。キャラクター的にも個性の強い性能となっており、使っていて面白い仕上がりとなっているのだ。

 

 

シューティングゲームといえば戦闘機やメカが戦うものが多いが、「デススマイルズ」シリーズは、ゴスロリ服を着た美少女たちが魔物や死神に立ち向かうという、ゴシックホラー風の世界観が特徴だ。「デススマイルズ」のオリジナル版がアーケードで発表された2007年当時、シューティングゲームは「冬の時代」を迎えつつあり、キャラクター性を強化することによる新規ユーザー層の獲得が模索されていた。

「エスプレイド」(1998)、「エスプガルーダ」(2003)では自機がエスパーの少年少女となり、「怒首領蜂大往生」(2002)では自機の戦闘機にパートナーの美少女が同乗。「鋳薔薇」(2005)はセクシーな美女軍団が敵になるなど、さまざまな方向性が試みられていたのである。こうした取り組みのひとつが「デススマイルズ」シリーズである。

現実世界から異世界に転移した美少女たちが、魔法を身に付けて戦う、というイマ風の設定がポイントだ。本作と世界観を同じくする「ゴシックは魔法乙女~さっさと契約しなさい!~」(2015)がスマートフォンゲームとして現役であり、新規ユーザー層の獲得に成功していることを考えると、「デススマイルズ」シリーズの果たした意義は大きいと言えるだろう。

 

 

 

そんなシリーズを現行機に移植した「デススマイルズ I・II」には、「デススマイルズ」と「デススマイルズ IIX 魔界のメリークリスマス」を収録。「デススマイルズ」はオリジナル版とバージョンアップ版「デススマイルズ メガブラックレーベル」の各タイトルに、原版「アーケード」、Xbox360移植版の「ノーマル」およびアレンジ版「バージョン1.1」(少女たちを助けるオプション「使い魔」を常に動かせる)が収録。

そして「~IIX」では原版「アーケード」およびXbox360移植版「IIX」(全方位攻撃「結界」で敵を倒すと特殊な弾が発射されるが、高得点のチャンスにもなる)と「アレンジ」(「使い魔」で敵弾を消して得点アイテムに変化させることができる。得点アイテムを取り続けて「テンションメーター」を上げ、激しくなった敵弾を消して高得点を目指す)が収録されている。

シリーズ未経験の人だと3作品9モードが提示されるのでとまどうかもしれないが、基本的には「バージョン1.1」や「IIX」「アレンジ」といった新しいバージョンのほうがプレイしやすくなっている。

 

「デススマイルズ メガブラックレーベル」では、「デススマイルズ」の中ボスだったサキュラが使用可能に

 

「デススマイルズ IIX 魔界のメリークリスマス」の「アレンジ」。画面上部の「テンションメーター」は、得点アイテムを取ると上昇し、敵の攻撃が激しくなる。しかし、敵弾は消して得点アイテムにできるため、危険は増すが高得点のチャンスにもなる

 

本作の面白さは、無数の敵をバリバリ倒しつつ、システムを理解して後述する「パワーアップ」「フィーバー」といったインフレ状態を自分で作り出して得点を稼いでいくところにある。

基本的には、「左方向ショット」「右方向ショット」ボタンで左右にショット(弾)を撃ち分け、敵を倒していく。連打と押しっぱなしでショットの性能が変化するが、基本的には連打は広範囲に弾が飛び、押しっぱなしだとその逆となる。敵は背後(左側)からも容赦なく襲いかかってくるため、左右の撃ち分けも重要だ。そして、頭上や足元など、ショットの範囲外から敵がきたら、両ボタンを同時押ししての「ロックショット」を使う。広がる円内に敵をとらえると誘導弾が飛ぶため、広い範囲への攻撃が可能。これらの攻撃を状況に合わせて使い分け、うまく敵を倒せるようになると爽快さも増すのである。

 

 

これだけでもシューティングゲームとして楽しいが、得点アイテム周りのシステムを理解すると、さらに気持ち良くなれる

敵を倒すと指輪や王冠、黄金の王冠といった得点アイテムが出現する。敵によっては連打と押しっぱなしのどちらで倒すかによって出現する得点アイテムが異なるが、これを理解して敵を倒すと、スコアも伸びる。工夫しただけ応えてくれるシステムというわけだ。

得点アイテムを取り続け、画面左下の「アイテムカウンター」が1000に達したら「パワーアップ」のチャンス。「パワーアップ」中はショットが強化されて攻撃もより派手になる。得点アイテムも多く出現するうえ、たくさん取れば「フィーバー」が発動し、さらに多くの得点アイテムが出るようになる。

ここでは「出現したアイテムが地形に落ちると、壊れて1ランク下のものがたくさん出る」性質を利用すれば、さらに稼げる。たくさん出た黄金の王冠が、地形で壊れてもっと多くの王冠や指輪になったのを一気に回収するというわけで、独特の気持ちよさがある。システムを理解した達成感と、雪崩のように押し寄せてくる王冠や指輪といった高価な装飾品を回収する快感で、右脳と左脳が同時に刺激される。

 

 

本作はいわゆる「弾幕シューティング」であり、敵の攻撃はかなり激しい。

 

今回の移植版には「トレーニング」モードが追加されており、キャラクターやステージはもちろんのこと、「アイテムカウンター」や敵弾を消す「ボム」の数、ゲームのランクなどを自由に設定できるため、ミスしがちな面を練習したり、得点アイテムを一気に集められる面を繰り返しプレイすることができる。Xbox360版と同様にリプレイを保存することができ、プレイの様子を後から眺めることも可能。ゲーム機をネットに接続すれば、達人のリプレイをダウンロードできるので、参考にしてみよう。

 

 

新要素の中でも特に目立つのが、新キャラクター5人の追加である。「ゴシックは魔法乙女~さっさと契約しなさい!~」からラナン、カトレア、スフレ、プルメリア、ロザリーたち「5乙女」がDLCおよび特装版の特典として参戦する。

5人は「デススマイルズ」及び「メガブラックレーベル」の「ノーマル」「バージョン1.1」で使用可能。専用デモが用意され、「5乙女」の新たな物語が描かれる。

本作のボスであるジルバは、「ゴシックは魔法乙女~さっさと契約しなさい!~」でも重要な役割を果たしているだけに、今回の対決はファンとしてはたまらないものがあるはずだ。

 

 

 

「5乙女」たちは性能的にもなかなか面白い仕上がりになっている。

火を操る元気なラナンは、素直なショットと小爆発を起こす使い魔の攻撃が便利。「ロックショット」の射程は短いものの、全体的に扱いやすいので、「5乙女」を使う際は、このラナンか後述するロザリーから手を付けるのがオススメ。

水魔法のカトレアは、ボタン押しっぱなしで使い魔から放たれる氷弾が見どころ。高火力でボス戦に強いいっぽう、発射速度は遅いので雑魚戦には向かない。状況に応じた使い分けが重要なあたり、冷静沈着な性格がうまくゲームに落とし込まれている感がある。

 

 

ラナンは比較的素直でクセのない性能

 

 

カトレアの氷弾は、威力は高いが発射速度は遅い

 

無邪気なスフレが使うのは風の魔法。連打はかなりの広範囲をフォローして使いやすいが、押しっぱなしで使い魔から出る弾がちょっと特殊。敵に食い込んでダメージを与え続けるが、画面上に存在できる数に限りがあるのか、ボスなど高い耐久力の敵には「撃たれた弾が画面上で全て食い込んでいるので、もう使い魔から弾が出ない」ということが起こる。その分火力は高いようで、うまく決めればなかなかに爽快だ。

おっとりとした性格とは裏腹に、個性的な性能なのがプルメリア。押しっぱなしで上下斜め方向に弾が出るため、ほかのキャラクターが苦手としている上下からの攻撃をさばきやすいが、逆に正面に弾が出ないのがユニーク。また、押しっぱなしにしている最中は使い魔がその場に静止するため、プルメリア本体と使い魔で別々の敵を手分けすることも可能など、とにかく濃い。

ロザリーは本人がツンデレのためか、わかりやすい性能。連打と押しっぱなしともにクセがなく、デフォルトでカーソルが合っているだけのことはある。「ロックショット」は発動から着弾までタイムラグのある弾を撃つ。この弾は威力が高いようなので、うまくボスの本体に撃ち込みたい。

 

 

スフレの使い魔から出る弾は、耐久力のある敵に食い込んでダメージを与え続ける

 

 

プルメリアの押しっぱなしショットは上下に出る

 

 

ロザリーの「ロックショット」は高威力のナイフを飛ばす

  

3作品9モード+「5乙女」の4モードがいきなり提示されるうえ、ゲーム内のチュートリアルがややシンプルなため、シリーズ未経験者は最初こそとまどってしまうかもしれないが、本稿で概要をつかみつつ、いろいろと試してみてほしい。得点アイテムや「パワーアップ」周りのシステムを理解すれば、少しずつスコアを伸ばしていくシューティングゲームの楽しさを味わえるはずだ。

 

ボス「マッドテディ&マッドバニー」は、遊園地にいるようなマスコット2体が、こちらをそっちのけで殴り合う。本作の世界観ならではのボスで、メカ系シューティングとは一線を画した個性を持つ

 

 

どちらの作品も、うまくプレイすればアイテムの雪崩を起こせて気持ちいい!

 

なお、特装版「ゴシックは魔法乙女 LOVE MAX EDITION」には最初から「ゴシックは魔法乙女」キャラ5人のダウンローコードが封入されているほか、「ゴシックは魔法乙女“DEATHSMILESリスペクトアレンジ”サウンドトラック」CDも封入。パッケージのデザインからして、「ゴ魔乙」色全開となっている。

「DEATHSMILES」シリーズのファンも、「ゴ魔乙」ファンも満足のパッケージとなっているので、ぜひ手に取っていただきたい。

 

【商品情報】

■デススマイルズ I・II

・発売中

・価格: パッケージ版 5,980円(税込)、パッケージ特装版(DLC付き) 9,980円(税込)、ダウンロード版 4,950円(税込)、DLC 2970円(税込)

・ジャンル:ゴシックホラーシューティング

・対応機種:Nintendo Switch、プレイステーション4、Xbox One(※Xbox One版はダウンロード版のみ)

・プレイ人数:1~2人

・CERO:12歳以上対象

・発売元:シティコネクション

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