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「おんなじキモチ。」はアニメのオープニングテーマとして、直球ストライクの曲です
── ということで、いよいよ最新シングルのお話に移りたいと思います。「おんなじキモチ。」はTVアニメ『異世界食堂2』のオープニングテーマですね。安野さんとしては第1期エンディングテーマの「ちいさなひとつぶ」以来、約4年ぶりに同じ作品の主題歌に戻ってきたことになります。 安野 「ちいさなひとつぶ」は私にとって初めてのTVアニメ主題歌で、1stミニアルバム「涙。」に収録されたので、本当に第一歩の曲でした。そこにまた戻ってこられたというのはドラマチックですよね。ただ、今回の「おんなじキモチ。」はテイストが全然違う曲だということもあり、「ちいさなひとつぶ」を意識して歌ったということはありませんでした。でも、『異世界食堂』というシリーズに向けて歌ったという意味合いは、今回のほうがより強まったと思います。
── それは第1期の放送を経て、具体的に作品世界をイメージできたからということなのでしょうか? 安野 それもありますし、「おんなじキモチ。」自体が作品のど真ん中に向けて、よりシンプルかつキャッチーに作られた曲だったからだと思います。
── 歌詞はすごくシンプルですよね。 安野 覚えやすいですよね。一度か二度聴いたら、もう一緒にサビを歌えるよねというくらい。つまり、それだけ歌詞が届く範囲が広いんですよね。この楽曲のメッセージは『異世界食堂2』にしっかりと向き合っているので、私もオープニングテーマとしてのストライクを投げることを意識して、シンプルで濃い感情を歌に乗せて届けたいと思いました。
── オンエアされる1番は食べる幸せ、そして2番は大切な人と触れあう幸せが書かれていると思いました。 安野 本当に幸せで、かわいらしい歌詞なんです。1番は『異世界食堂2』のオープニングで流れるので、2番はベビー用品のCMか何かにいかがですか? と言いたいくらいです(笑)。お母さんと赤ちゃんの触れあいをイメージさせるところがあるので。そういう意味でも広い世代に聴いていただきたい曲ですし、童心に帰れる曲だと思います。
── 出だしの「そっと扉を つなげて」というフレーズで、レストランの扉が開くオープニングの映像が目に浮かびました。この想像があっているかどうかはわからないんですけど(編集部注:インタビューは放送開始前に実施)。 安野 ほぼ間違っていないです。オープニング映像も王道! という感じのものになってますので。見ると絶対にお腹がすくと思います。そういう意味では容赦ないオープニングになっています(笑)。
── サビも印象的な言葉が並んでいて、まず「しあわせそうで しあわせ」という部分がすごいなと思いました。シンプルの極みですよね。 安野 あなたがしあわせそうだから、私もしあわせと、同じ気持ちになっているのを表現しているんですよね。なんていい詞なんだ!(笑) ここを歌っているときは、なんだか泣きそうになるんです。易しい言葉なのに深くて、しあわせの神髄がここにあると思います。
── 先ほど、100点を目指すだけではない歌い方というお話がありましたが、この曲はどう歌おうと思いましたか? 安野 サビ最後の「ことばにしなくても ねぇ いいよ」の「いいよ」にすごくこだわりました。これは相手を丸ごと肯定して受け入れるひと言なんです。プロデューサーさんからは「ここは包容力がほしいです。安野さんの腕の見せどころですよ」と言われました(笑)。レコーディングでは親しい仲間や家族、あるいは恋人と食卓を囲むような甘い気持ちで歌ったんですけど、収録後に作詞・作曲・編曲のフワリさんにお目にかかる機会があったんですよね。そのとき、フワリさんにはお子さんがいらっしゃって、2番の歌詞では親子の触れあいをイメージして詞を書かれたというお話をうかがったんです。それを聞いたとき、触れ合うことの気持ちよさを堂々と歌っていい曲なんだと、改めて思いました。
── それは、恋愛感情の曲ではないんだということですか? 安野 そうかもしれないですね。家族や友人とのスキンシップも含めると、広い意味になるなと思います。2番の歌詞に「ハグッハグッハグッ」とあって、恋人とのハグに限定して歌うにはなんだか照れくさい気持ちもあったんですけど。お話をうかがって感じ方が変わりましたね。だから今後ライブで披露するときは、全身全霊で抱きしめにいきたいと思います。
── 「おんなじキモチ。」はすでに、夏に開催された「KIYONO YASUNO 10th Anniv. Billboard Live Tour 2021 ~Dear my Character Songs~」の横浜公演で披露されたんですよね。 安野 はい、きれいな心で歌わせていただきました(笑)。