トム・クルーズと共演のマヤに夢中になっちゃった!?　「ウマ娘プリティーダービー 3rd EVENT WINNING DREAM STAGE」DAY1レポート

2021年10月05日 16:040

スマホゲーム

アニソン

声優

独自取材

イベントレポート

ゲームからTVアニメ第1期をイメージしたセットリストが展開！

後半戦は高野麻里佳さんが「ぴょいっと、いっちゃいましょうか！」と予告してスタートした、「ぴょいっと♪はれるや！」からスタート。歌い出しは全員で歌唱して、メインは星谷美緒さん、前田玲奈さん、和氣あず未さん、髙橋ミナミさん、首藤志奈さんの担当だ。アニメ「うまよん」の楽曲で、和氣さん、髙橋さん、前田さんはオリジナルメンバー。早口言葉のようなリズミカルな歌唱がとても楽しく、歌詞の印象的な文字列がスクリーンに踊る。楽しいだけでなくしっとりしたパートもあり、聴かせるパートでは前田玲奈さんの声質がぴったりくる。しかしラストはやっぱり楽しく軽快に。和氣さんの軽やかなステップワークも印象的だった。

「NEXT FRONTIER」は徳井青空さん、前田玲奈さん、新田ひよりさんが歌唱。ゲームで天皇賞、有馬記念を制したウマ娘が歌う楽曲だけに、古馬最強の名を欲しいままにしたテイエムオペラオー役の徳井さんは外せないところ。

センターは有馬記念連覇のグラスワンダー役、前田さんが務める。明滅するライトの中、クールでスタイリッシュなステージを繰り広げた。ライトの使い方が印象的で、サイドからの強いライトや、表情に影を作る陰影が効果的。ラストは逆光に浮かび上がる3人のシルエットを、強い拍手が包みこんでいた。前田さんが「徳井さんのつややかな表情にグッときました」と語ると、徳井さんも「『ぴょいっと』のキュートな感じから一転する前田さんもさすが」と称賛していた。

クールでスタイリッシュな流れを引き継ぐように登場したのは衣川里佳さん。「BLAZE」フルサイズの初披露だ。訴えかけるような強い歌唱と、さまよいもがく姿を表現するハスキーなハイトーンのギャップ。ナリタブライアンの力強くもどこか危うい感じを歌唱で表現していく。ブライアンの無骨な雰囲気を体現できるのは逸材、という単語が浮かぶ。“獣たちが牙をむく”のフレーズでの鉤爪で引き裂くような振り付けや、そこからの堂に入ったフロントキックがなんとも印象的だった。フルサイズ終盤のたたみかけでは、より感情の起伏が力強く表現されているように感じた。なお、ライブ前には衣川さんのもとに、“姉貴”こと近藤唯さんが励ましにきてくれたとのことだ。

続く楽曲は木村千咲さん、高柳知葉さん、首藤志奈さんによる「UNLIMITED IMPACT」。ここに来てこの選曲は、クールな攻めの楽曲のブロックと考えていいだろう。首藤さんのクールな歌唱と凛とした表情はこの楽曲ならでは。間奏明け、木村さんのロングソロでは、伏し目がちに、時に視線を流しながら雰囲気たっぷりの歌唱を見せてくれた。客席を熱く煽った高柳さんはまっすぐ観客席を見つめながら「トレーナー、見ていてくれ。これが私たちのウイニングライブだ！」と力強く宣言。ラストのたたみかけへとなだれ込んでいった。

「本能スピード」は高柳知葉さん、大坪由佳さん、Machicoさん、青木瑠璃子さん、髙橋ミナミさん、上田瞳さんが披露。レーザーが乱舞するイントロのトランス感は、編曲とミキシング担当のAJURIKA節を感じる。クールな楽曲だからこそ、歌いだしのソロを笑顔で歌う大坪さんの表現の選び方が面白い。歌唱力、表現力にすぐれたメンバーだが、6人の歌い方や声質が絶妙に違って個性豊かな組み合わせだ。間奏のダンスのキレ味も印象的。マイル曲だけにゴールドシップ（上田さん）の参加は意外だったが、パフォーマンスにダイナミックさを加えてくれていた。

後半戦は、徳井青空さん、大坪由佳さん、新田ひよりさん、首藤志奈さん、前田玲奈さん、髙橋ミナミさん、青木瑠璃子さん、衣川里佳さんによる「ユメヲカケル！」から。MCの流れから全員で声を揃えての「出走です！」でスタート。全員で動きを揃えた歌いだしの一体感も見どころだ。あえてMachicoさん以外の人選で、冒頭のあおりは徳井さんが担当した。多人数編成でかけ合いもバッチリ。“目指せ一着！”では大坪さんの声が飛び出してくる感覚だ。静かに歌声が響く落ちサビでは、センターの前田さんと髙橋さんがピンスポットの中、向かい合って歌声をかわしあう。髙橋さんのやさしい笑みが印象的だ。新田さんと歌声を揃えた首藤さんがにこっとほほえむ。ラストに向けて曲調が明るく華やかになるにつれて、ステージいっぱいに笑顔の花が咲いていた。

DAY1はゲーム「ウマ娘」がメインの題材だったが、ラストブロックのここから2曲はTVアニメ「ウマ娘プリティーダービー」の関係性にフォーカスしていたように思う。まずは和氣あず未さんの「ありがとう、神様」。和氣さんが静かに感謝を捧げる歌声はどこまでもやさしい。それを照らして揺れる会場のピンクの光たちとのおだやかなコミュニケーションは、こんな時代でも変わらない気持ちの通い合いだった。

アンサーとして用意されていたのは高野麻里佳さんの「Silent Star」。並べて配置されると「ありがとう、神様」のアウトロからの流れがまるでひとつながりの楽曲のようだ。おだやかではかなく、だからこそ美しい歌声。初リリースの頃から壊れてしまいそうな繊細さと背中合わせの楽曲だったが、アニメでのスズカの史実と異なる結末を見てからだと、また別のニュアンスと感慨を感じる楽曲だ。ラストの“輝く Silent Star”のフレーズは、今彼女を照らし出す緑の光の海そのものであるように感じられた。

雄大なイントロの中、暗転したステージにウマ娘たちが静かに、だが確固たる足取りで現れる。本編ラストナンバーは全員での「Special Record!」。ここで輝きたいと夢見る気持ちはすべてのウマ娘に共通のものだ。間奏では和氣さんが「トレーナーさん、私たち、まだまだ輝きます。だから！」、高野さんが「ずっと一緒に、これからも応援してくださーい！」とメッセージを届けた。「だから」で切る感じが2人でひとつのメッセージな感じでなんだかいい。静かに歌声を響かせるパートでは、全員が両手でマイクを前に持つ姿が祈りを捧げるようだった。

アンコールの間にはこれからの最新情報が。会場と配信コメントを大混乱させたのは、突然流れ始めた洋画の実写告知ムービー。だが勘のいい人は、冒頭に差し込まれた「ユーコピー？」のフレーズで、マヤノトップガンがらみの何かであることに気がついたようだ。「トム・クルーズ and... マヤノトップガン」のありえない並びから紹介されたのは、2021年11月19日公開（※）の映画「トップガンマーヴェリック」の宣伝パイロットにマヤノトップガンが就任するという知らせだった。月末にはじまる「アオハル杯」や新曲などの情報ももりだくさんだったのだが、ここはマヤ meets「トップガン」のインパクトに持っていかれた感じだった。

（※）イベント後日、全米公開が2022年5月27日(金)に公開延期となったことを受けて日本公開も延期となることが発表されています。

アンコールの1曲目は「Never Ｌooking Ｂack」。新曲であり、ゲーム「ウマ娘プリティーダービー」のハーフアニバーサリーを記念した、まさに今最新の「ウマ娘」を象徴する楽曲だ。数人単位でスポットライトがあたるウマ娘が変わっていき、誰もが主人公になれるゲームのあり方を感じさせる。並びはランダムであるように見えて、さりげなくナリタブライアンとビワハヤヒデの姉妹が隣に並んでいたりするのが嬉しい。

出演ウマ娘を代表しての挨拶では、Machicoさんが「我々がレッスンしてきた成果を悔いのないように思いっきりだせるステージになったと思います。今日のステージで得た自信を明日のDAY2につなげていきたいと思います！」と挨拶。高野さんは「私自身はゲームがリリースされてから初めてみなさんにお会いできて嬉しかったです。ゲーム、リリースされたんですね」と、最初期からのメンバーならではの感慨を語っていた。和氣さんは会場と配信のトレーナーに感謝を伝えると、「DAY1のメンバー全員が出走できて、怪我なくゴールできそうで、今日という日は一生の思い出になる幸せで楽しい時間でした」と語り、「これからもがんばっていくので、ずっとついてきてください！」と締めくくった。

ライブを締めくくるラストナンバーは、もちろん「うまぴょい伝説」。ステージいっぱいにウマ娘たちが広がって、最高に楽しくハッピーなパフォーマンスを繰り広げた。面白かったのは曲中に明坂聡美さんの実況がフレームインする演出で、ここから各ウマ娘がキャラクターとしてひと言ずつ挨拶をしていく。締めの挨拶を楽曲の中に取り込む発想が面白い。姉（近藤さん）と並んでにっこにこの衣川さんや、ナリタタイシンらしい素直じゃないコメントの後に、はにかむような笑みを浮かべた渡部恵子さん、キャラクターMCだと本当にウマ娘そのものの首藤さんや星谷さんなど、短い時間に見どころがもりだくさんだ。「早く帰ってごはんが食べたい」という実況のあおりを受けたオグリキャップ役の高柳知葉さんがお腹を押さえた表情もキュートだった。そしてラストはもちろん3rdイベント総大将、和氣あず未さんが「トレーナーさん！　スペシャルで最高なステージを、ありがとうございました！」と締めくくった。