ニンテンドーゲームキューブ発売20周年記念! ゲームキューブ発の名作タイトルをプレイバック!【前編】

2021年09月14日 20:000
ニンテンドーゲームキューブ発売20周年記念! ゲームキューブ発の名作タイトルをプレイバック!【前編】

2021年9月14日で、ニンテンドーゲームキューブは発売で20周年を迎える。世界累計販売台数は約2200万台と先代のNINTENDO 64の約3300万台を下回りはしたが、現在でもリメイクを望まれるタイトルが多く、手になじみやすいコントローラー、タイトル開発のしやすさというコンセプトなど、光る点は多々あった。今回は、そんなゲームキューブで発売されたタイトルを8本ピックアップ。前後編の2回に分けてお届けする。

バイオハザード4


※画像はSwitch版


  • ジャンル:サバイバルホラー
  • 発売日:2005/1/11
  • メーカー:カプコン

(C)CAPCOM CO., LTD. 2005, 2019 ALL RIGHTS RESERVED.



人気サバイバルホラー「バイオハザード」シリーズにおける、ナンバリングタイトル第4作。t-ウィルスの流出で地獄と化したラクーンシティを脱出し、その後合衆国大統領直属のエージェントに抜擢されたレオン・S・ケネディは、何者かに誘拐された大統領の娘、アシュリー・グラハム捜索のため、ヨーロッパの辺境に向かう。そこでレオンは、ロス・イルミナドス教団という謎の組織と戦うことに。


それまでの「バイオハザード」と比べると、ゲームシステムが一新されているのがポイント。固定カメラ視点からキャラクターの背後を追従するTPSのような視点になり、現地でのアイテム収集だけでなく、集めたお金を使った商人との武器・アイテムの売買ができるようになったほか、アイテムスロットをなくし、代わりにアタッシュケースを用いた所持品の管理・整理など、新要素が多数導入された。


世界観にも手が加えられ、従来のようにt-ウィルスに感染したゾンビではなく、寄生体の「プラーガ」に乗っ取られた人間「ガナード」が敵として登場した。腐った体で街を徘徊するゾンビは見ているだけでも恐かったが、寄生体さえ飛び出さなければ、見た目は一般人と変わらないガナードになったことで、恐怖感もいくばくかやわらいだ。さらに、そうした敵に対して、ひるませると同時に体術をくり出す専用アクションが追加され、プレイヤーが脅威に対抗するための手段も増えている。視覚的にもシステム的にも、「バイオハザード」におけるアクションとホラーのバランスが見直された作品だった。

サバイバル×ホラーとしての「バイオハザード」を生みだしたのが第1作なら、アクション×ホラーとしての「バイオハザード」を生みだしたのが「バイオハザード4」と言える。初期三部作は怖くて遊べなかったけど、本作なら遊べたという人も少なくないだろう。曲がり角の先が見えない定点カメラに、なにひとつ情報が表示されないそれまでの「バイオハザード」シリーズの操作画面は、当時の筆者には耐えがたい恐怖であり、父の遊んでいるのを背中越しに見ているので精一杯だった。しかし、本作でゲームシステムを含めたさまざまな要素が一新されたことで、私もついに「バイオハザード」デビューをすることができたのだった。


とはいえ「3」以前と比べて「恐怖」が薄れたかといえばそうでもなく、どちらかと言えば「恐怖」の表現についての方向性が変わっていったのが「4」のように思える。「3」以前が、閉塞した場所でゾンビにじわじわ追い詰められたり、先に進むこと自体がためらわれたりするような精神的な恐怖を強調していたのに対し、「4」は、強大で恐ろしいクリーチャーたちと正面切って戦うハリウッド映画的な恐怖になったと言うべきだろう。


いっぽうアクション要素に目を向けると、エージェントという立場になったレオンの強さを強調するためか、基本的には敵よりレオンのほうが優位な印象である。拾えるアイテムが増えて残弾の管理も楽になり、すでに述べたように、ひるんでいる相手には体術もかけられる。「ナイフで頭を攻撃→ひるんだ相手に回し蹴り」が鉄板コンボで、シリーズ恒例のナイフ縛りクリアが特に容易だった。


各セーブデータの難易度は最初に選んだもので固定されており、ノーマルで遊んで、データを引き継いだまま2周目を最高難度のプロフェッショナルで選ぶということはできなかった。そのため、無限ロケットランチャーなどの隠し武器で全難易度を堪能するには、イージー、ノーマル、プロフェッショナルをクリア、そして隠し武器で無双する、つまり最低でも6周する必要があった。結果的にセーブデータの数も周回数も大変なことになったが、楽しんだ記憶はあっても嫌な思い出はない。それだけ本作がおもしろかった証拠なのだろう。


余談だが、ファンの間では本作の「空耳」も有名である。内容の都合でここではほとんど書けないが、私は「中野バーガー」がいちばん気に入っている。物語序盤、村人たちに襲撃されて窮地に陥っていたレオンだが、鐘の音が鳴ると状況が一変し、彼らはなにかをつぶやきながらどこかへ消えていく。ここのセリフで出てくるのが「中野バーガー」(正確には「あ、中野バーガー」)である。日本発祥っぽいファストフード店がなぜこの村にあるのか、教祖サドラ―はなんのメニューが好きなのか、そうした考察でひとり笑っていたのを思い出す。詳しくは自分で調べてみてほしい。



スーパーマリオサンシャイン




  • ジャンル:アクション
  • 発売日:2002/7/19
  • メーカー:任天堂

(C)2002 Nintendo


南国のリゾート地「ドルピック島」を舞台に、マリオが冒険をくり広げるアクションアドベンチャー。落書きをして島中を困らせている「ニセマリオ」と間違われて無実の罪を着せられてしまったマリオが、自身の潔白を証明するため、相棒の「ポンプ」と協力し、ドルピック島の光の象徴である「シャイン」を集めながら騒動の真犯人を追いかける。

ポンプは文字どおりの見た目で、ためた水を放出することで辺りのドロドロ(汚れ)を消したり、真下に放ってマリオを空中に浮かせたりなど、本作には欠かせない存在。滞空が可能な「ホバーノズル」や、高い場所まで一気に飛べる「ロケットノズル」、地上や水上を高速で移動できる「ターボノズル」のうち、どのパーツを使うかでポンプの性能を切り替えることができ、縦横無尽に駆け巡る自由度の高いアクションが魅力と言える。


便利なポンプがいるためか、その分、各ステージの難易度は全体的に高い。鉄骨の足場が組まれている「リコハーバー」、観覧車などのアトラクションがたくさんある「ピンナパーク」など、高さを意識したマップが多く、ポンプをいかに使いこなせるかが難易度に直結していた。とはいえ、一度慣れてしまえばホバーノズルなどを使ったショートカットができるようになり、探索がどんどん楽しくなる。放水自体にも派生技があって、筆者はマリオが回転しながら放水して全方位をカバーする技を「スプリンクラー」、ジャンプ中に放水すると水が拡散する技を「ばらまき」と呼んで愛用していた。


高所を巡ったり敵を踏みつけたり、ドロドロを掃除したりと、プレイヤーはあらゆる状況でポンプを頼るわけだが、本作ではそのポンプをニセマリオに奪われた状態で挑まなくてはならないステージがあるのが恐ろしいところ。「スーパーマリオ64」を始め、ほかの3Dアクション系「スーパーマリオ」から考えれば、通常のジャンプや移動など当たり前だが、その当たり前がおぼつかなくなるのが「スーパーマリオサンシャイン」。ポンプなしでマリオを操作するたび、自分がいかに彼を頼っていたかを思い知らされる。


ポンプなしのステージだけでなく、イカに乗った水上レースや、ポンプの放水を使ったスロット、ポンプの口にペットボトルロケットのようなものを付けて巨大クッパと戦うボス戦など、水にまつわるさまざまなシチュエーションが用意されているのもポイントだろう。単調なプレイにならないような工夫が凝らされているだけでなく、シャインを集めていくうちにドルピック島が徐々に明るくなる演出には、ステージをクリアする以上の達成感を得られた。

本作は長くリメイクやリマスターの要望があがっていたが、2020年9月に「スーパーマリオ64」、「スーパーマリオギャラクシー」、そして「スーパーマリオサンシャイン」をHD化し、ひとつにまとめたNintendo Switch用ソフト「スーパーマリオ3Dコレクション」がついに発売された。現行機で「スーパーマリオサンシャイン」を遊べるようになったのはうれしい。



ビューティフルジョー




  • ジャンル:VFXアクション
  • 発売日:2003/6/26
  • メーカー:カプコン

(C)CAPCOM CO., LTD. 2003 ALL RIGHTS RESERVED.


本作は敵を華麗に倒すことを軸にしたアクションゲームである。映画の中の世界「ムービーランド」に連れ去られたシルヴィアを救うため、ジョーは「ビューティフルジョー」というヒーローとなって、悪の組織、ジャドーに立ち向かう。

時間の流れを遅くし重い一撃を食らわせる「SLOW(スロー)」、時間を加速し高速で相手を攻撃する「MACHSPEED(マックスピード)」、ジョー自身をズームアップし専用の技をくり出す「ZOOM(ズーム)」といった、映画の特殊効果を思わせる「VFXアクション」が本作の醍醐味だ。攻撃を避けてカウンターを叩き込み、ときには決めポーズで周囲を魅了し、できるだけ華麗にかっこよくバトルをこなしていく。戦いの評価が高いと、それを見ている観客から歓声が上がるなど、演出面でも映画のような仕組みが凝らされている。


というのも、本作は作中作のような構成になっている。現実からムービーランドに入ったジョーの戦いを、観客たちが映画館で見ているという設定なのだ。今で言うなら、プレイ動画を生配信しているようなもので、当時ひとりで遊んでいながら妙に緊張したのを覚えている。「ビューティフルジョー」を友だちの家に持って行って、部屋を暗くして映画館ぽさを演出し、自分は三段ベッドの真ん中に隠れてプレイを披露したこともあった。


ストーリー中で随所に見られる、ジョーとジャドーの幹部による軽口を交えたかけ合いはケレン味たっぷり。軟派な感じから一転、ジョーが決めポーズととともにマスクをフルフェイスタイプに変形させ、戦闘態勢に入る流れは何度見てもかっこいい。物語冒頭で出てくる変身ポーズは、当時親に隠れてこっそり練習もした。全体的にストーリーは短めだが、「ADULT」や「V-RATED」、「超V-RATED」といった難易度が用意されており、やり込み要素を含めるとボリュームは豊富。恋人のシルヴィアや、ボスでありライバルのような存在でもあるアラストル、ジョーにとってのヒーローであるキャプテンブルーといった面々が、クリアした難易度に応じて操作可能なキャラクターとして解放されていく。それぞれ性能が異なるだけでなく、選んだ主人公によって劇中のセリフがすべて変化するなど、作り込みもすさまじい。


難易度で言うと、「超V-RATED」は常識を逸した難しさでファンにはよく知られている。敵の攻撃力が即死級の威力にまで上がっているうえ、スローなどのVFXアクションを使うために必要な「VFXゲージ」の消費量も多い。それらに加え、事前に敵の攻撃がどこからくるか教えてくれる「ドクロマーク」が、この難易度に限って表示されないという徹底ぶり。

このドクロマークこそ攻撃を回避するための要なのだが、じつは、マークが表示されなくても簡単に攻撃を見分けるワンポイントテクニックがある。


まず攻撃をくり出そうとする敵に対して、こちらは前もって上か下のどちらかに避けておく。敵の攻撃とジョーの回避の向きが一致した場合、敵は構えてからしかけてくるまでの時間を無視して即攻撃してくるが、一致していない場合は一連の流れが維持され、構えが終わると同時に攻撃を行う。つまり、上下のいずれかに山を張り、敵が即攻撃してきたらその場で回避成功、当てが外れたら逆に避ければいいという算段。中ボス以上はきついが、ザコ敵ならこれでほとんど対処できる。もし本作の最高難度をこれから遊ぶ人がいるなら、ぜひ参考にしてほしい。


作中のセリフによれば人類には危機が3度訪れるようで、ファンのあいだでは、「ビューティフルジョー」、2004年12月に発売された続編の「ビューティフルジョー2 ブラックフィルムの謎」に次ぐ「ビューティフルジョー3」の発売が待望されている。筆者もそのひとりとして、その昔、続編を望むハガキをカプコンに送ったのだが、ちゃんと届いただろうか。


killer7



※画像はSteam版


  • ジャンル:アクションアドベンチャー
  • 発売日:2005/6/9
  • メーカー:カプコン

(C)CAPCOM CO., LTD. 2005, 2018 ALL RIGHTS RESERVED. (C) GRASSHOPPER MANUFACTURE INC. 2005, 2018. Licensed to GRASSHOPPER MANUFACTURE INC. Sub-licensed to and published by NIS America, Inc.


ゲームキューブタイトル唯一の「CERO:Z(対象年齢18歳以上)」タイトルであり、今もなおカルト的な人気を誇るアクションアドベンチャー。複数の独立した人格をあわせ持つ「多層人格」の殺し屋、ハーマン・スミスら「killer7」を操作し、プレイヤーは世界にはびこる「笑う顔(ヘヴンスマイル)」を始めとする脅威を排除するため、合衆国政府の依頼でアメリカ中を飛び回る。


本作はあらかじめ決められたいくつかの道を進んでいくという手法を取っており、分岐するル―トを探りながらヘヴンスマイルと戦い、ときには多層人格のうち特定の人物の力を使って謎を解きつつ、先へと進んでいく。多層人格という設定や、考察の余地が多い難解な物語、陰影を強調したトゥーンレンダリング、「殺る」と書いて「とる」と読ませるルビ芸など、クセの強い芸術的な要素がふんだんに盛り込まれており、プレイヤーの中でも評価は二分されている。

ちなみに筆者にとっては、これまで遊んだゲームの中でもっとも衝撃を受けたタイトルである。考察が必須の物語だけでなく、弱点を探して攻撃しなくてはならない敵との戦闘も難しい。それにキャラクター同士のやり取りは、どれも詩的でよくわからない。だが惹かれるものがあって、2018年に発売されたSteam版も遊んだ。自分で考えるだけでなく、作中に物語を振り返ったり、考察サイトを巡ったりもしたが、ストーリーの全容はいまだによくわからない。以前、アキバ総研で書いた本作のレビューでも言及しているが、killer7はゲーム業界の中に線ではなく点として存在しており、なにが本作の源になったのかわからない。


レール制のゲーム進行やミッション制といったシステムの中に、圧倒的なセンスが隠れているのはわかる。killer7は、「シルバー事件」や「ノーモア☆ヒーローズ」を始め独特の作品を生み出し続けている須田剛一さんの代表作でもある。上記で述べたような芸術性の高さに、当時衝撃を受けたプレイヤーも多いことだろう。芸術と商業に揺れるのがプロの創作だと思うが、ここまで芸術に寄っているゲームは、滅多にお目にかかれない。

本作は序章を含め6つの章で構成されている。ヘヴンスマイルという敵と戦うことを示す「天使」が始まったと思いきや、世界情勢や日米関係にまつわる政治的な話「落日」へ、アフロのカリスマ起業家と戦う「雲男」、多層人格のひとりであるダン・スミスの因縁を描く「邂逅」と、話はいずれも取り留めがない。ハーマン・スミスが率いるスミス同盟と、クン・ランが率いるヘヴンスマイルによる戦いの過程を切り取った、ある種のドキュメンタリーのようにも思える。

とりわけ「雲男」は私の中で特に記憶に残っている。この話に登場するアンドレイ・ウルメイダは、ファースト・ライフという物流系大手企業の上役である。だがある時、アイドルのライブ会場を爆破してその模様を全国に放送させると、生配信を利用し、killer7に自身を探し出すよう依頼する。いざ対面すると、彼は捜索依頼の真相が、自分の抹殺であったことを話す。


ファースト・ライフという会社は実際には存在せず、ウルメイダは政府が管理する軍用都市の一員でしかなかった。大手企業として知られていたはずのファースト・ライフがペーパー・カンパニーに過ぎなかったこと、そしてアイドルという偶像を消し去ったことには、「存在」という言葉に対するウルメイダの考え方が見え隠れしている。彼自身、死の危険を冒すことでしか生の実感が得られず、あらゆる病原体に進んで感染しては生還するという人生を送っていた。死を通して、初めて自分の存在を確かめられたのだ。だが、ヘヴンスマイルという脅威におびえるウルメイダは、自身がヘヴンスマイルになってしまう前に誰かによって殺されることを望んでいた。

外の要因によって自身を確立しているという点では、じつはハーマン・スミスたちkiller7も似ている。ゲーム中、彼らは監視カメラの前を通ると必ず人格が交代する。誰かに観測されることで、自身の存在が変化しているというわけだ。

他人の見方で姿が変わるというのは、人々の注目を集めるアイドルにも通じるし、願いや欲望を受け止める神にも通じている。カリスマ起業家のウルメイダや、神殺しの異名を持つハーマンを擁するkiller7といった大きな存在は、誰かから認められることによって初めて成立する……。雲男で描かれたのは、そうした象徴や偶像の眩しさと不安定さではないかと思うのだが、仮に合っていたとして、物語にどう影響しているのかはわからない。その謎っぷりが本作のキモでもある。


本作はまずゲームキューブで発売され、同年7月にはプレイステーション2へ移植された。PS2版では、一部の描写やテキストが修正されている。2018年11月よりSteamで配信されているバージョンはゲームキューブ版と同じ仕様であり、規制は一切入っていない。もし今遊ぶなら、断然Steam版がオススメだ。

 

(文・夏無内好)

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