【Steam】古きよき懐かしさと新しさの融合! PCレトロ風ゲーム特集 パート2

2021年07月04日 14:000

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アキバ総研をご覧の皆さま、いかがおすごしでしょうか。ゲーム買いすぎちゃう系ライターの百壁ネロでございます。先日、メトロイドシリーズの最新作「メトロイド ドレッド」がSwitchで発売されることが発表され、話題になりました。メトロイドは言うまでもなく、昨今の定番ジャンルである「メトロイドヴァニア」の始祖ですが、初代の発売は1986年ということで、現代のゲーム界の礎を築いたレトロゲームの金字塔的作品のひとつにあげられるゲームです。そんなわけで今回は、歴史に名を残すあまたのレトロゲームの血脈を継いだSteamのレトロゲーム“風”の作品を特集していきます。

【Steam】古きよき懐かしさと新しさの融合! PCレトロ風ゲーム特集 パート2

項目
メトロイドヴァニアスタイルの2Dアクション「魔女と66のキノコ」
昔懐かしいゲームボーイカラー風のアクションパズル「Petal Crash」
遊びだしたら止まらないミニゲーム集「pureya」

1.ドット絵で描かれた魔女の冒険譚! メトロイドヴァニアスタイルの2Dアクション「魔女と66のキノコ」

  • 「魔女と66のキノコ」(Gotcha Gotcha Games, KADOKAWA)
  • ジャンル:アクション
  • 2020年11月7日発売
  • 価格:660円(2021年6月20日時点)
  • コピーライト:(C) 2020 Gotcha Gotcha Games,

「大乱闘スマッシュブラザーズ」にも参戦している魔女・ベヨネッタや、以前アキバ総研の特集でも取り上げた“ロリダークソウル”こと「リトルウィッチノベタ」のノベタちゃんなど、ゲーム界には数々の魅力的な魔女キャラが存在します。美少女と魔法の組み合わせというのは言い得ぬ魅力を感じられるものですが、これからご紹介する「魔女と66のキノコ」は、そんな魔女が登場する作品です。


「魔女と66のキノコ」は、横スクロールタイプの2Dアクションゲームです。
レトロゲーマーの心をくすぐる、美麗なドットで描かれたポップなテイストのグラフィックが特徴的で、魔女が登場する世界観を表現したちょっとダークな雰囲気のBGMも、しっかりとレトロゲームテイストで作られています。

そんな本作ですが、実は、プログラムや専門的な知識がなくても、オリジナルのゲームを作れるというソフト「アクションゲームツクールMV」で開発されたゲームで、Switchへの移植版も発売されています。

本作の主人公は、悪い魔女にとらわれてしまったひとりの少女。魔女に奪われた兄の体を取り戻すべく、魔女が残した魔法の帽子を手にした少女が“魔女の迷宮”に挑む……というのが本作のあらすじ。

グリム童話の「ヘンゼルとグレーテル」がベースになったダークファンタジー風の物語となっていますが、ゲームをスタートすると、このあらすじがドット絵で細やかに描かれたアニメーションで語られます。このハイクオリティっぷりは一見の価値ありです。



本作は、いわゆる「メトロイドヴァニア」ジャンルに該当する作品です。
「メトロイドヴァニア」とは、冒頭で話題にあげた「メトロイド」と、同じくレトロゲームの金字塔的作品である「キャッスルヴァニア(悪魔城ドラキュラ)」から生まれた造語です。広大なマップを探索しながら自分を強化していき、発見したアイテムや能力によって行ける範囲が広がっていくという特徴を持った2Dスクロールアクションゲームのことを指します。

 

本作では、壊せない壁や狭くて通れない通路など、さまざまな障害物が少女の行方を阻みますが、探索を進めて新たなアイテムを獲得することで、行けなかった場所に進むことができるようになります。このシステムは、メトロイドヴァニアとしては非常に王道であると言えるでしょう。



初めから習得している少女の基本アクションは「ナイフ攻撃」と「ジャンプ」です。

 

ナイフ攻撃は、短いナイフを前方に投げるというもので、アクションゲームの初期装備としては珍しい遠隔武器。ジャンプは、空中で再度ボタンを押すことで2段ジャンプができるのですが、この2段ジャンプがなかなか特徴的。主人公が魔女ということで、2段ジャンプ時にはホウキを召喚し、それに乗ってジャンプを行います。単なる2段ジャンプではなく、世界観とキャラクターにマッチしたこのホウキの演出は、筆者は初めて見たときは思わず「おっ!」となりました。

 

ちなみにこのホウキ2 段ジャンプは、ただ上に2段ジャンプをするだけではなく、少し横方向への移動が加わるため、やや離れた足場に飛び移るための空中ジャンプのような使い方もできます。若干ジャンプの挙動にクセがあるものの、使用するボタンの数は少なく、総じてアクションゲームとしてはオーソドックスで遊びやすい操作性であると感じました。



少女の攻撃手段は、初めはナイフ投げのみですが、冒険を進めていく中で、剣や鎌などさまざまな武器を発見し、次々に新たな攻撃方法を習得していきます。

 

本作のユニークなポイントは、この新たな武器による攻撃手段が、進める範囲を広げる「探索アクション」も兼ねているという点。

 

たとえば、大きな剣を召喚して前方に強い一撃を放つ「剣」のアクションでは、通常は壊せない岩を破壊することができ、回転する鎌を召喚して広範囲を攻撃できる「鎌」のアクションでは、歯車を回して装置を起動することができる、といった具合。

 

新たな武器を手に入れるたびに「これであの場所を通れるようになるかも…」と思考する楽しさも味わえます。



軽快なアクションと探索が楽しい本作ですが、さらなる楽しみとして、やりこみ要素も存在します。それは、タイトルにもなっている「66のキノコ」の収集。広大なマップの至るところに生えているキノコをゲットして特定のキャラクターに見せることで、武器をパワーアップさせることができる宝石をもらえるので、攻略のためにもしっかりと収集していきたいところ。



とは言えこのキノコ、サイズが小さめのためうっかり見逃しそうになることもあり、さらに岩の下などの通常では発見できない個所に生えていることもあるというクセモノ。

 

ライトな謎解き要素としても楽しめるキノコ収集ですが、行き詰まったときは、メニュー内にあるキノコのリストを確認すると、未取得のキノコの生えている場所が画像付きのヒントで見られる親切設計になっているので安心です。



シンプルな作りとコンパクトなボリュームながらも、手堅くまとまった探索要素と簡単操作の軽快なアクション、そしてキノコ収集のやりこみ要素が楽しめる「魔女と66のキノコ」。ここだけの話、ゲーム中のどこかで見ることができる隠しコマンドを使用すると、ライフがいつでもお手軽に全回復可能となるため、アクションが苦手な人でも安心です。メトロイドヴァニアが好きな人や、サクッと遊べる良質なアクションゲームを探している人はぜひチェックしてみてください。

2.爆発と連鎖が気持ちいい! 昔懐かしいゲームボーイカラー風のアクションパズル「Petal Crash」

  • 「Lost Ruins」(Friend & Fairy)
  • ジャンル:パズル
  • 2020年10月13日発売
  • 価格:1,010円(2021年6月20日時点)
  • コピーライト:(C) 2020 Friend & Fairy

「テトリス」や「ぷよぷよ」、「パネルでポン」や「ドクターマリオ」など、レトロゲームの中には高い中毒性を誇る数々の名作パズルゲームがありました。特にゲームボーイなどの携帯ゲーム機で遊べるパズルゲームは人気が高く、筆者も今でも無性に遊びたくなるときがありますが、ご紹介する「Petal Crash」は、そんなレトロなパズルゲームをほうふつとさせる作品です。

なお、本作は記事執筆時点では日本語非対応となっていますので、その点はあらかじめご了承ください。


「Petal Crash」は、6種類のブロックをぶつけて消していくというルールのパズルゲームです。

最初に目を引くのは、やはりなんと言ってもそのグラフィック。ていねいなドット絵と、独特の淡めな色使いが、携帯ゲーム機の黄金時代を築いた「ゲームボーイカラー」のタイトルを思い起こさせます。しかも、BGMや効果音までゲームボーイ風のピコピコサウンドという徹底っぷり。画面写真では伝えることができませんが、ゲームボーイ世代の人なら思わず懐かしさがこみ上げる必聴のクオリティです。



それではさっそく本作のルールをご紹介していきましょう。本作の舞台となるのは、8×8マスのチェス盤のようなフィールド。盤面に出現する6種類のブロックを動かして、同じ色同士をぶつけて消していく、というのが基本のルールとなっています。ブロックは手数を進めると次々とランダムで出現し、盤面がブロックで埋まってしまうとゲームオーバーです。

「同じ色のブロックをつなげて消す」「盤面が埋まったら負け」というルールは、パズルゲームとしては定番のものです。しかし「テトリス」や「ぷよぷよ」のような落ち物パズルとは違い、本作は見下ろし型のフィールドで上下左右にブロックを動かすという「倉庫番」などに近いスタイルになっています。ただ、ブロックは好きなように動かせるわけではなく、一度移動させると、壁かほかのブロックにぶつかるまでその方向に進み続けるという独特のシステムになっているので、慣れるまで少々時間が必要かもしれません。



パズルゲームと言えば「連鎖」が醍醐味のひとつですが、本作にもしっかりと連鎖の要素が存在します。そのカギとなるのが、同じ種類のブロックをぶつけた際に発生する爆発。この爆発によって周囲のブロックが四方へと吹き飛び、それらが同じ種類のブロックにぶつかるとまた爆発が発生。これを繰り返すことで、大連鎖を起こすことができる仕組みになっています。



見た目にも楽しく爽快感あふれる本作の連鎖システムですが、うまく発生させるためには1手先・2手先のブロックの配置をきっちり予測しながら動かす必要があります。「ぷよぷよ」や「パネルでポン」などは、積んだり動かしたりしている最中に思いがけない連鎖が起こる場合もありますが、本作は連鎖を起こすために計算が欠かせないため、偶発的な連鎖が起きづらく、パズルとしての難易度はやや高めの印象です。しかし、その分、連鎖がうまく決まったときの気持ちよさは格別。「自分、頭いいじゃん!」と、思わず自分のプレイにうっとりしてしまいます。



本作の特筆すべきポイントは、用意されているモードの多彩さです。キャラクター同士のかけ合いデモが搭載されたひとり用のストーリーモードを始め、決められた手数でブロックを消してお題をクリアしていくパズルモード、自分でパズルを作成してシェアできるパズルエディター、ひとりでとことんブロックを消していくスコアアタック、そしてCPUやフレンドと対戦ができる対戦モードと、パズルゲームのモードとして考えられるすべての遊び方が詰めこまれているような大ボリュームです。

特に対戦モードは、Steamの「Remote Play Together」という機能に対応しており、ひとりがゲームを所持していれば画面を共有してフレンドと一緒に遊ぶことができるうれしい仕様。気の合う仲間と、気軽にバトルを楽しむことができます。



今までありそうでなかった、ブロックをぶつけて爆発を起こすユニークなシステムと、刺さる人にはとことんブッ刺さるゲームボーイカラー風のビジュアルが楽しい「Petal Crash」。パズルゲーム好きの人にはぜひ1度遊んでみていただきたい、オススメの1本です。

3.10秒で遊べるミニゲーム&パチンコ台ガチャの沼にハマる! 遊びだしたら止まらないミニゲーム集「pureya」

  • 「pureya」(Majorariatto)
  • ジャンル:アクション
  • 2021年3月27日発売
  • 価格:590円(2021年6月20日時点)
  • コピーライト:(C) 2021 Majorariatto

Switchでメイドインワリオシリーズの最新作「おすそわけるメイドインワリオ」が発表されました。数秒間で遊べるプチゲームを次々にクリアしていく爽快感がやみつきになるメイドインワリオシリーズですが、これからご紹介する「pureya」は、そんなメイドインワリオをほうふつとさせる作品です。

 

どこか懐かしさを感じる、粗めのドットで描かれたグラフィックが魅力的な「pureya」は、30種類以上のミニゲームが楽しめる作品です。

ゲームの目的は、おもちゃのパチンコ台で遊びたい少女のために、ミニゲームをプレイしてたくさんのビー玉を集めること。何を隠そう、このビー玉が本作のカギを握る重要なアイテムなのです。それはそれとして、ビー玉で遊ぶパチンコってありましたね……。子供の頃に大好きだった記憶があり、ノスタルジーを感じてしまう筆者です。



メイドインワリオシリーズのプチゲームは、直感的でシンプルな操作が特徴でしたが、本作のミニゲームたちも負けず劣らずとってもシンプル。

迫りくる隕石を撃破するシューティングゲーム、跳ね続けるヤギを左右に動かして山を登っていくジャンプアクション、イカを操作して障害物を避けながら先へと進むアクションゲームなどなど、バラエティ豊かなゲームが多数用意されていますが、どれも「左」と「右」のたった2つのボタンしか使わない設計になっています。

ゲーム開始前のチュートリアルはいっさいありませんが、どのミニゲームも「とりあえずやってみればわかる」という直感的なものになっているので心配無用です。説明がなくても触ってみれば何をすべきか自然とわかるというミニゲームの完成度の高さは、本作の特筆すべきポイントと言えます。



さて、そんな本作の最大の特徴は、「ミニゲームが10秒ごとに切り替わる」という点にあります。2つのボタンで操作するシンプルなミニゲームは、単純であるがゆえに長時間遊び続けるには向きませんが、本作では10秒が経過すると、自動的に別のゲームへ切り替わる仕組みになっています。

ゲームの切り替わりに合わせて自分の頭も素早く切り替えて次のゲームを攻略するという、ハイテンポなプレイ感覚がハマるポイント。やめどきを見失って、ついつい遊び続けてしまうこと必至です。



そしてもうひとつ、本作を語る上で欠かせないのが「ビー玉とパチンコ」です。

本作では、いくつかのミニゲームをプレイすると、パチンコ台のミニゲームが挿入されます。このパチンコ台は、10秒で切り替わるほかのミニゲームとは違う特殊なステージ。

これまでのミニゲームで集めたビー玉をこのパチンコ台にセットし、台上のホールに玉を数回うまく入れることができれば、スロットが回転し始めます。このスロットの報酬で、新たなミニゲームや着せ替えスキン、観賞用の音楽などをアンロックすることが可能に。この「ミニゲーム」と「ご褒美」のサイクルの反復こそが本作の醍醐味となっており、新しいミニゲームをゲットしたいがために、気がつくと何周も延々とプレイをしてしまいます。



プレイ中にミニゲームの難易度が変化するシステムも注目すべきポイント。
ノーミスでゲームを続けていると、車のメーターのような演出が挿入され、障害物が増えたり、コースが複雑になったりと、ゲームが段階的に難しくなっていきます。

ミスをすると難易度は元に戻ってしまいますが、最高難易度のままゲームプレイをキープできたときの脳汁ドバドバ感はたまりません。自分の腕前の上達を感じて気持ちよくなるという、まさにレトロゲームのスコアアタックのような面白さが味わえます。



シンプルでテンポのいいミニゲームとガチャ的要素のパチンコ台のループが、心地よい中毒性を生み出す「pureya」。グラフィックやゲームシステムにグッとくるものを感じた人はぜひ実際にプレイして、ビー玉集めの沼にどっぷりとハマってみてください。

筆者:百壁ネロ
ゲーム買い過ぎちゃう系フリーライター。現在積みゲー300本以上。小説家でもあります。著作は「ごあけん アンレイテッド・エディション」(講談社)、「母の嘘(「悪意怪談」所収)」(竹書房)。
Twitter:https://www.twitter.com/KINGakiko
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