アニメスケールの「1/460 古代ロボ ゴダイガー」(アオシマ)を知っているか? 連載初、アニメ未放映のオリジナルロボを決死の覚悟で組み立てろ!【80年代B級アニメプラモ博物誌】第12回

2021年06月27日 11:001

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説明書どおりに進めるのが当連載の秩序というかマナーなので(まあ、時おり無視しますが)、腕の組み立てから始めます(というか、何らかの流れがないと不安なんだよね、今回の場合……)。

▲ 肩~上腕、手首のパーツを組み上げた後、これらを前腕ブロックで挟みこむ。肩~上腕には丸い穴が空いていて、手首は丸い軸になっている。そりゃあ、左右から挟めば動きますよね?という、80年代ロボプラモの出発点に立ち返ったような原初的な構造がすがすがしい

どうですか、心が真っ白になっていくでしょう? ポリキャップが珍しかった時代の、あまりに単純な軸可動。上腕が回転したりもしない。いっそ、新鮮な気持ちになれます。では、この森閑(しんかん)とした初々しい気持ちのまま、何の迷いもなく足の組み立てに進みます。

▲ フトモモです。で、割とクセモノなのは胴体につながるT字形の関節パーツですね。正確にはH字形のパーツを水平にねじった形で、これなら前後だけでなく左右にも動く。つまり、1982年3月時点でのアオシマさんは「フトモモは左右に開いたほうがいい」と気がついていたわけですよ

どうですか? 一見すると何の工夫もないようなフトモモだけど、しっかりと情報が入ってますよね。同時期のバンダイやタカラは、V字形の股間パーツで、両足をつないでいたと思います。だけど、アオシマさんは左右の足を別々に独立可動させる。人間の股関節って、実は左右別々に分かれているから。フトモモの関節軸だけで、ここまで読み取れるわけです。
そしてさらに、スネと足首を組み立てると、「ゴダイガーの足」をめぐるドラマは思わぬ展開へ……

▲ 足首は、左右分割のパーツをペタッと知り合わせるだけ。その足首とフトモモをスネではさめば、そりゃあ可動しますよね? と、再び虚無の感情になるわけです。だって、フトモモが左右に開くなら、足首は内側に曲げられないと足底が浮いちゃうよね?

せっかくフトモモが左右に開くのに、足首の可動が追従していない。機構と機構が、衝突してるよね。だけど、それはダメなことでも欠点でもなくて、アイデアが発展していく過程で必ず生じる葛藤なので、歓迎すべきなんですよ。
「この当時のプラモデルは、まだまだ未熟だな」とかね、その後の歴史を知っているだけの傲慢さで価値を判断しちゃイカンのですよ。足首を左右にも可動させて、フトモモが開くのに追従させるのが本当の答えなのかというと、そんな完璧な「答え」「正解」なんて存在するんですかね? プラモデルのような娯楽に、答えなんてあるんですか?

……とまあ、フトモモと足首の可動機構ごときで熱くなってしまったが、ここまで組み立ててきた腕と足(あと頭もあるけど、頭は単純な前後2パーツ分割でした)を胴体パーツで前後から挟めば、もう完成なんだよ。少なくとも、本体は。
「いや待てよ、そんな簡単でいいのか?」という疑問が再びこみ上げてくるので、何か忘れてないか確認してみよう。冷静になるんだ、落ち着いてランナーを見直してみよう。そうそう、武器があったじゃん!

▲ なんか、ランナーに丸と四角の小さなパーツが残されている。そして、左側には、これは銃のパーツだったよね? ということは、ひょっとして……

▲ そうです。銃口と銃後部が別パーツになっている。しかも、後部の四角いパーツは斜めに切れ上がっていて、上下の区別がある。微妙に面倒くさいよな、こういうパーツは……

▲ たぶん、銃後部パーツの向きはこれでいいと思う。剣は一体成型なので、ランナーから切り離すだけででき上がり。剣のモールドの美しさに、切り離した瞬間に気がつく。プラモデルって、不思議なものですね

おそらく、銃のパーツは「作りごたえ」みたいなものを意識して、パーツを4つに分けたんじゃないかな? だって、銃口なんかを別パーツで表現するなら、顔面とかほかに凝るべきところがあるんじゃない? とはいえ、可動のためではなく、純粋に「形の表現」のためにパーツを分けると、途端に模型らしくなってくる。
では、さっさと胴体の前後パーツを貼り合わせて、ゴダイガーを完成させちゃいましょう。しかし、胴体にも、意外な面倒くささがあった……!

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コメント(1)
ソウキソウキ2021/06/28 16:47

今までの連載の、キットを手に取っているかのような臨場感の高さが、今回あだになってしまわないか?とはいえ”どのくらいのモノなのか“が知れたのは有益。

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