70年代っぽい合体ロボット「宇宙戦士バルディオス」を組み立てて、1981年暮のバンダイ模型の技術力を学ぼうぜ!【80年代B級アニメプラモ博物誌】第9回

2021年03月27日 11:002

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とは言え、最初の1/144ガンダムが1980年夏に発売されてから1年半ぐらいしか経っていないときのキットなんだよね。価格設定は1/144ガンダムと同じなので、それほど抜本的に構造が変わっているわけではない。
しかし、この価格で首が別パーツって新しくない? 頭の内側がえぐれていて、首部分が顔の奥に位置する。

▲ ただし、首が上下に動くような可動軸はない。単に首と頭を別々に分けて組み、接着する。純粋に形のためだけのパーツ分割、好きです!

▲ 頭部が組みあがったが、白い成形色なのでディテールが見えづらいね。アンテナはシャープな成形でいい感じだよ。顔面のモールドは……まあ、塗ってみないとわからないかもしれない

どうして真っ白なのかというと、やっぱり塗装の便を考えてのことじゃないかな?
ベストメカコレクションNo.3の「闘士ゴーディアン」では青一色の成形色だった。No.4の1/144ガンダムが真っ白。その後、ベストメカコレクションの枠で発売されたガンプラは、面積の多い色で成形されてるよね(ガンキャノンなら赤一色とか)。
でも、700円のバルディオスは赤・青・黄色の成形で、白は一色も使っていない。この300円バルディオス、せめて薄いブルーにしてほしかった。

さて、腕を組み立てておきますか。バルディオスの場合、肩の上におにぎりみたいな形のブロックが乗っている。このブロックごと腕を回してしまうか、ブロックを別パーツに分けるかして回避するしかない。まあ、そのおにぎりブロック問題は後述しよう。けっこう、変な構造になってるよ。
腕の構造は、こんな感じですね。ガンプラスタンダードというか。

▲ 上腕に回転軸が設けられているので、ヒジを各方向に曲げることができる。1/144ザクの発想。でも、意外なぐらいヒジ関節を深く曲げることができる。切り欠きのセンスがいいんだな

そうそう、ガンプラの残した遺産といえば、パーツ裏面の番号! 足の組み立てに入る前に、これに触れておかないと。

▲ 似たようなパーツを組み合わせることが多いので、左右を間違えないようにパーツの裏面に番号が彫ってある! 金型屋さんとしては、かなり面倒な工程だと思う。でも、ユーザーに配慮している。バンダイのこういうところが好き

こんな合体ロボの足なんて、左右に割れた箱状のパーツを組んでいけば、それで終わりだと思うでしょ? それがなんか……え、ナニコレ? ガンプラにはなかったよ、こんな機構?

▲ スネ側面に、細長い板状パーツを取り付けます。でも、裏から丸いパーツで止めるんだって。何のために? しかも、スネ側面にあいた穴が縦長じゃん。何ですか、コレは?

▲ ハイ、これ。できた。スネ側面のブロックが、微妙な個所から持ち上がって、その断面が前を向く! ……え、そんだけ? うわあ、何このギミック! これは前代未聞、バルディオスだけの特殊ギミックだよね!

後から調べたら、これはミサイル発射口なんですって(野村トーイから発売されていた玩具でも再現されている)。よりにもよって、そこから出るの? だってミサイルだよ? でも、何にもない地味なところから飛び道具的に武器が出るって、いかにもスーパーロボットっぽくて、1周まわってカッコいいよね。

▲ スネの正面につく、この包丁とかね。塗装のために別パーツ化したのかもしれないけど、この包丁は足から飛び出して、そのまま武器になるそうです。体中から物理法則を無視して多量の武器が出る破天荒なロボット、今はむしろ新鮮に感じるね

いや、唐突なミサイル発射ギミックのおかけで、だいぶリラックスできましたね。どうですか、皆さん。普通、足のそんなところからはミサイル出ないでしょう(←しつこい)。
完成させる前に、足がどんな具合に付くのか、胴体パーツにはめて確かめてみよう。

▲ 足の付け根は、2つの股間パーツを重ね合わせて、左右への開脚を可能にしている。ガンプラでも標準化されていた、おなじみの機構ですね。各段階で、同時期のガンプラの成熟度合いを確認できる名キットです

さて、このキットは頭と手足を前後から胴体パーツではさみこむ、古典的な構造です。
ところが、ここで先ほどの「両肩のおにぎりブロック」問題に行き当たる。巨大なおにぎりが肩に乗っているせいで、両腕をふり上げられないのでは? 1981年12月のバンダイは、バルディオスおにぎり問題をどう解決したのだろう? 次のページに答えが載ってるぞ!

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関連作品

宇宙戦士バルディオス

宇宙戦士バルディオス

放送日: 1980年6月30日~1981年1月25日   制作会社: 葦プロダクション
キャスト: 塩沢兼人、鈴木清信、玄田哲章、よこざわけい子、石森達幸、鳳芳野、神保なおみ、青野武、井上和彦、野村信次
(C) PRODUCTION REED 1980

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コメント(2)
VEGALUDAVEGALUDA2021/03/29 19:52

個人的には慣れ親しんだシリーズだった為、此れが普通だと今でも思います。 確かに、当時のプラモと現行のプラモとではその違いは明白ですが、そんなに現代のモデラーさんから見ると、珍しいもんかな?…と、思って仕舞います。 此のバルディオスの他、当時はゴッドマーズやゴッドシグマ他、戦隊からはダイナロボ、ゴーグルロボ等が同シリーズで展開されていた時代。 手軽に組んで、着色も容易に出来て、発色も良いのが白一色のキットでした。 又、スナップフィットでは無く、接着剤使用もキット自体の組み立てを強く保持出来る為、今でも好きなシリーズです。 因みに、一度再販されています(積んでます)。

ソウキソウキ2021/03/29 12:27

アハハハハ。 私もロボットは「リアル」か「ミリタリック」だけではないと思っていますが、だったら超科学とかファンタジックとかいろいろ魅せ方はあるだろうし、バルディオスみたいな箱を組み合わせた形はどうなんだろう。と思います。肩のおにぎりとか発想は素敵なんですが。 足のミサイルに関してはマクロス7のバルキリーも採用してましたね。当時現実の戦闘機もステルス性能のためとかで胴体をふくよかにして、その中にミサイルなどを入れていたとか。

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