「超時空要塞マクロス」メカの量感と密度を知りたければ、アリイ製「VF-1S ガウォーク」を組み立てろ!【80年代B級アニメプラモ博物誌】第8回

2021年02月28日 11:000

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さて、胴体下部パーツを剥がして接着しなおして! 足の付く向きも正しくなったので! 一気に足を組み立てて完成だ!

▲ フトモモ側の板はインテークの裏にがっつり接着するので、もう変形なんて考えてない。完全にガウォーク形態だけのフトモモです。そしてもう、ポリキャプもケチらず、ゴリゴリ入れると!

▲ ヒザは前方に曲がるのはもちろん、後方にも曲がる。立たせることのできるポーズは限られてるけど足首も前後に大きく曲がるし、手でもって動かして遊ぶ分には、十分な可動スペックと言えましょう

機首と頭部、脚部を胴体に接着すれば終わりかな? と思ったら、機首が太すぎて胴体にはまらないよ……こういうところだよね、80年代プラモのツラさは。金属やすりでゴリゴリ削ってぐいぐい全力で突っ込んだけど、機首はちょっと曲がっちゃったかも。

▲ いや、大丈夫そうだな。でも、機首の取り付けには、すごく握力を使いました。背中にエンジンをしょって、機首にかけて猫背っぽくシュッと伸びた犬のような動物っぽい横顔。これこそがガウォークです……なんて知ったかぶったりして

▲ まあ、こぶしの穴にガンポッドをポコッと差し込むだけなのは見た目がよくないが、全身像はけっこうイイでしょ? あれ、アリイのキットは荒いって話はどこ行ったの? こぶしもデカいほうが迫力あっていいでしょ?

▲ 後方から見たときの、この三角形のライン。バトロイド時には、胸から股間にかけて三角形が垂直に伸びる。ガウォーク時には水平に伸びるんだねー。なるほど。ロボットのシルエットって面白いね

▲ だけど、何と言ってもこの横顔がいいんですよね。機首が「これじゃ変形できないでしょ?」というぐらい太くて、前後にギュッと詰まっていると、すごくメカっぽい。水平から下方向は腕や足や頭部やガンポッドが集中していて、ゴチャッとしている。重機にも通じるような、足回りの密度感が独特です

やっぱり、プラモデルを組むと、そのメカのコンセプトがよく伝わってきますね。指が覚えていくんだよね、形をね。仮にスジボリがデコボコだったとしても、あまり可動しないとしても、立体として量感やシルエットを把握できれば、それだけでも心が豊かになれるよ。
設定がどうとか言うより、僕はデザイナーやアニメーターが企図して引いた平面上のラインが、どのようにして工業製品であるプラモデルに刻印されたのか、そっちのほうが興味ある。
80年代ロボアニメ、ロボプラモは「形との対話」にうってつけ。まだまだ続けたいぞ、この連載! どうなる? 来月!


(文/廣田恵介)

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関連作品

超時空要塞マクロス

超時空要塞マクロス

放送日: 1982年10月3日~1983年6月26日   制作会社: タツノコプロ
キャスト: 長谷有洋、飯島真理、羽佐間道夫、小原乃梨子、土井美加、神谷明、佐々木るん、鶴ひろみ、深雪さなえ、蟹江栄司、大林隆介
(C) 1982 ビックウエスト

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