【インタビュー】安野希世乃がニューシングル「フェリチータ/echoes」をリリース。「ARIA The CREPUSCOLO」の世界を歌う

2021年03月03日 12:000

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「フェリチータ」は、多幸感に身を浸して歌いました


── では、いよいよ楽曲についておうかがいします。安野さんは今回、オープニングとエンディングの両方を担当しているんですよね。

安野 はい、「ARIA The CREPUSCOLO」の始まりと終わりを任せていただけたという使命を感じて、全力で取り組ませていただきました。でも、がんばったという感じではなかったというか、特にオープニングの「フェリチータ」に関しては無になって歌おうという気持ちがありました。自分を消して、この音楽空間にいかに溶け込むか。音楽に身を任せて、自分を抜いて抜いて抜けきったところに残ったのが「フェリチータ」です。

── 無の境地ですね。

安野 レコーディングもいつもとは違って、夜の8時くらいから始まったんです。私にとっては唯一、夜に収録した曲になりました。だからなおさら、ぽや~っとしてきちゃって(笑)。終盤は半睡状態だったんですけど、それがよかったのかなと思います。

── なぜ、夜の収録になったのでしょう?

安野 ストリングス録音の後で作曲・編曲の窪田ミナさんがピアノを弾いてくださって、それを私も聴いてから、そのまま歌を録りましょうということになったんです。

── なるほど、昼間は先に演奏を録音していたんですね。

安野 オケ録りに参加させていただけたことで、演奏を聴きながら、より楽曲のイメージを深めることができたと思います。

── 「ARIA」シリーズのオープニングはほとんどが窪田ミナさんの作曲・編曲ですし、安野さんのやさしいボーカルも相まって、今までのシリーズのオープニングとイメージを重ねて聴いているファンも少なくないようでした。

安野 私自身は、今までのオープニングテーマを意識してなくて、「幸せでしかたない。その気持ちだけで心を満たして歌ってください」というディレクションに沿って、多幸感のあるやさしい歌声を目指しました。それが窪田ミナさんの音の世界と合わさることで、「ARIA」シリーズを知るファンの方にとっては、今までの楽曲とイメージが重なったのかもしれないですね。「ARIA」に寄り添って歌ったら、自然と「ARIA」の歌になったというか。そうして、歌い手としてもネオ・ヴェネツィアの一員になれていたのだとしたら、うれしいですね。

── 松浦有希さんによる歌詞の印象はいかがですか?

安野 ネオ・ヴェネツィアの、大好きな街並みを具体的に描写する言葉が並んでいるんですけど、曲全体としてはとても抽象的で、聴き手の想像に委ねられている部分が大きいように感じます。心の中に思い浮かぶ景色をぽつぽつと口にしているような印象があって、私もそんな雰囲気で、無意識に溢れるように歌いたいなと思いました。ネオ・ヴェネツィアの景色を歌っているんですけど、人それぞれ思い浮かぶ景色は違ってもいいよという包容力があるというか、自由に連想していい空間をリスナーさんに与えている歌詞だと思いました。

── 具体的な歌詞なのに、広いというか。

安野 そうですね。自由にイメージを置き換えていいんだよと差しだされている曲だと思います。

── タイトルの「フェリチータ」はどういう意味なのですか?

安野 「幸せ」です。でも、最初どんな意味なんだろうと思って検索したら、イタリア料理屋さんの情報ばかりが出てきたんですよね。

── たしかに、レストランの名前にするには最適ですよね(笑)。

安野 私は最初、「フェリチータ」という言葉がうまく覚えられなくて、「なんでしたっけ、あのフェットチーネみたいなタイトル」とか言ってました(笑)。

── 食べ物になっちゃってますね(笑)。

安野 「フェリチータのフェットチーネ、フェラーリで食べに行かない?」とか、早口言葉になりそうですよね(笑)。

── あははは(笑)。意味が通るところがすごいですね。「フェリチータ」のミュージックビデオ(MV)は、ショートバージョンがYouTubeに上がっています。どこか不思議な印象の映像でした。

安野 廃墟となったホテルで撮影したんです。途中で工事が止まって、そのまま使われなくなった建物なので、コンクリート部分がむき出しになっていて。人がいないはずのエントランスのカウンターに人気を感じたりしました(笑)。

── 怪談ですか?(笑)

安野 どうなんでしょうね…ただ、写真を撮ろうとしたメイクさんに「ここでは撮らないほうがいいと思います」と思わず言ってしまうくらいには、ただならぬロケーションの本物感は感じていましたね。ちょっと怖い雰囲気がある場所もあったりしましたね。

── 退廃的な雰囲気があって、自宅で見ている分にはすごく素敵でした(笑)。

安野 人が誰もいなくて、時間の流れの外にあるような感じがしました。かつて栄えていた文明の遺跡のようでもあり、今の世界が滅んだ後の未来のようでもあり。すごく不思議なロケーションでした。

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ARIA The CREPUSCOLO

ARIA The CREPUSCOLO

上映開始日: 2021年3月5日   制作会社: J.C.STAFF
キャスト: 広橋涼、佐藤利奈、茅野愛衣
(C) 2020 天野こずえ/マッグガーデン・ARIAカンパニー

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