ねんどろいど15周年! 歴代「ねんどろいど」がかわいく動くスペシャル映像撮影現場レポート&青松拓馬監督(ドワーフ)インタビュー!

2021年02月13日 16:000

※本コンテンツはアキバ総研が制作した独自コンテンツです。また本コンテンツでは掲載するECサイト等から購入実績などに基づいて手数料をいただくことがあります。

グッドスマイルカンパニーが発売する、ながめてかわいい、さわってたのしい手のひらサイズのデフォルメフィギュア「ねんどろいど」が、2021年に15周年を迎える。これを記念して、スペシャル映像が公開された。

「ねんどろいど」のスペシャル映像は、2021年2月13日にYouTubeにて公開。本来は2月7日に開催予定だった「ワンダーフェスティバル2021[冬]」にて発表予定だったのだが、新型コロナウイルス感染症の拡大にともなう緊急事態宣言の発令を受け、「ワンフェス」開催は中止。

そのため、2月11日~2月23日に開催の「WONDERFUL HOBBY LIFE FOR YOU!! 32(ワンホビ32)」内の生放送(生ワンホビTV)にて、本映像が公開された形だ。

 

 

本映像は、誰もが寝静まった夜、家の中に飾られている「ねんどろいど」たちが動き出した……という、夢いっぱいな映像となっている。

制作を手がけるのは「どーもくん」「リラックマとカオルさん」など、ストップモーションアニメを多数発表しているアニメーション制作スタジオ「ドワーフ」だ。

アキバ総研編集部もスタジオにおじゃまして、撮影の様子を見学してきたぞ。

 

コマ撮りアニメ撮影現場に潜入!

立体物に動きや表情をつける「アニメーター」が少しずつ「ねんどろいど」を動かし、画が完成したら撮影……。朝から晩まで気が遠くなるほど地道な作業が繰り返される。

 

 

その結果、集められた画像をつなげてみると、本当に「ねんどろいど」が動いているように見えるから面白い。手書きアニメーションとはまた違った、「物体が動く」という感動がそこにはあった。

そうして数多くのシチュエーションの映像が集められ、それを最終的に1本の作品にまとめるのが、本映像を指揮した青松拓馬監督だ。

 

 

その青松監督に、日本最高峰のコマ撮りアニメ技術によって動き出した「ねんどろいど」の映像がいかにして生まれたのかをうかがった。

映像とあわせてインタビューをお楽しみいただきたい。

 

「ねんどろいど」スペシャル映像を手がけた青松拓馬監督インタビュー!

──今回のプロモーション映像は、どんな設定のストーリーなのでしょうか。

 

青松 家庭のいろんな場所に「ねんどろいど」があって、夜、寝静まった頃に動き出すというストーリーです。だから暗めの、夜の映像になっています。このコンセプトはグッドスマイルカンパニーさんと相談しながら、こちらから提案させていただきました。

 

──登場するキャラクターは、どのようにチョイスされましたか?

 

青松 グッドスマイルカンパニーさんのほうで、ストーリーにふさわしいキャラクターを選んでもらって、それを映像に出しているという感じです。

 

 

──コマ撮りアニメというと非常に手間がかかる作業のように思いますが、具体的にはどのように制作されているのでしょうか。

 

青松 今回の映像の場合は、1シーンに1人のアニメーターがついてポーズ付けやコマ撮りの撮影を担当しています。1秒の映像の撮影に、およそ1時間くらいかけています。

 

──今回の映像は45秒の作品ですが、単純計算すると撮影だけで45時間くらいですか?

 

青松 そうですね。期間でいうと、朝の9時から夜の11時くらいまでの撮影を1週間行いました。

 

──ありきたりな言い方になりますが、すごい労力ですね……。

 

青松 どうしても撮影に時間がかかってしまうのですが、まあずっとコマ撮りアニメやっているので、そんなものだと思っています。

 

 

──複数キャラが出てくるシーンでは、まとめて1シーンを撮るのではなく、ある程度のキャラごとに分けて撮影して、最後に合成して映像を完成させるそうですね。コマ撮りアニメはもっとアナログな感じで撮影するものだと思っていたのですが、こういったデジタル技術も駆使して作られていることを知り、驚きました。

 

青松 今のコマ撮りアニメは、撮影効率をあげるために合成を使うことが多くなっていますね。また、今回は「ねんどろいど」が小さいので、画面に映る空間が狭いんですよね。だからそこに人の手を入れたりすると、どうしてもぶつかったりしてしまうんです。また、「ねんどろいど」を自立させることが難しいポーズを取ることもあるので、人間の手のスペースとねんどろいどを立たせるための支えを置くスペースが必ず必要になるので、後で映像を合成するという手法を使っています。

 

──数10秒の映像の裏に、こんな苦労と技術の粋があるとは思いませんでした。

 

青松 とはいえ、別に大変さを売りにしているわけではありませんので、映像を素直に楽しんでいただければと思います。

 

 

──映像の見どころを教えてください。

 

青松 いろんなキャラが出てくるというところと、登場するのが人気作品のキャラばかりというところ。そしてそのアニメのキャラクターらしい動きと、「ねんどろいど」らしい動きの合わさった「かわいさ」が出ているかなと思います。特に「ねんどろいど」を持っている方にとっては、自分の持っている人形が動いてくれたらいいなと思ってもらえるようなかわいらしさが見どころです。

 

 

──「ねんどろいど」のかわいらしさもさることながら、さまざまなシチュエーションを再現するセットの作り込みにも圧倒されました。

 

青松 そうですね。今回の映像は作り物のセットというよりも、各家庭の風景というイメージがあるので、作りこんでいるセットだけでなく、実際に市販されている小物を使ったりしています。観ている人が違和感を抱かず、人形のアニメーションに集中してもらえるのが一番だと思っているので、「あんまり家っぽくないな」とか「不自然だな」と思われないように気を付けています。

 

──青松監督いち推しのシーンはどこですか?

 

青松 それぞれに見どころがあるんですが、「このすば(この素晴らしい世界に祝福を!)」のシーンかな。カズマたちの後ろにめぐみんが倒れているんですけど、このシーンはめぐみんの爆裂魔法でオフィスが散らかっているというイメージで作っていまして、そこが気に入っています。

 

 

──キャラクターたちの背後に顔ではなく帽子側が見えているところが面白いですよね。

 

青松 映るのは一瞬なんで、何回も観て確認していただけると嬉しいです。見るたびに何か発見があるように作っているつもりです。

 

──今後、新たな「ねんどろいど」の映像企画があるとしたら、どんな映像を撮ってみたいですか?

 

青松 「名探偵コナン」の犯人の「ねんどろいど」が好きなんですけど、あれで何かできないかなと思っています。

 

 

──監督の考える、「ねんどろいど」の魅力を教えてください。

 

青松 まず原作のアニメがあって、それを立体化しているところと、それを小さくかわいくしているところ。あとポーズですね。「ねんどろいど」は、ポーズがめちゃめちゃ計算されているんです。各パーツがしっかり作られていて、誰が触ってもかわいくポーズがとれるように設計されているんですね。今回「ねんどろいど」をいろいろ触っている中で、「めちゃめちゃ考えられてるな」と改めて思いました。

 

──最後に映像を観てくださった方へのメッセージをお願いします。

 

青松 それぞれ好きな作品に登場する「ねんどろいど」を持っている方もたくさんいると思うんですが、それが動くとよりかわいくなる、というのを視覚化してみました。

これ(自宅にある「ねんどろいど」)が動いたら……、と頭の中で想像して楽しんでいただけたらと思います。

 

【青松拓馬氏 プロフィール】

1979年大阪生まれ、大阪芸術大学映像学科卒。2006年ドワーフ入社。

演出、キャラクター開発、 アニメーション制作、など幅広い分野で活動中。第29回ザ・チョイス年度大賞、AD STARS 2018 GOLD、ADFEST 2019 SILVERなど受賞多数。

主な作品は、復興庁CM「親子で学ぼう」篇、TVアニメ「おそ松さん」シーズン1~3 エンディング、Ai「Ai to 哀」など。

 

【アニメーション制作スタジオ ドワーフについて】

株式会社xpdの事業部であるドワーフは、世界中の人気者となったNHKキャラクター「どーもくん」、フランスでロングラン上映を続ける「こまねこ」をはじめとして、数々のキャラクターやコンテンツを生み出し、卓越した技術力のコマ撮りを中心とした映像作品で、国内外で評価され活躍するストップモーションアニメーション制作スタジオ。オリジナル作品のみならず、さまざまな人気キャラクターや有名コンテンツと積極的なコラボレーションも行う。近年ではNetflixオリジナルシリーズ『リラックマとカオルさん』の制作・プロデュースを手がけている。

 

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