アニメーション映画をいっぱい見ているライターが、2020年公開作を振り返り! 京都アニメーション制作の「劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデン」、大橋裕之のマンガをアニメ化した「音楽」、「ポケモン」映画23作目「劇場版ポケットモンスター ココ」、ピクサー制作の「2分の1の魔法」、あの名作がアトラクション映画になった「機動警察パトレイバー the Movie 4DX」をピックアップしました。
近年は「4DX」や「MX4D」といった体感型の映画上映システムを用いたリバイバル上映が目立つ。2019年公開の「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア 4DX」は、無重力下におけるモビルスーツの姿勢制御やサイコフレームの温かみまで表現する充実の内容だったが、宇宙が舞台のため水しぶきの出るシーンが少なかったことだけが心残りだった(クェス・パラヤが唾を吐きかけるシーンで水を飛ばさなかったのは凡ミスでは許されない!)。 その点、「機動警察パトレイバー the Movie」は、クライマックスが台風下の東京湾のため、水に困ることはない。ミストで顔をしっとりと濡らして、気分は決戦に臨む第二小隊だ。アクションが少ない中盤、主人公が事件の核心をつかむ重要なカットでは、急速にカメラが横に動くクイックPANに合わせて座席が動き、演出を補完するというギミックも興味深く、もし続編の「パト2」を4DX化したらどうなるのか想像がふくらむ。アトラクション型シアターの可能性を追求した一作。
(文・高橋克則)
(C) 暁佳奈・京都アニメーション/ヴァイオレット・エヴァーガーデン製作委員会 (C) 大橋裕之・太田出版/ロックンロール・マウンテン All Rights Reserved. (C) Nintendo・Creatures・GAME FREAK・TV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku (C) Pokémon (C) 2020 ピカチュウプロジェクト (C) 2020 Disney/Pixar. All Rights Reserved. (C) HEADGEAR all rights reserved. PRODUCED BY GENCO INC. Tokyo, Japan