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「アーティファクト」という言葉は、ある映画で重要アイテムの呼び名だった……!?
宮脇 ラインアップについては、なぜRX-78が入っていないのか疑問に感じられるかも知れません。「機動戦士ガンダム」、「機動戦士Zガンダム」、「機動戦士ガンダムZZ」……と、作品が発展するにつれてモビルスーツのデザインは装飾が多くなっていきます。最初に標準的なモビルスーツだけで構成すると、その後の時代のボリュームのあるモビルスーツがボトルネックになってしまう危惧がありました。つまり、順当にガンダム、ザク、グフ……といったオーソドックスな展開にしてしまうと、後から大型モビルスーツを加えようとすると、売価が上がってしまう可能性があります。製品としても、大型モビルスーツがちゃんと規定の金型のサイズに収まるのか検証する意味もあって、あえてボリュームのあるモビルスーツを交えた5種類を選定しました。
その中でも、バランスを取る意味で、標準的な体形であるリック・ディアス、そしてバイアラン・カスタムを加えてあります。バイアラン・カスタムは大型に見えるかもしれませんが、前後幅が薄いんです。ですから、比較的少ないパーツ数で構成されています。
── それ以外は、Ex-Sガンダム、Hi-νガンダム、ナイチンゲール、いずれも映像作品に登場していないモビルスーツばかりという点が渋いですね。 宮脇 はい、そこはなりふり構わず“マニア人気の高い機体”、“立体映えする機体”という観点からセレクトしました。
── 特に苦労したのは、どのアイテムですか? 宮脇 Ex-Sガンダムです。背中にこれだけ大きなパーツが付いていますから、とにかく立たないんです(笑)。最後まで調整を繰り返して、何とか立つようにはなりましたけど、念のため支えのパーツも付けてあります。最後まで苦労させられたので、Ex-Sガンダムには愛着がありますね。
── ターゲット層は、何歳ぐらいを狙っていますか? 宮脇 ガンダム作品、ガンダム商品を昔から支えていただいている、ファーストガンダムからZ世代です。まずは、その年齢の方たちにアピールしたいです。いっぽうで、ガレージキットに親しんだことのない若い世代にも、新鮮で魅力的な造形物として受け取ってもらえることも期待しています。
「ガンダムアーティファクト」というシリーズ名ですが、スティーブン・スピルバーグ監督の「レディ・プレイヤー1」に重要アイテムの呼び名として「アーティファクト」という言葉が出てきます。一般的には、「工芸品」という意味です。単色成形で造形を楽しむ、ディテールを楽しむ商品は確かにチャレンジングではありますが、どの世代にも、ホビー属性のある方たちはいると思います。そうしたホビー好きな方たちの感性に刺さってくれると、うれしいです。
(取材・文/廣田恵介)
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