【Steam】ハロウィンの夜に恐怖体験はいかが? PCホラーゲーム特集 パート3

2020年10月24日 12:000

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アキバ総研をご覧の皆さま、いかがお過ごしでしょうか。ゲーム買いすぎちゃう系ライターの百壁ネロでございます。10月も後半になり、大人気の「あつまれ どうぶつの森」にもハロウィンイベントがやってきました。日本では本格的なハロウィンにはあまりなじみはありませんが、とは言え、ちょっとホラーでお祭り気分な雰囲気にはなんだかワクワクしてしまいます。そんなわけで、今回はハロウィンにちなんで、Steamで遊べるホラーゲーム特集の第3弾をお送りします。


1.暗い夜道が舞台のジャパニーズホラーアドベンチャー
「サチ江 -死道-/Sachie -Death Road-」



暗闇に対する恐怖心というのは、はるか昔から人間に備わっていた、根源的な感情であるといいます。闇の中に何か恐ろしいものが潜んでいるかもしれないという恐怖感は、こどもから大人まで誰もが感じる普遍的なものであるといえるでしょう。


ご紹介する「サチ江 -死道-/Sachie -Death Road-」は、そんな闇に対する恐怖心をあおられる暗い夜道が舞台となっている作品です。



本作は、3Dタイプのホラーアドベンチャーゲームです。


主人公は、山奥にある、とあるブラック企業に勤務するひとりの女性。退職まであと1週間となった彼女が、残業を終えた深夜の帰り道で“とある怪異”と出会う……というストーリーとなっています。


ブラック企業勤めの女性が主人公というのは、なかなか現代的な設定ではないでしょうか。それにしても、こんな暗い山奥からひとりで歩いて帰るなんて、あまりにも危険ですね……。



ゲームの舞台となるのは、主人公の帰路である山の中の道です。

 

グラフィックは、シンプルでありながらも、雰囲気抜群。薄暗い街灯にぼんやり照らされた夜道は、暗すぎず明るすぎない絶妙なライティングで表現されており、プレイしていて思わず心細くなってしまう不気味さがあります。

 

また、木製道しるべの質感や古ぼけた自動販売機のすすけ具合など、細かな部分までリアルなタッチで描かれているのも特徴的です。



ゲームは、主人公を操作して一定の場所まで進むことで1日が終了し、それを繰り返す流れとなっています。初めはちょっとした怪奇現象が起きるだけだった帰り道ですが、数日過ぎたところで、明らかに大物の怪異がプレイヤーの前に出現します。

 

白装束に身を包み、例えようのない奇妙な動きをしながら明滅を繰り返すその人影は、おそらく本作のタイトルにもなっている“サチ江”なのでしょう。本能的に近づいてはいけないと感じた筆者は、サチ江さんを避けつつおそるおそる歩きましたが、次の瞬間、叫び声とともに彼女が目の前に!

 

その恐ろしいお顔立ちに見とれている間に画面が血しぶきで染まり、ゲームオーバーとなってしまいました……。



筆者があっという間にゲームオーバーに追いやられてしまった恐怖の存在・サチ江さんですが、彼女を攻略するヒントは、ずばり「音」。サチ江は音に過剰に反応を示し、音の鳴った場所へやってくるという習性を持っています。


プレイヤーはこの習性を利用し、音を立てないように細心の注意を払いつつ、落ちている物を放り投げてサチ江を誘導しながら進んでいかなければなりません。このあたりの手触りはステルスアクションのようで、思わず息を潜めてしまうような緊張感が味わえました。


ちなみに、サチ江に捕まっても即ゲームオーバーというわけではなく、自分のスタミナが切れる前に、表示される矢印どおりにキーを入力することで脱出可能となっています。突然目の前にサチ江さんのお顔が現れるとついつい見とれて……もとい、あわててしまいますが、落ち着きつつ素早くキーを入力していきましょう。



アクション性が必要とされる場面がありつつも、しっかりアドベンチャー的な要素も含まれている点が本作の魅力です。


主人公の帰り道には、背の高い雑草が生い茂ったお墓や、誰かが残した謎の書き置きなど、さまざまなものが存在しています。それらを調べることで、じわじわと物語の真相が浮かび上がってくる感覚は、まさにホラーアドベンチャーの醍醐味と言えるでしょう。さらに本作は、クリア条件や手順によってエンディングが変化するため、リプレイ性があり、一度クリアしても別のエンディングを探して繰り返し遊ぶことも可能となっています。



ジャパニーズホラー映画に出てきそうな、白装束をまとったサチ江のビジュアルがインパクト大の本作。気になる人はぜひ実際にプレイして、主人公とともに、夜の山道で恐怖体験を味わってみてください。

2.「バズる動画」のために恐怖の屋敷を探索するホラーアドベンチャー「Cat in the Box」


  • Cat in the Box」(Gustav)
  • 2020年5月1日発売
  • 価格:720円(2020年10月11日現在)
  • コピーライト:(C) 2020 Gustav

「RPGツクール」というソフトをご存知でしょうか?

「RPGツクール」はその名のとおり、RPGを制作するためのソフトであり、プログラムの知識がなくてもゲーム感覚で手軽に作ることができるというのが最大の特徴です。RPGだけではなく、アイデア次第でアクション性の高いものやアドベンチャーゲームも作ることが可能であり、伝説のインディーゲームとの呼び声高い名作「ゆめにっき」も実は「RPGツクール」で制作された作品だったりします。


これからご紹介する「Cat in the Box」も、「RPGツクール」で制作されたホラーアドベンチャーゲームです。



本作の主人公は、動画配信者であるひとりの少女。自分のチャンネルで公開する動画を撮るために、ビデオカメラを手に、かつてとある宗教団体が暮らしていた不気味な廃墟の屋敷へとやってきたところから物語が始まります。この廃墟は、昔、ある少女の失踪事件が起きたといういわくつきの物件。どことなく不穏な雰囲気が漂う中、「ここならきっとバズる動画が撮れる!」と意気揚々、廃墟へ乗り込む少女ですが、こういう場合はろくな目に合わないのがホラーもののお約束……。



あわれ、少女は廃墟の中で謎の殺人鬼と遭遇し、追われることとなってしまいます。しかも、なぜか廃墟の入り口の扉が別の空間へとつながり、外へ出られなくなる始末。脱出不可能、まさに絶体絶命です。

 

そんな中、少女は、自分もこの屋敷に囚われているという、姿を見せない謎の人物と出会います。この人物がくれる助言をヒントにしながら、屋敷を探索して脱出を目指す……というのが本作のストーリーとなっています。



屋敷から脱出するために、プレイヤーは少女を操作して、マップを隅々まで探索していきます。


スーパーファミコン時代のレトロゲームを彷彿とさせる、2D見下ろし型視点のグラフィックが特徴的で、さらに画面全体にかかるブラウン管テレビのようなエフェクトが独特の不気味な雰囲気を作り上げています。


ホラーゲームでもリアルのおばけやしきでも「暗さ」は恐怖を作るために必要不可欠な要素ですが、本作もまた、画面が意図的に暗く作られており、プレイヤーに不安とともにスリルを感じさせてくれます。グラフィックだけではなくサウンドもホラーゲームにおける重要な要素ですが、本作は音も細かに作り込まれています。


どこか物悲しげで静かに恐怖をあおる雰囲気たっぷりのBGMや、ドアを開ける音や床に響く足音などリアリティのある効果音の数々と、ハイクオリティなサウンドでホラーの世界への没入度を高めてくれます。



ゲームの内容は、マップを歩いて怪しい部分を調べながら進めていく、王道スタイルの探索アドベンチャーです。しかし、ただ静かに淡々と探索を進めていくゲームなのかというと、決してそうではありません。

 

本作では、探索中に、少女を追いかける存在との鬼ごっこパートが始まることがあります。捕まってしまうと即ゲームオーバーとなるため、ダッシュボタンを使って全力で逃げなければなりませんが、少女にはスタミナのステータスが存在しているため、際限なくダッシュを続けることはできません。そのため、「追手の速度が落ちたときに、ダッシュボタンを解除してスタミナを回復させる」といった、アクションゲーム的な立ち回りを要求されることとなり、いわゆる“死にゲー”に似た緊張感とともにゲームにメリハリを与えてくれます。

 

なお、鬼ごっこ開始前にはセーブをすることができるため、捕まってゲームオーバーになっても即リトライ可能となっており、ストレスのないゲームシステムとなっています。

 


ここまで本作のホラー要素やゲーム性についてご紹介してきましたが、本作における筆者の最大の推しポイントは、ずばり、主人公である少女のキャラクターです。


本作では少女がしゃべる際に、テキストウィンドウとともに顔のグラフィックが表示されるのですが、このときの少女の表情が実に多彩!笑顔、ドヤ顔、怯え顔、泣き顔と、コロコロと表情を変えてプレイヤーを楽しませてくれます。


また、グラフィックだけではなくセリフも魅力的に作られており、怖がりながらも強気で勝ち気な面を見せたり、さんざんな目に遇いつつも、必ずバズる動画を撮ってやろうという意欲を見せたりと、いい意味での人間くささにあふれた少女のキャラクターは、まるで映画の登場人物のようで、筆者はとてもハマりました。



ホラー要素にとどまらず、謎解きありアクションありと、楽しめる要素がたっぷりの「Cat in the Box」。レトロゲーム風のグラフィックや少女のキャラクターに引かれるものがある人はぜひ、少女と一緒に屋敷からの脱出に挑戦してみてください。

3.怖い?かわいい?謎のペンギンと戦うステルスホラーアクション「獄門ペンギン


  • 獄門ペンギン」(MIYAKOpubl)
  • 2020年6月25日発売
  • 価格:720円(2020年10月11日現在)
  • コピーライト:(C) 2020 MIYAKOpubl

殺人鬼など、恐ろしい人物に追われるタイプの作品はホラーものの定番ですが、得体の知れないモンスターに追われるタイプのホラー作品もまた、魅力があるものです。


ご紹介する「獄門ペンギン」は、謎のモンスター(?)が登場する1人称視点のホラーアクションです。



本作は、いわゆるステルスタイプの3Dホラーアクションゲームです。


プレイヤーの目的は、舞台である廃墟風の施設内を徘徊する“モンスター”から隠れつつ、脱出するための鍵を手に入れること。では、その“モンスター”とはなにか。それはずばり、タイトルにもなっている「ペンギン」。そしてこれこそが、本作の最大の特徴です。

 


「恐怖と笑いは紙一重」という言葉もありますが、本作に登場するペンギンは、まさに恐怖と笑いが混じり合ったような存在。ユーモラスな見た目でありながら、そこはかとなく目つきが怖いです。そして手に持った木刀とおぼしき凶器も、なんだか不安をあおります。でも、このペンギン、実際に施設内で遭遇すると、歩きながらピコピコと、軽快な足音を立ててるんですよ……かわいい……。



本作の目的は出口を開くための鍵を手に入れることですが、施設内をくまなく探しても、鍵はどこにも落ちていません。それもそのはず、実は鍵はペンギンが持っているんです。


ではどうやってペンギンから鍵を奪えばいいのかというと、施設内にある厨房へとペンギンを誘導し、厨房のドアを閉めればOK。ペンギンは、厨房でこんがり焼き上げられて、プレイヤーは見事鍵をゲットできるというなんとも独特なシステムとなっています。というか、ペンギンのお肉っておいしいんでしょうか……?



ともかく、鍵を手に入れる方法は上記のとおりです。


でも、それならステルスなんて使わないで、ペンギンにわざと見つかって一目散に厨房まで走ればいいのでは?と思いますが、そう簡単にはいきません。プレイヤーにはダッシュで消費されるスタミナが設定されているため、長時間走ることはできず、スタミナが切れるとペンギンに追いつかれてしまうのです。


そのため、まずプレイヤーは、施設内に置かれたアイテム「お肉」を見つけて、それを食べ、スタミナの最大値をアップさせていく必要があります。お肉を探し求めて、ペンギンに見つからないように、こそこそと歩き回る感覚は、いくらペンギンがかわいいとはいえ、やはりドキドキしてしまいます。



プレイヤーはペンギンに捕まるとスタート地点からやり直しとなり、それを3度繰り返すとゲームオーバーとなってしまうのですが、実は、この「ペンギンに捕まったときの演出」こそが、本作の大きなポイントです。


木刀らしき凶器を手にしていることからも想像がつくとおり、ペンギンはプレイヤーを捕まえると手に持ったそれでバシバシと容赦なく殴りつけてきます。

この場面はムービーが流れるのですが、その際にペンギンが吐く罵倒のセリフがとても個性的。「私の勝ちだ!」「努力すれば報われるとは限らない!」「いいよ! そういう表情もっと頂戴!」などなど、そこはかとなくイラッとさせられるクセのあるセリフばかり。なんとこのセリフ、50種類以上のバリエーションがあるとのこと。この大量の罵倒セリフを全部見尽くしてやる!という謎のプレイモチベーションすら湧いてくるほどです。



登場するペンギンの数が変わる4段階の難易度が用意されており、アクションに自信がない人から歯ごたえを求める人まで幅広く楽しめる本作。怖さは控えめなので、ホラーが苦手な人にもおすすめのゲームです。ペンギンのビジュアルにグッときた人は、ぜひ遊んでみてください。

今年のハロウィンはホラーゲームでトリック・オア・トリート!


というわけで、おすすめの3作をご紹介しました。

ハロウィンは楽しげなイメージが強いお祭り的なイベントですが、たまには思いきりホラーに寄せた楽しみ方をしてみるのもいいかもしれません。ぜひ、今年のハロウィンは、気になるホラーゲームをたっぷり遊んでみてください。それでは、ハッピーハロウィン!

筆者:百壁ネロ
ゲーム買い過ぎちゃう系フリーライター。現在積みゲー300本以上。小説家でもあります。著作は「ごあけん アンレイテッド・エディション」(講談社)、「母の嘘(「悪意怪談」所収)」(竹書房)。

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