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銃の弾倉、こんなにリアルでいいのか? 股間が、こんなに開いていいのか?
胴体を組み上げる前に、ちょっと銃(マグ・ランチャーと説明書には書かれています)でも見てみましょうか。銃身が短く、横に大きな弾倉が付いた「ダグラム」らしい男臭いデザインの銃です。
▲ ランナー状態で見ると、いかにこのキットのスジボリがシャープに彫られているか、よくわかるでしょう?
▲ 左右をペタリと貼りあわせて完成……という銃が、ロボットプラモには多いんですけどね。このマグ・ランチャー、なんと弾倉が別パーツ! でも、接着するための嵌合が下に2か所のみ。そして、これを組み立てると……
▲ 見てくださいよ、これ! 弾倉が右上から下へ一直線に落ちたかと思うと、最下部でグニョリとUの字型に曲がって、左上の銃へと繋がる! ただの箱ではなく、弾倉は細長い箱を曲げたような構造だったのです! プラモデルを組み立てないと、この構造はわからないですよ?さて、ラストだ! でも待って、落ち着いて。キットを組み上げて人型ロボにしてしまう前に、股間をチェック。両足を動かすための丸い軸をはさんで、胴体を前後から接着するわけですよね。その丸い軸が、2パーツに分かれている。つまり、足が前後に動くだけでなく、左右方向にも開く。これ、足をガバッと開いてポージングできるからいい発明だよね? この、2パーツから構成される股間軸。バンダイ模型の「1/60 ガンダム」「1/60 ザク」から始まったことを記憶している方も多いのでは? それまでは固定式で一体成形だった股間軸を2つのパーツに分けて、左右にも開けるようにした。1/60ガンダムとザクの発売が、1980年12月。その約1年後の81年12月から、「ダグラム」のプラモデルがシリーズ開始されたのです(アニメ放送は10月から)。そして翌年発売の、大サイズの1/48スケールから、股間軸が2パーツ構成になりました。1年以上かけてメーカーをまたいで、技術が継承されたわけですね。どうですか、胸が熱くなるでしょ?
▲ ハイ、股関節の軸です。左右にV字型に開くので、原理的には足が左右へ、平面方向へ開くはず。実際には腰の形状がじゃまをして、そんなに開かないんだけどね……この話を始めると長くなるので、またの機会に
▲ この光景を、人生で100万回ほど見たような気がします。首と肩の付け根、先ほどの股関節が丸い軸なので、接着しなければ回転しますよね。そういう当たり前の仕様が、いま見ると堂々として立派に見える。逃げてない、というか
▲ でねえ、腕や足を丸い軸で前後に回転させて動かしたいわけでしょ? すると、両肩の付け根なんかは平面に、平行にしますわな。足も左右、きちっと揃えますよね。だからこう、硬くなっちゃうのよ……。そういえば左肩の大型アーマーは別パーツでした
▲ 設定画を見ると、腰はキュッと絞ってあって、肩幅はけっこう広い。だけど、プラモデルでは足の付け根に横幅が必要で、それによって肩の幅が決定されてしまう。箱みたいな胴体になってしまうのには、合理的な理由があるはずなんですよね……
▲ 横から見ると、胸の前後幅はけっこうボリュームがある。CBアーマーって、首から胸へかけてドスンと斜めに胸を大きく張り出すことで力強さを出している。ガンダムともザクとも違うボリューム感。大河原純度の高いロボットですね。そして、思ったより猿っぽくなかった
▲ こうしてポーズをつけると、ヒジが曲がらないのは意外と気にならないんだよね。むしろ、ヒザが2ミリぐらいしか曲がらないってのが……(笑)。でも、ロボットにとらせたいポーズって、ひとつのロボにつき2~3種類ぐらいじゃない? そのポーズさえとれれば、必ずしも全関節が動く必要はないように思います
▲ ビギナーズコレクションではあるけど、デカールは付属する。水転写デカール貼るのって、難易度高くない? だけど、当時は大人っぽいデカールが、ある種の商品価値だったのかも知れない。プラモ少年たちの憧れだった気がしますね。では、また来月!(文/廣田恵介)