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「ゲームギアミクロ」発売記念！セガ愛とこだわりが詰まった珠玉のアイテム誕生秘話！コンテンツ統括・奥成洋輔氏ロングインタビュー！

2020年10月02日 17:480

レトロゲーム

インタビュー

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「ゲームギアミクロ4色コンプリートセット + ビッグウィンドーミクロ特典付」を購入する

「限定盤」の仕様を引き継いでM2からリリースされるホワイト

──今回、４バージョンをセットで購入すると、画面が少し大きく映る「ビッグウィンドーミクロ」が特典でつきますね。

奥成　メガドライブミニの時に「メガドラタワーミニ」というグッズを作ったこともあり、今回のゲームギアミクロでも何かそういう企画をやりたいよね、という話になったんです。そこでオリジナルハードにも画面が大きくなる「ビッグウィンドー」と「ビッグウィンドーⅡ」という周辺機器があったので、これを元にするのがいいだろうということになりまして。それにわざわざミクロサイズにしたのに、画面が大きくなるアイテムがあるのはバカバカしさも含めていいなと（笑）。

──メガドラタワーミニ同様に、合体させたくなる仕様もいいですね！

奥成　はい（笑）。企画初期段階ではレンズだけ特典で付けて、あとはデータを配布して自分でプリントアウトしてもらうペーパークラフト仕様だったんですよ。その試作品を実際に作って、ペーパークラフトを組み立ててみたら思ったよりも大変で。これだと買った方が作ってくれないかもしれないし、企画が中途半端でよくないって話になりまして。

そんな時に、メガドラミニでもハードを担当した者が「これ、ちゃんとやれば作れると思うよ」って言ってくれたんですね。それでその担当者が自分で業者を見つけてきて見積もりも出してきてもらったところ、特典用としてもぎりぎり予算内に収まって、これでいこうということになったんです。

──これはじっくりとゲームを遊びたいと思っている人には嬉しいアイテムですよね。４種買っても価格的に約２万円ですし、当時遊んでいた方だったら全種購入したいと思わせるきっかけになると思います。

奥成　そう思ってもらえたら嬉しいですね。メガドラタワーミニは単なる玩具でしかなかったんですが、今回の「ビッグウィンドーミクロ」は装着するだけじゃなくて、ちゃんと効果もあるぞ！っていう（笑）。

──確かに（笑）。そして細かい指摘になるのですが、４バージョンそれぞれのボタンの配色のこだわりがすごいなと感じました。

奥成　よくお気付きになりました。これは４台並べてみるとわかるんですが、よく見るとイエローだけスタートボタンの青色が濃いのと、１＆２ボタンの色が緑なんです。そしてブルーだけはボタンが全部グレーで、ブルーとイエローの方向ボタンだけがグレーなんです。

──これは当然、当時のオリジナルモデルに合わせた仕様ということですよね？

奥成　その通りです。最初、担当者が「ボタンの色、コストの問題で全部同じにするしかないかも……」って言ってたんですが、「いやいや、そこはちゃんと忠実に再現しないとダメだろう」と言いまして。その分コストはかかりましたが、こういうミニチュアは再現度が大事だと思い、ボタンの色も全て再現しました。

──そして、9月16日にはM2さんから「アレスタコレクション」にホワイトバージョンが同梱された限定版のリリースされることが発表されましたね。

奥成　そうですね。ホワイトはセガからではなく、M2さんからのリリースになります。ちなみに当時リリースされたホワイト版のゲームギアはTVチューナーとセットで販売されていた限定版で、その「限定版」という当時の仕様を引き継いでリリースされる、という意味合いもあります。

アストロシティミニと合わせてゲーセン気分が出せる!?

──細かいこだわりが目立つゲームギアミクロですが、ほかにも何か隠し要素というか、こだわりの仕様がありそうですね……！

奥成　鋭いですね（笑）。隠し要素というわけではないんですが、メニューの中に「権利表記」を表示するだけの、お客さんには特にメリットのないところがあるんですが、なぜかそこ専用のBGMが流れるんですね。そのBGMというのは実は初代「UFOキャッチャー」のBGMなんです。普通の人はいちいち選ばないモードなんだけど、「権利表記ってなんだろう？」って思って選ぶと、このBGMが流れるとともに権利表記が表示されるんです。これはセガ60周年の隠しトラックだと思ってもらえれば。

──ネタとしてはディープですが、そこに何か真意が隠されてそうですね。

奥成　たとえばゲームギアミクロをUSBで繋いでおいて、この初代「UFOキャッチャー」のBGMを流しておくんですよ。そしてその隣で今年12月17日にリリースになる「アストロシティミニ」を遊ぶと……。

──「UFOキャッチャー」のBGMを聴きながらアーケードゲームを遊ぶ……気分は完全にゲーセンということですね！

奥成　そういうことです（笑）。

ゲームギアミクロに入っていてほしかったタイトル

──今回、全部で16タイトル収録ということで、どうしても言われてしまうのは「あれが入ってない」「これが入ってない」という部分だとは思いますが、そこはもう奥成セレクションということで納得してもらうしかないということですよね。

奥成　そうですね（笑）。ちなみにイオナさんはどのようなタイトルが入っていたら嬉しかったですか？

──僕は「ソニックドリフト」です。当時、友達と一緒に買ってタイムアタックを競ってたので、すごく遊んだタイトルです。ちなみに有田くんは？（※同行している担当編集の有田氏にも振るライターのイオナ）

有田　僕は当時、最初にゲームギアと一緒に買った「ドラゴンクリスタル」ですね。なぜそれを最初に選んだのかは覚えてないんですけど（笑）。

奥成　「ソニックドリフト」は、以前「２」のほうをニンテンドー3DSのバーチャルコンソールで配信したことがありました。企画の初期段階で「ソニック」シリーズでまとめる案があった時には、候補に入れるという話もあったんですが、最終的にレースゲームのタイトルとして「アウトラン」を入れることになりました。ごめんなさい。

「ドラゴンクリスタル」は、実は「ゲームギア初期タイトル集」という趣向で「ペンゴ」「コラムス」「The GG忍」と共にブラックに収録予定だったんです。しかし、先ほどお話した通り「ペンゴ」が収録できないことが決まったことで、これだけ流れてしまいました。すみません！　ニンテンドー3DSでは配信もしていますし、次のチャンスがあれば収録したいタイトルですね。

「The GG忍」プレイ動画

「コラムス」プレイ動画

──ゲームギアミクロは、ひとまずこの４種がリリースされてひと段落だと思うんですけど、商品企画的にバリエーションを増やしていく展開がしやすい印象があるので、ユーザーとしてはどうしてもそれを期待してしまいます。

奥成　当然、現時点では何も決まっていませんが、確かにそういう展開ができたら嬉しいな、と個人的には思っています。今、秋葉原駅構内などでも「タイニーアーケード」などのミニチュアハードが売られているのを見かけますが、そういうハードをたくさん買って家で並べるのって楽しいじゃないですか。ゲームギアミクロを同時に４種類出すのも、そういうガジェットを集める楽しさみたいなものを味わってもらいたいっていう目的もあるので、ぜひ４種買って家で並べつつ、ゲームでも遊んで楽しんでもらいたいですね。