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「ハピネスチャージプリキュア!」はがむしゃらに向かい過ぎて、当時の記憶があまりないんです(笑)
── 15曲目は「問題児たちが異世界から来るそうですよ?」の「SINCERELY」。春日部耀 starring 中島 愛名義の曲です。 中島 耀はおとなしめの女の子で、はしゃいだりはしないんですけど、中身までは淡々としてないんです。ですから声はフラットにしつつ、感情をこめて演じていました。
── そんな耀の曲ということで、さらりときれいで、軽快なポップスでした。 中島 ドラマチックな展開があるわけではないんですけど、終始心地いい浮遊感があって、この曲も本当にいい曲なんです。耀はいろいろな種族の友だちを作りたいと願っている女の子なので、歌詞のテーマは友だち作りです。淡々としているけど積極的というところが、彼女の不思議なところですよね(笑)。
── 次は、「君のいる町」の枝葉柚希が歌う「Another Letter」。 中島 「君のいる町」は恋物語でした。柚希はかわいらしくて、天真爛漫ゆえに無自覚に周りを振り回してしまうタイプでした。言ってしまえば小悪魔的なんですけど、本人はいたって純粋で、「Another Letter」も素直に自分の想いを伝えるバラードになっています。レコーディングでは、彼女の性格に合わせてストレートに歌おうと思いました。
── 純粋な気持ちで行動しているのに、誤解されがちな女の子でしたね。 中島 そうなんです。佐倉綾音さんが演じた御島明日香が、同じようにまっすぐな性格なんですけど、ちゃんと周りを見ることができる子で、対称的でした。「Another Letter」は柚希の一番素直な部分が出ている曲だと思うので、ぜひもう一度聴いていただきたいです。
── そして、「ハピネスチャージプリキュア!」のキュアラブリーが歌う「ドデカ・ラブ」です。 中島 キュアラブリー、愛乃めぐみは、とにかく元気が有り余ってる子なので、びっくり箱から飛び出したような曲になりました(笑)。「ハピネスチャージプリキュア!」にもたくさんキャラソンがあるんですけど、一番最初に録ったのがこの曲で、思いっきり弾けるというのがレコーディングのポイントでした。息継ぎはどこでするんだというくらい畳みかける曲で、彼女の愛が押し寄せてくるという感じです。
── プリキュアを演じてみて、改めていかがでしたか? 中島 正直に言うと「マクロスF」のときと同じで、あまりにもがむしゃらに向かい過ぎて、あまり記憶がないんです(笑)。自分のキャリアの中で、プリキュアとのご縁をいただけるなんて夢みたいで。1年間のレギュラーというのは今のアニメでは珍しいですし、TVシリーズに加えて劇場版もあって、たくさんの子どもたちがキュアラブリーを見てくれたんだと思うと、感動ひとしおです。
── 「ハピネスチャージプリキュア!」ならではの特色もありました。 中島 そうですね。恋愛要素も大きいシリーズだったので、毎回、どんな受け止められ方をするかな? と思いながらアフレコしていたのが懐かしいです。
── 収録曲についてたっぷり語っていただいて、「FULL OF LOVE!!」が中島さんの声優としての軌跡をそのままパッケージしたアルバムだということを実感しました。 中島 どれも私にとって大切な作品であり大切なキャラクターであり大切な楽曲です。しかもいい曲ばかりなので、じっくり味わっていただきたいです。