【ラノベ風ゲームレビュー!】「つみゲ部!」 第2話 天才ゲーマー・スイの弱点発覚!? 「夜、灯す」の巻

2020年09月15日 11:000

かわいくてみんな個性的! 物語を彩る登場人物たちを紹介

 

さて、カーテンも開けて電気もつけて、ここからは気分を変えて、私が撮った画面写真を見ながら登場人物たちの紹介をしていくぞ。

はいっ♪

まずは、主人公の十六夜 鈴。いつも明るく前向きで、誰とでも分け隔てなく接する少女なんだ。「ぬかに釘」を「床に釘」と言い間違えたり、たまに見せるちょっとうっかりな部分も魅力だな!

 

 

鈴ちゃん、かわいいな~……♪ この子が、箏曲部のエースなんですよね?

そうだ。部に入る前からおばあちゃんに箏を教わっていたため、確かな実力を持っていて、また、些細な音の変化や小さな音を聞き分ける耳のよさもあわせ持っている。

へー! 音ゲーとかやったら、めっちゃ上手そう!

スイさん、発想がゲーマー……!

そんな鈴は、幼い頃に両親を亡くしていて、今は遠縁のおばあちゃんと一緒にお寺で暮らしているんだ。鈴のおばあちゃん、十六夜 妙蓮(いざよい みょうれん)は、地元でも信頼されている高僧で、年齢も高齢なんだが、ピザや揚げ物が大好物というジャンキーな人物だ。

個性的っ!

いいねー、一緒にピザ食べながらゲームしてみたいわー♪

続いて、物語のキーとなる転校生・皇 有華。箏曲界トップの弟子数を誇る流派の家元の娘で、腕前も超一流。しかし、一流であるがゆえに、鈴たちが部活動で掲げる「楽しんで演奏する」というスタンスと衝突してしまう。

 

 

有華ちゃんは、きれいだけど、どこかミステリアスな雰囲気の子ですね……。

鈴ちゃんの夢の中に出てくる「お姉さま」との関係も気になるとこだねー。

物語の軸となるのは鈴と有華だが、箏曲部の仲間たちも皆、個性的だぞ。

 

 

まずは、青柳 真弥(あおやぎ まや)。鈴の幼なじみで、しっかり者な性格の真弥は、めちゃくちゃ怖がりで、そして鈴のことがとにかく大好きなんだ。

仲良しさんなんですね♪

うむ。怖がりなうえに友人のことが大好きなんて、まるで私のことが大好きなスイのようだな!

いや沙遊里のことは大好きだけど、別にあたし怖がりじゃないし!

なっ……!?

あ、大好きは否定しないんですね! 部長さんも自分で言ったのに照れてる~……♪

……コホン。次いくぞ、次。元気でちょっと短気な性格の舞原 累(まいはら るい)は、もとは陸上部で活躍していたんだが、足の怪我を理由に引退し、箏曲部に入部した。箏のことを何も知らなかった累だが、そんな自分を受け入れてくれて、熱心に箏を教えてくれた部長のことが、心から大好きなんだ。

わー、めっちゃいい話じゃん!

私が、ゲームのことを教えてくれる部長さんを大好きなのと似てますね♪

なっ……!?

おっ、沙遊里、顔真っ赤。

う、うるさいっ! 次いくぞ! おっとりしていてマイペースな田鎖 麗子(たくさり れいこ)は、にぎやかな部員たちをまとめるしっかり者だ。実はおばあちゃんが学園の理事長をやっていて、それゆえに麗子は学校の事情通でもあるわけだ。

しっかり者で事情通かー、こういう子がひとりいると安心感があるね。

そして部活の顧問、多恵ちゃん先生という愛称で親しまれている管野 多恵(かんの たえ)と、「音を楽しく」がモットーの、いつもほがらかな箏曲部部長・武沢 麻理乃(たけざわ まりの)。以上が、「夜、灯す」の主な登場人物だ。

確かにみんな、かわいいだけじゃなくてすっごく個性的ですね! 今の話を聞いただけで、早く箏曲部のみんながおしゃべりしてるところを見たくなっちゃいました♪

うんうん。箏曲に対する想いとか、ほかの子との関係性とか、そういうバックボーンがみんなにしっかりあるから、「生きている登場人物」って感じがするねー♪

 

洗練されたボイス、グラフィック、サウンドで「夜、灯す」の世界にどっぷり没入!

 

では、ここからは実際にプレイしながら見てみるとしよう。スイ、ゆま、どっちかやってみるか?

あたしは今回はやめとこっかな~……べ、別にビビってるとかじゃなくてね!

あはは……じゃあ、私やりたいです!

よし、じゃあほら、コントローラーを渡すぞ。操作方法はメニュー画面からいつでも確認できるからな。

はい!

 

 

わ~、鈴ちゃんたち、みんな表情豊かでかわいい~♪

キャラだけじゃなくて、背景の絵も細かく描き込まれててきれいだね。「この場所にいる」っていう、リアリティがある感じがする♪

あっ、ウインドウとかアイコンとか、ゲームのいろんな部分が和風のデザインになってますね!

いい着眼点だ、ゆま! 効果音にも箏の音色が使われていたりと、細かな部分も物語の雰囲気としっかりマッチしていて、ゲームの世界にどっぷり没入できる作りになっているぞ。

登場人物の声もイメージとピッタリって感じだねー。沙遊里、これってフルボイス?

ああ、主要キャラクターのセリフ部分はフルボイスになっている。バックログからボイスを聞き返すことも可能だぞ!

いいねー! やっぱ声がついてると、よりゲームに入り込めるって感じするよね♪

あの~、いまセリフに「箏爪」って出てきたんですけど、これってなんのことですか?

 

 

箏爪(ことづめ)とは……

箏爪ってのはね、お箏を弾くときに指にはめる爪の形の道具のことだよ。

ああ、なるほど~! ギターで言う、ピックみたいなものですね!

(くっ、先に解説された……!)

……コホン。「夜、灯す」は、箏曲部が舞台だったり、鈴がお寺で暮らしていたりするから、ゲーム中に「箏爪」や「ご精進」、「おりん」などのような聞き慣れない言葉が度々登場することがある。普段あまり触れることのない世界に触れて、知らないことを知れるというのも、本作の魅力のひとつと言えるだろう!

ちなみに「ご精進」ってのはお寺の言葉で食事のことで、「おりん」ってのはお仏壇にあるチーンって鳴らすあの仏具のことね。

す、スイさん、知識の幅広すぎませんか……!?

 

そんなこんなで、ワイワイとゲームを進めていくこと数分……。

「旧校舎で話がしたい」との有華からのメモがロッカーに入っていたという武沢部長とともに、主人公・鈴は昼休みに旧校舎へ向かったのだが……そこに待っていたのは、有華に似た別の“誰か”だった。

その異変に気づいた刹那、鈴は、どこからか現れた白い糸――箏の弦に首を締め付けられ、部長とともにその場に倒れてしまう……。

 

 

……な、な、なんか、事態が大変なことにっ……。私、選択肢間違っちゃったんですかね……!?

立入禁止の旧校舎から聴こえてくる箏の音……神楽原女学園に伝わる“姉妹”の怪談……ゆまが選んだ世界の鈴は、どうやらその正体である怪異にからめ取られてしまったようだな。琴の弦という、鈴たちの生活に深く関わっていたものがこうして牙を剥くという展開にも思わずゾクッとしてしまうな。

うわ~、ごめんなさい鈴ちゃん……!

…………ゆまっち、あたしにも謝って~……。

わっ、スイさん、怖くてちょっと泣いてるじゃないですかっ!? ごめんなさい、すぐにロードしてやりなおしますから~!!

 

「夜、灯す」のまとめ

 

というわけで「夜、灯す」について語らせてもらったぞ。ゆま、どうだった?

最初はホラーゲームって聞いて、なんとなくちょっと身構えてたんですけど……実際に遊んでみたら、ホラー要素だけじゃなくて、女の子たちの友情だったり部活にかける想いがお話の大きな軸になってて、青春ものの映画を見てるような気持ちで楽しめました♪

うむうむ。少女たちの絆が、この「夜、灯す」のテーマのひとつとも言えるだろうな。だからこそ、「ホラーだから」という理由で食わず嫌いをすると損をすると思い、スイを引き止めたわけだが……スイ、どうだった?

うん、そうだね、確かに女の子たちのお互いを想う感情とかお箏への熱意が物語からあふれてて、ホラーだけど、優しくて爽やかな気持ちになれるゲームだなって思った。

ですねっ♪

 

 

先の展開がすっごい気になるけど、でもひとりでやるのはやっぱ怖い……じゃなくて! 別に全っ然怖くないけどっ!!

出たな、謎の強がり。

いや、てかさ、ひとりでやるより今日みたいにみんなでやったほうが楽しいし、沙遊里、今度、家泊まり行ってもいい?

わ~、いいな~♪ 部長さん、私もお泊りしたいです!

もちろん2人ともウエルカムだっ! 妙蓮おばあちゃんの好物であるピザを頼んで、夜通し「夜、灯す」で遊ぶぞっ!

わーい♪ ありがとうございます、“お姉さま”♪

なっ……!?

えへへ、ゲームに出てきた疑似姉妹をマネして、ちょっと呼んでみちゃいました……。ダメでしたか……?

ダメなことがあるか、我が妹よっ!!

超ノリノリじゃん。

よし、そうと決まったらお互いの大切なものを交換するぞ! 私の家宝のひとつ、レトロゲーマニア垂涎の一品、未使用品の「アタリ2800」をお前にやろう!!

そ、そんなすごそうなものもらえないですよ~!

え、それあたしがほしいんだけど! ねね、沙遊里、あたしと姉妹になろうよ~!!

そんなわけで、「つみゲ部」の活動は、まだまだ続くのだった……。

 

第2話 おしまい

 

【商品情報】

■夜、灯す
<ゲーム情報>

地方にあるお嬢様学校には、その昔、女生徒同士が特別な“姉妹関係"を結ぶ奇妙な風習と、それによって引き裂かれた女生徒の幽霊が出る、という噂があった。
そんなお嬢様学校の箏曲部に所属する女子高生たちが、秋のコンクールに向けて合奏練習に勤しむ真っ最中、彼女たちの身の回りで不可解な事件が起こり始める……というストーリーのホラーアドベンチャー。
キャラクターデザイン、ゲーム内のイベントイラストを手がけるカオミン氏による美しいイラストは必見だ。

・発売中
・ジャンル:ホラーアドベンチャー
・対応機種:PlayStation 4/Nintendo Switch
・プレイ人数:1人
・価格:パッケージ版/ダウンロード版 6,980円(税別)
・CERO:C(15歳以上対象)
・メーカー:日本一ソフトウェア

 

<Text by 百壁ネロ>

ゲーム買いすぎちゃう系フリーライター。現在積みゲー300本以上。小説家でもあります。著作は「ごあけん アンレイテッド・エディション」(講談社)、「母の嘘(「悪意怪談」所収)」(竹書房)。

 

Twitter:https://www.twitter.com/KINGakiko

Twitch:https://www.twitch.tv/nero100kabe

about.me:https://about.me/nero100kabe/

 

<Illustration by くさなぎゆうぎ>

漫画家・イラストレーター。高知県出身のファミコン世代。女子高レトロゲーム部4コマ漫画「れとろげ。」(マイクロマガジン社)の作画を担当。最近プレステ5貯金を始めた。

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