ウルトラマンシリーズの貴重な資料が多数展示! 9/5~10/18開催の「特撮のDNA—ウルトラマンGenealogy」会場&レセプションレポート

2020年09月08日 14:380

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特撮文化の「技術」と「継承者たち」にスポットを当てた展示イベント「特撮のDNA」。「特撮のDNA ー『ゴジラ』から『シン・ゴジラ』までー」(2018年)、「特撮のDNA~平成ガメラの衝撃と奇想の大映特撮」(2019年)に続いて行われる第3回は「特撮のDNA—ウルトラマンGenealogy」と題して、東京ドームシティ Gallery AaMoにて開催中だ(10月18日まで)。

誕生から50年以上の歳月を経て、今なお進化と拡大を続ける、円谷プロダクションが誇る「ウルトラマン」シリーズに焦点を当てた企画内容で注目を集めている本イベント。ここではその模様をレポートしよう。

 

オープン前日に開催されたレセプションでは、「ウルトラQ」でカメラマンの江戸川由利子、「ウルトラマン」で科学特捜隊のフジ隊員を演じた女優の桜井浩子さんと、「ウルトラマン」でスーツアクターを務め、「ウルトラセブン」ではウルトラ警備隊のアマギ隊員を演じた古谷敏さんによるトークシショーが行われた。ひと足先に会場を訪れていた桜井さんは「まるで美術館を思わせる芸術的な展示で感激しました」と興奮気味に語り、古谷はウルトラマンシリーズでの国外での人気について触れ、「昨年は7回海外のイベントに呼んでいただきましたが、日本のファンと変わらず、ファンとして素晴らしい心を持った人たちです」と述べるとともに、「今や世界で愛されているウルトラマンですが、シリーズをここまで育ててくれたのは、特撮に関わった方々をはじめ、大勢のスタッフのおかげです。そしてそれを持続してきたからこそ、今もウルトラマンは燦然と輝いているんだと思います」と締めくくった。

 

 

 

ウルトラマンシリーズの歴史とともに長い道のりを歩んできた桜井さん&古谷さんの両名。トークは飛沫感染に配慮してソーシャルディスタンスで行われたが、桜井さんが「今日のトークは特撮(シーン)に出た人……ということは、私は巨大フジ隊員?」と、メフィラス星人によってフジ隊員が巨大化させられた「ウルトラマン」第33話「禁じられた言葉」をあげると、古谷さんは「ステキな大女として特撮ステージを闊歩された桜井浩子さんです」、「え、ちょっと言葉選んでない?」と軽妙なかけ合いで、集まった記者陣を笑わせた

 

フォトセッションでは両名がスペシウム光線のポーズを披露。また、コロナ禍のご時世にひっかけ、古谷さんは「これでニューコロ星人を退治できると思います」と語り、会場に集まった記者陣を沸かせた

 

サービス精神旺盛な古谷さんは真横からのポーズも披露。この微妙な猫背具合こそ、まさに本物の初代ウルトラマンだ。「来年は、ぜひまたウルトラマン(のスーツ)に入りたい」と抱負を語った

 

ここからは会場の様子をお届けしたいと思う。出展作品は、ウルトラマンシリーズから「ウルトラQ」(1966年)、「ウルトラマン」(1966年)、「ウルトラセブン」(1967年)、「帰ってきたウルトラマン」(1971年)、「ウルトラマンA(エース)」(1972年)、「ウルトラマンタロウ」(1973年)、「ウルトラマンレオ」(1974年)、「ウルトラマン80」(1980年)、「ウルトラマンG(グレート)」(1990年)、「ウルトラマンパワード」(1993年)、「ウルトラマンティガ」(1996年)、「ウルトラマンダイナ」(1997年)、「ウルトラマンガイア」(1998年)、「ウルトラマンマックス」(2005年)に加え、「大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE」(2009年)、「ウルトラマンゼロ THE MOVIE超決戦!ベリアル銀河帝国」(2010年)、「ウルトラマンサーガ」(2011年)、「ウルトラマンジード」(2017年)といったウルトラマンゼロ関連の4作品、そしてウルトラマンシリーズ以外では、「快獣ブースカ」(1966年)、「マイティジャック」(1968年)、「戦え!マイティジャック」(1968年)、「ミラーマン」(1971年)、「レッドマン」(1972年)、「トリプルファイター」(1972年)、「ジャンボーグA」(1973年)、「ファイヤーマン」(1973年)、「アンドロメロス」(1983年)、「電光超人グリッドマン」(1993年)の総勢28作品。これ以外にも当時の番宣ポスターなど多数の作品資料が展示されている。

 

 

 

 

 

 

会場を入ってすぐに目に入るのは、歴代ヒーローのパネル展示。各写真をよく見ると、出演者&スタッフによるサインが描かれているものもある。開催期間中、さらに増えていくかも?

 

 

 

 

 

会場中央には初代ウルトラマンから最新のウルトラマンZまで、歴代ウルトラヒーローのスーツが円形に配置。ライティングやスモークによる演出でも楽しませてくれる。コロナ禍でショーなどが激減しているため、現在放送中の「ウルトラマンZ」に登場する「ウルトラマンゼット アルファエッジ」の実物スーツを、この会場で初めて見る人も多いのではないだろうか

 

 

全ての原点たる「ウルトラQ」(1966年)から。第7話「SOS富士山」で使用されたゴルゴスの背中に乗った野生児・タケルくんの人形。書籍にも掲載されたことがない貴重な展示

 

「ウルトラマン」(1966年)の展示で目を引いたのが、米軍の準機関紙「星条旗新聞」用に撮影された写真の数々。第1話の竜ヶ森のセットで撮影されたもので、この媒体による写真はいずれも本邦初公開。こうした写真も当時を知るうえでの重要な手がかりとなる

 

 

 

 

 

本展示では造形物のみならずデザイン画にも注目。写真は井口昭彦氏によるウルトラの父と母、ウルトラマンタロウのデザイン画。ファンにはおなじみ「亜㐂比古(あきひこ)」のサインも確認できる

 

 

「ウルトラマンA(エース)」(1972年)から、TACのタックアローのミニチュア。配布された資料によると、着水シーンで機体の重さを出すために内部に石膏が仕込まれているとのこと。機体自体は木製であることがわかる

 

 

 

「ウルトラマンZ」(2020年)に登場したこともあり、今まさに人気最熱中のセブンガー。こちらはそのオリジナルとなる「ウルトラマンレオ」(1974年)での、大澤哲三氏によるデザイン画。余白には「改造」、「胴体使用」、「手足、作る。」などのメモを見て取ることができ、造形に至るまでの興味を駆り立てる

 

 

「ウルトラマン80」(1980年)から、第47話「魔のグローブ 落し物にご用心!!」の対グロブスク戦で使われた操演用プロップ。これを用いて回転して執拗に体当たり攻撃を行う技「ダイナマイトボール」が描き出された。発砲スチロール製

 

 

 

 

「ウルトラマン80」(1980年)から、UGMの主力小型戦闘機シルバーガルのミニチュア。

設定上、α号とβ号に分離可能でこのミニチュアにも同様のギミックが再現されていたものと思われる。主翼部分はツライチではなく段差があるなど、やはり実物から得られる情報量は多い。機体下部、β号部分には収納式のマジックハンドが装備。玩具オリジナルのギミックかと思いきや、実際のミニチュアでも再現されていたのは驚き。また、ハッチは丁番(ちょうつがい)で開閉可能となっている。色味が実際の映像と異なるので、撮影後に再塗装されたようだ

 

 

同じく「ウルトラマン80」(1980年)から、UGMの多目的ジェット戦闘機スカイハイヤーのミニチュア。こちらは撮影当時のままの塗装であろう。コクピットの奥には電飾用のスイッチがある。主翼の根元が丁番で繋がれているが、劇中未登場の戦車形態への変形ギミックかと思われる

 

 

「ウルトラマンティガ」(1996年)の撮影で使われた、通称「ぐんぐんカット」用のパース人形。正面から見れば拳を突き上げ、あたかも目の前に迫ってくるかのような迫力だが、横から見るとご覧の通り

 

 

同じく「ウルトラマンティガ」(1996年)から、GUTSの中型戦闘機ガッツウイング2号のミニチュア。機体が左右に展開し、ハイパーレールガンが露出した状態で展示されている。また展開部を見ると、ボルトと金属製の接続板で固定してある。機体中央に穴があるが機体を閉じる際にはこちらで固定するのであろう。こうした部分も実物を間近で見て判明することだ

 

 

作品ごとの各コーナーは4面ガラスケースで展示されており、映像ではなかなか確認できないヒーローの後頭部など、細部までじっくりと見られるのも嬉しい。写真は「ジャンボーグA」(1973年)から

 

 

当時の番宣ポスターも多数展示。左は「快獣ブースカ」(1966年)。作品自体はモノクロなので、「色」がわかるだけでもその価値は大きい。右はSF作家の小松左京氏、豊田有恒氏、田中光二氏原作による野心作「SFドラマ 猿の軍団」(1974年)。写真奥のサボ副官(左)、ビップ大臣(右)は劇中とは衣裳が異なる

 

庵野秀明氏の企画・脚本、樋口真嗣氏の監督で話題を集めている、2021年公開の映画「シン・ウルトラマン」からは2体のモデルが展示。昨年の「TSUBURAYA CONVENTION2019」でも展示されたが、モデルをさまざまな角度で見て公開への期待に胸をふくらませてほしい

 
(取材・文・撮影/トヨタトモヒサ)

【イベント情報】

・「特撮のDNA—ウルトラマンGenealogy」

・会期:2020年9月5日(土)~10月18日(日)

・開場時間

土日祝:10時~19時

平日:12時~20時

※最終入場は、閉場30分前まで

・会場:東京ドームシティ Gallery AaMo(東京都文京区後楽1-3-61)

・入場料(税込)

一般:2,000円(18歳以上)

小人:1,000円(6~17歳以下)

一般ペア:3,800円(一般チケット2名分)

※5歳以下は入場無料となります。

※入場時、年齢がわかるものをご提示いただく場合がございます。あらかじめご了承ください。

会場での入場チケット販売は実施いたしません。

指定の購入方法をご確認の上、お買い求めください。

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