【Steam】まだまだ夏は終わらない……戦慄のPCホラーゲーム特集 パート2

2020年09月05日 11:000
【Steam】まだまだ夏は終わらない……戦慄のPCホラーゲーム特集 パート2

アキバ総研をご覧の皆さま、いかがお過ごしでしょうか。ゲーム買いすぎちゃう系ライターの百壁ネロでございます。ガチ勢というほどではありませんが、筆者は「Dead by Daylight」をカジュアルによく遊んでいます。非対称型対戦ホラーゲームということで、殺人鬼ひとりと人間4人で戦う作品なのですが、筆者はわりとキラー専でして、「恐怖を与える側」という日常ではなかなかできない、ゲームならではの体験を楽しんでいます。

というわけで今回は、寝苦しい夜に恐怖と涼しさを体験できるSteamのホラーゲーム特集第2弾をお送りします。

1.都市伝説の「きさらぎ駅」で下車できる!?
体験型ホラーアドベンチャー「The Ghost Train | 幽霊列車


  • The Ghost Train | 幽霊列車」(Chilla's Art)
  • 2020年7月23日発売
  • 価格:310円(2020年8月19日現在)
  • コピーライト:(C) 2020 Chilla's Art

「きさらぎ駅」という都市伝説をごぞんじでしょうか? ある女性が電車に乗っていると、いつもなら数分間隔で駅に停車するはずの電車がいつまでたっても停車せず、ようやく停まったので降りてみると「きさらぎ駅」という聞き慣れない無人駅。あたりには人家もなく、太鼓と鈴の音だけが遠くから聞こえてくる……というような内容の奇妙な体験談で、インターネットの掲示板で一気に広がったお話です。

ご紹介する「The Ghost Train | 幽霊列車」は、この「きさらぎ駅」の怪談をベースにしたホラーゲームです。



本作は、前回のホラーゲーム特集でご紹介した「赤マント」や「夜勤事件」を手がけたChilla's Artによる、1人称視点のホラーアドベンチャーゲーム。「赤マント」や「夜勤事件」で大きな特徴となっていたVHS風の粗い映像演出は本作では実装されていませんが、その代わりに、画面の四隅が常に薄暗くなっており、この意図的に作られた視認性の悪さによって、「画面の見えづらい個所から急に何かが出てくるかもしれない」という恐怖感がそそられます。



本作は、「夜勤事件」と同じく、ウォーキングシミュレーター型のホラーゲームです。ノベルゲームのように物語を読み進めていく形ではなく、主人公の視点で歩き、気になるものを調べて、身の回りに起こる奇妙な出来事を体験していく作りとなっています。というわけで、さっそくストーリーをご紹介していきましょう。

主人公は、保険会社で営業部長を務める田中謙介氏。物語は、会社帰りの駅から始まります。改札を抜け、エスカレーターを降りると、目の前に広がるのはぼんやりと薄暗く、がらんとしたプラットフォーム。そこでプレイヤーは、電車が到着するまでの田中氏の毎日の日課として、トイレで用を足し、自販機で飲み物を買い、喫煙所でタバコを吸うというアクションをこなしていくこととなります。すると、駅にアナウンスが流れ、電車が到着。自分以外誰もいないホームにやってくる電車というビジュアルは、かなり不気味な雰囲気が漂い、早くもビクビクしてしまいます……。



ゲームは、この「駅で日課をこなし、電車に乗る」という流れを毎日繰り返しながら、進んでいきます。しかし、当然、ただ同じことが繰り返されるわけではありません。この「いつもの流れ」を繰り返していく中で、プレイヤーの前に、不可解な出来事や謎解きが差し込まれていく形となっています。電車が自分の降りる駅を通過してしまったり、父とはぐれたという幼い少女とともに彼女の父親を探したり、高校時代の恩師である老人と出会って意味深な言葉を聞いたりなど、巻き起こるイベントは、奇妙で不気味なものばかり。いわゆるビックリ系のホラーゲームのような瞬発力のあるタイプの怖さではなく、電車という日常空間がどんどん異界に侵食されていく、どこかジメッとした、あとを引くような怖さを体験できるのが、本作の魅力と言えるでしょう。



ゲーム中に起きる出来事についてあまり語りすぎてしまうとネタバレになるため、ここで多くをご紹介するのは避けますが、もっと日が進むと、電車内はさらに異様な事態に見舞われます。また、冒頭でご紹介した「きさらぎ駅」も登場。都市伝説や怪談話のファンなら、「あのきさらぎ駅を歩き回れる!」という感動を味わえるかもしれません。めちゃくちゃ不気味ですが……!



実際にゲームをプレイしてみて、本作の大きな特徴は、ビジュアルとサウンドによる恐怖感の作り方にあるように筆者は感じました。

駅ホームの床の汚れ具合や、暗くジメッとした雰囲気のトイレ、年季の入ったベンチ、すすけた色の電車など、グラフィックの細部まで徹底してリアリティのある色使いがほどこされており、「こういう場所、実際に見たことあるな」と身近に感じられることで、ゲームへの没入感が高まります。
また、音については、駅のアナウンスや電車のガタンゴトンという音などの日常感のある聞き慣れた効果音の合間に、電車内で聞こえるはずのないセミの鳴き声や祭ばやしの音、ドアを激しくたたくような音が混じることで、「日常の中に違和感が現れた」という恐怖を感じられます。



何が起きるかわからないホラーアトラクションを探索するような、体験型のハラハラ感が楽しい「The Ghost Train」。エンディングまでのプレイ時間はそんなに長くなく、サクッとカジュアルに遊べる点も魅力なので、空いた時間にちょっと遊べる何か変わったホラーゲームを探している人は、ぜひチェックしてみてください。

2.少女クレアが不気味な屋敷からの脱出を目指す
2Dホラーアドベンチャー「Clea / 克莉


  • Clea / 克莉」(InvertMouse)
  • 2019年7月11発売
  • 価格:720円(2020年8月19日現在)
  • コピーライト:(C) 2019 InvertMouse

昨今のホラーゲームは3Dタイプが主流ですが、横スクロールタイプの2Dホラーゲームもなかなか味わい深く、また違った面白さがあります。筆者が印象に残っているのは、初代プレイステーションの「トワイライトシンドローム」と「夕闇通り探検隊」です。攻略本片手にやりこんだ懐かしい思い出……。
これからご紹介する「Clea / 克莉」も、昨今ではやや珍しい2Dタイプのホラーアドベンチャーです。



「Clea / 克莉」は、タイトルにもなっている「クレア」という名前の少女が主人公の、サイドビュータイプのホラーゲームです。
物語のあらすじは、クレアの誕生日に両親が研究している怪物「混沌が眷属」が解き放たれてしまい、クレアは弟とともにお屋敷からの脱出を試みることとなる、というもの。両親が怪物の研究をしているという時点ですでにかなり謎めいていますが、クレアはどうやらこの屋敷にずっと囚われているらしく、また、クレアのパパがメイド宛てに「クレアに1日1本ポーションを飲ませることを忘れないように。クレアが正気でなくなったら私のところに来なさい」という手紙を書いていたりと、クレアという少女そのものにも何か真実が隠されていそうな予感。なんだかとても不穏な雰囲気です……。





ゲームは、屋敷内を徘徊する敵「混沌が眷属」から逃げ隠れしつつ、アイテムを回収しながら先へと進んでいく、アクション性の強いアドベンチャーとなっています。アイテムは、ほかのアイテムと組み合わせて使うものもあり、屋敷内にはパズル的な仕掛けも用意されているので、脱出ゲームをほうふつとさせる謎解き感覚も楽しめます。

本作のキーとなるのは、なんと言っても恐るべき「混沌が眷属」の存在です。
「混沌が眷属」は、クレアを見つけると一目散に走ってくるため、こうなると逃げることは困難。捕まってしまうと一発でゲームオーバーです。なので、可能な限り、ステルスプレイをしていくことが、本作の基本的な立ち回りとなります。クレアのメインとなるアクションは、「走る」と「忍び足」。「走る」だと大きな足音が鳴ってしまい、敵に感づかれてしまうので、ステルスには足音を抑える「忍び足」が有効です。



本作の最大のポイントは、ずばり「音」です。ゲーム内でもヘッドホンをつけてのプレイを推奨されますが、ゲームに没入して恐怖をより楽しむためだけではなく、攻略的にも音を聞くことがとても重要となっています。
本作では、プレイヤーであるクレアだけではなく、敵の「混沌が眷属」も足音を立てながら屋敷を徘徊しています。よく耳をすませて相手が発する音を聞き、おおよその位置と距離感を把握することがステルス成功の秘訣です。自分がいる廊下の先を歩いているのか、それともどこかの部屋の中にいるのか、音が鳴る位置と音の大きさから推測しつつ、じわじわと、ときには大胆に歩を進めていくスリルが本作の面白さと言えるでしょう。



ちなみに、音を利用したテクニックも存在します。
まずは、どこかしらの部屋に入り、クレアを走らせて足音を立てたり、トイレの水を流したりして、「混沌が眷属」にこちらの気配をわざと知らせます。その後、ドアの前へ移動。このゲームでは、ドアの向こうを覗き見するというアクションがあるので、これを利用して「混沌が眷属」がドアの前までやってくるのを待ちます。そして、相手がドアを開けてこちら側に入ってくるタイミングで、クレアも同時にドアを出ます! こうすることで、「混沌が眷属」とすれ違うことができ、一気に先へ進むことが可能となるんです。ただし、タイミングがずれると捕まってしまうので要注意! この技、うまくキマると最高ですが、めちゃくちゃハラハラします。



クレアや弟をはじめとした、かわいらしくもどこか影のあるキャラクターたちと、ゲーム全体を覆うダークでゴシックな雰囲気が大きな魅力となっている本作。捕まると即ゲームオーバーとなり問答無用でセーブ地点まで戻されるため、難易度はやや高めの印象ですが、ゲーム開始時にやさしい難易度へ変更も可能なので、ライトゲーマーからヘビーゲーマーまで幅広く楽しむことができる作りとなっています。「3Dタイプのゲームは苦手だけどホラーでドキドキしたい」という人には特におすすめです。ぜひクレアとともに、不穏な空気が漂うお屋敷からの脱出を目指してみてください。

ちなみに、ゲームオーバー画面が、もしかしたら本作中で一番怖いです。クレア……そんな怖い顔になっちゃって、君はいったい何者なんだ……。




3.悪霊となった少女から逃げろ!
マルチプレイも楽しいおばけ屋敷探索ホラーゲーム「Pacify


  • Pacify」(Shawn Hitchcock)
  • 2019年2月23日発売
  • 価格:520円(2020年8月19日現在)
  • コピーライト:(C) 2019 Shawn Hitchcock

少女のキャラクターは、ゲームにおいては往々にして物語のキーになったり、特別な存在感をかもし出すものですが、ホラーゲームにおいては少女は恐るべき存在になることがよくあります。
ご紹介する「Pacify」は、恐ろしい少女の悪霊が登場するホラーゲームです。



本作は、探索型の3Dホラーアドベンチャーゲームです。記事執筆時点では、「人形」モードと「農場」モードという2種類のモードが用意されていますが、今回は「人形」モードについて紹介していきます。

本作の主人公は、超常現象助手法人、略してPAH Inc.の一員。「人形」モードにおける主人公の目的は、悪霊が住み着いているという噂の古い家に潜入し、調査をすること。ということで問題の家にやってきたわけですが、あいにく天候はめちゃくちゃ嵐。いや、調査は屋内で行うので、天候が悪くても関係ないっちゃないのですが、雰囲気がもう、絶対イヤな出来事が起きるというムード満点です。



さて、何はなくとも、まずは家の中に入らなければ悪霊の調査が始められません。

おっかなびっくり玄関へと向かいますが、鍵がかかって中に入れず。「えー、じゃあもう帰ろうかな」と車に引き返してみたんですが、車中にいる同僚から行けと言われるのでしかたなく家に戻ります。しばらく家の周囲をうろうろしていると、地下へ降りられる穴を発見。そこから家の地階へと降り立ち、いよいよ探索スタート。懐中電灯をつけていてもかなり暗く、「走る」ボタンはあるものの、おそるおそる歩くことしかできません。

フロア内に置かれた、この家に住んでいたひとりの少女に関する話が記されたメモや、不気味な雰囲気の謎の人形を確認しつつ、階段で1階へと進みます。

すると、1階で、ついに悪霊とおぼしき白い服の少女とご対面……! 思いっきり声が出てしまいました。そして全速力で逃げました。



本作の目的は「pacify=なだめる、静める」というタイトルが表すとおり、少女の霊を静めることです。そのためにプレイヤーがやるべき行動は、笑い声をあげながら屋敷の中を走り回る小さな人形を9体集めて、地下のボイラー室で焼き払うこと。屋敷の中を散策し、部屋を開けるための鍵や、火をおこすための薪などを集めつつ人形を探すのですが、ここで忘れてはならないのは屋敷を徘徊する少女・エミリアの存在。彼女に見つかり捕まってしまうとゲームオーバーになるので、エミリアがあげる声や発する光に最大限注意しなければなりません。
ちなみに、色つきの人形をゲットすると、エミリアに捕まった際に1度だけ身代わりになってくれます。ゲームの勝敗を左右する命綱的なアイテムなのですが、人形は1度にひとつまでしか持てないため、燃やす用の人形を拾いたければ身代わり人形と交換するしかありません。身代わり人形を手に入れたときの安心感と、それを手放すときの不安の落差は、ホラーゲームの醍醐味とも言えるヒヤヒヤ感が味わえます。



本作は、いわゆる死にゲーにカウントしてもいいと言えるほど難易度は高く、なかなか簡単にクリアはできません。そこでキーとなるのが、本作の大きな特徴であるマルチプレイモードです。
本作は、最大4人での同時プレイが可能となっており、当然、ひとりのときよりもアイテム集めが楽に進められます。

また、シングルプレイではエミリアに捕まるとそこでゲームオーバーとなりますが、マルチプレイ時は仲間に協力をしてもらうことで、なんと復活が可能。エミリアに捕まったプレイヤーは人形になってしまうのですが、ボイラー室の燃えている焼却炉に飛び込むことで人間の姿へと戻れます。筆者も友人と一緒にマルチプレイをやってみましたが、友人が5回ほど人形になり、友人を復活させるために焼却炉にせっせと薪をくべる不思議なプレイスタイルとなりました。



筆者は今回、Discordでボイスチャットをつなぎながら友人とマルチプレイを遊びました。「寝室の鍵を見つけた!」「地下に(エミリアが)降りてきた!」など、お互いの状況を報告しながらプレイができるので、シングルプレイより段違いに攻略が楽になり、また、「一緒におばけ屋敷を探索している」という遊園地のようなワクワク感も堪能できました。エミリアに襲われた友人の絶叫が聞こえてきたときは、ホラーゲームだということを忘れて思いっきり爆笑してしまいました。

シングルプレイでは、ホラーゲームらしい恐怖とスリルをガッツリと体験でき、マルチプレイではパーティーゲームのような楽しさを体験できる、ひと粒で2度おいしいゲームと言っても過言ではないのではないでしょうか。



ちなみに、「農場」モードでは舞台もミッションもガラリと変わり、とある廃農場に住む恐怖の人食いおじいちゃんから逃げ回ることになります。こちらもかなり怖いです……おじいちゃんの足が速すぎて速すぎて……。
シングルプレイで恐怖を堪能し、マルチプレイでワイワイ楽しんで、「農場」モードも遊べてしまう、1本で何通りもの面白さが味わえる「Pacify」。お値段もお手ごろなので、ぜひ、気心の知れた友だちと一緒に大絶叫しながら、おばけ屋敷探索に挑んでみてください。


4.夏が終わってもホラーゲームは終わらない!


というわけで、おすすめの3作をご紹介しました。

夏と言えば肝試し、というのは日本では昔からの定番ですが、ホラーゲームでゾクッとするのは季節を問わず楽しいものです。まだまだ暑い日は続いていますが、たとえ夏が終わっても、面白いホラーゲームを見つけたらまたどんどん紹介していきたいと思っていますので、どうぞご期待ください!



筆者:百壁ネロ
ゲーム買い過ぎちゃう系フリーライター。現在積みゲー300本以上。小説家でもあります。著作は「ごあけん アンレイテッド・エディション」(講談社)、「母の嘘(「悪意怪談」所収)」(竹書房)。

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