今、リアルライブを再開する決断──「BanG Dream! 8th LIVE 夏の野外3DAYS」直前!ブシロード木谷高明会長インタビュー

2020年08月17日 11:000

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株式会社ブシロードは、「バンドリ!」のライブイベント「BanG Dream! 8th LIVE 夏の野外3DAYS」を2020年8月21日~23日、山梨県、富士急ハイランド・コニファーフォレストにて開催する。

新型コロナウイルス感染症の影響によりここ半年間、大会場にファンを集めてのリアルライブ開催は非常に難しい状況に置かれてきた。ブシロードでも2020年5月3日にメットライフドームで開催予定だった「BanG Dream! Special☆LIVE Girls Band Party! 2020」が延期となったことをはじめ、数えきれないほど多くのイベントに影響が出ている。いっぽう、同社では「D4DJサウンドオンリーライブ」「D4DJ CONNECT LIVE」「少女☆歌劇 レヴュースタァライト -The LIVE ONLINE-」などのオンライン配信に力を入れており、舞台「We are RAISE A SUILEN~BanG Dream! The Stage~」では定点カメラによる動画配信、千秋楽公演の劇場ライブ・ビューイング配信を行なっている。

 

そんなブシロードが満を持して行なう、久々のリアルバンドライブが「BanG Dream! 8th LIVE 夏の野外3DAYS」だ。DAY1にはRoselia、DAY2にはRAISE A SUILEN、DAY3にはPoppin'Party、前島亜美 with RAISE A SUILEN、Morfonicaが参戦する。今回、リアル集客ライブ再始動を決断したブシロード・木谷高明会長に緊急インタビューを行なった。

 

「BanG Dream! 8th LIVE 夏の野外3DAYS」は野外で、最大キャパの約1/4の観客で開催

──「BanG Dream! 8th LIVE 夏の野外3DAYS」の開催が目前に迫っています。ライブでも観客同士の密対策が必要だとされていますが、各日どの程度の動員を予定していますか?

 

木谷 チケット販売状況によりますが、もともとの最大キャパシティ16,000人だったところに、4,000人~5,000人ほどの観客を入れる予定です。

 

──先日、新日本プロレスが、キャパ1万人以上の大阪城ホールに3,000人ほどの観客を入れて試合を行ないました。現地で見た木谷さんはどういう印象を受けましたか?

 

木谷 ディスタンスをとるために空けた座席には、新日本プロレスのライオンのエンブレムを貼ったんですよ。遠目で見る分にはそこまで寂しい印象はありませんでした。ただ大きいのは、声援を飛ばせないことですね。客席からのコミュニケーションは、基本的に拍手なんですよ。リング上で反則攻撃をやっても拍手しかできないんです(笑)。だからライブも、もう少し拍手をする文化が生まれてもいいんじゃないかと思っています。サイリウムを持っているとやりにくいのもあるかもしれませんが。

 

──「BanG Dream! 8th LIVE 夏の野外3DAYS」はキャパシティを半分以下に減らした結果、チケット代にも変更がありました。

 

木谷 一般指定席もプレミアムシートも一律2,000円の値上げをさせてもらいました。

 

──観客数を半分以下に絞っていることを考えると数字としてはペイしないですよね。

 

木谷 各種助成金などにより、一部の制作費がまかなえる可能性はあります。とはいえ、いずれにしても予定通りの数字にはもちろん及ばないですね。

 

──政府からの支援はきちんとあるんですね。意外と表に出にくい話な気がします。

 

木谷 はい、ほかの無観客イベントなどについても、政府からのサポートがあるものもあります。結果としてなんとか今後の開催も視野に入れることができるようになりました。ただ、そもそもイベント開催には費用がかかります。今回の3日間は、現状大赤字です。

 

──以前同会場でRoseliaがライブを行なった際も、火炎放射や噴水、空撮など演出にも非常に手間と予算をかけていた印象です。

 

木谷 そうなんですよね、ライブ・ビューイングでどれぐらい見てもらえるか、という部分にかかってくるとは思います。

 

 

──配信、ライブ・ビューイングといった手法には以前以上に力を入れている印象です。

 

木谷 現地以外で収益を上げる方法については考えるようになりましたね。舞台に関しては以前より収益性が上がったかもしれません。新しいビジネスの可能性が見えてきたのは舞台ですね。

 

──モデルケースになるのは、舞台「We are RAISE A SUILEN~BanG Dream! The Stage~」(以下、RAS)でしょうか。

 

木谷 そうですね。今回千秋楽以外は、実験的に定点カメラでの配信を行ったんですが、それに対して楽しんでくれる人が大勢いたのはありがたかったです。舞台ってね、ちょっとアクシデントがあるのも味になる。靴がぽーんと飛んでいったって、「そういうもの」として思い出に残ったりする。

 

──生モノの舞台ならではで、演者さんの反応を見てしまうと思います。以前、全公演を全通するお客さんがいるとその分舞台を見られる人が減ってしまう、という悩みを話されていましたが、全公演定点配信はその解決にもなりそうです。

 

木谷 新しい人に見てもらうきっかけにもなりますからね。実はRASの舞台も、一度は撮影した映像を配信するだけにしようとなっていたんですが、ギリギリで開催できることになりました。ほんの少しタイミングが違えば「スタァライト」も上演できたと思うので残念ですが、常に情勢を見ながらハンドリングしています。

 



エンターテインメントの使命

──そうしたオンラインでの施策を増やしつつ、「BanG Dream! 8th LIVE 夏の野外3DAYS」では観客数を絞っての現地公演を開催することになりました。まず、ブシロードさんの新型コロナウイルス感染症に対する対応の流れを振り返りたいのですが、イベント開催や出展を延期する、中止するという判断も各社に先がけてのものでした。

 

木谷 2月18日~20日ぐらいにかけて、TCG関連を中心としたイベント開催や出展中止の発表を行ないました。ライブイベントの中止決定はその1か月後ぐらいからです。すぐに中止を決定したのは、新型コロナウイルスとそれが起こす状況が完全に未知のものだったからです。リスクがわからないから、政府方針が出る前に中止しました。

 

──今は状況が変わった?

 

木谷 ある程度リスクと対策がわかってきたと考えています。決して甘く見るわけではないですが、いつまでもただ自粛を続けるだけでいいのか。エンターテインメントの使命はお客さんに生きる喜びや楽しみ、日常を忘れられる非日常感を届けることだと思っているんです。生きるうえでの潤いがないと乾いてしまう。ライブやイベントで感動したり、楽しい、嬉しいという経験や気持ちは心と身体の健康にもいいと思うんです。我々はそのために存在しているので。

 

──そこは配信だけでは埋められない?

 

木谷 イベントって事前に準備して、家を出て、会場につくまでドキドキして、ライブが終わったら感想を話しながら帰るまでのものだと思うんです。この全てを含めた経験というのはやはり配信だけでは再現できない。だから政府指針で許される範囲で、その体験をまた味わってほしいと思っています。

 

──大規模なライブの再開に先鞭をつけるのは勇気がいるし、リスクもあることだと思います。

 

木谷 それは(2月に)最初にイベント開催をやめると決めた時にもリスクはあったし、勇気が必要でした。ほかはどこもやめていない状況で、うちはやめると決めたんですから。それは再開も同じです。ほかはどうしているのかなというのを見て、周りに合わせて決めるのは男らしくないじゃないですか。当然いろいろな意見をもらいますが、政府方針に従いつつ、慎重に決めています。

 

──大型ライブ再開の場に、富士急ハイランド・コニファーフォレストという会場を選んだのは、意図してのものでしょうか。

 

木谷 やはり野外というのは大きいですね。屋外でマスクをしてルールのもとでライブを行なえば感染リスクはかなり抑えられると思います。

 

──ライブ再開に向けての今の心境はどんな感じでしょう?

 

木谷 再開できて嬉しいとかの前に、とにかく今は無事に開催できてほしいという気持ちだけですね。

 

──出演するキャストさんたちは、かなりしっかりと準備と練習を重ねられたのでは?

 

木谷 そうですね。ただライブがなかったじゃないですか。ある意味本番が一番の練習という部分があるので、実戦の勘を戻すのは大変だろうなと思います。年間に開催されるライブの頻度が高いのではというお声もいただくんですが、定期的にライブを行なうのがコンディションを保つには一番いいんです。

 



キャラとキャストの成長する瞬間を共有できるのがMorfonicaの魅力

──新バンド・Morfonicaは今回のDAY3が初ステージです。

 

木谷 本当は5月1日に舞浜アンフィシアターで単独イベントをやって、5月3日にメットライフドームでオープニングアクト、そして8月23日のコニファーフォレストを経て、満を持して10月7日に単独ライブ「Morfonica 1st Live『Cantabile』」を開催する予定でした。ですが昨今の状況で予定通り全ての公演を開催することが難しくなってしまった。その結果、8月23日の「BanG Dream! 8th☆LIVE」が初めてのライブ出演ということになってしまいました。ただ、8月23日、そして10月7日の単独公演は予定通り開催し、皆様にもMorfonicaを見届けていただきたいと考えています。

本人たちも、このライブに向けて懸命に取り組んできているわけですから。

  

──Morfonicaの結成やライブ準備にまつわるエピソードがあれば教えてください。

 

木谷 最初に5人のキャラクターデザインを見た時の正直な印象はバイオリン(を弾くキャストは)どうしようか、でしたね(笑)。しかもバイオリンの八潮瑠唯はクールな印象のキャラクターじゃないですか。バンドリ!プロジェクトは、できればリアルとキャラクターのビジュアルのイメージもなるべくリンクさせたい。なのでこれは難易度が高い、となりました。

 

──Ayasaさんはインターネットに「弾いてみた」動画などをアップされていて、その中に「バンドリ!」の楽曲もありましたね。そのことはご存知でしたか?

 

木谷 キャスティング会議で、あーでもないこうでもないと話している時に、当然こういう人がいるらしいという話は出たんですが……。さすがに無理ですよね……という空気で。なので、一応声をかけるだけかけてみようよと話したんです。そしたらなんと、エグゼクティブプロデューサーの都田和志さんが事務所の社長さんと過去お仕事仲間だったという話になりまして、最終的に八潮瑠唯を演じていただけることになりました。

 

──バイオリンを入れようというアイデアはどのあたりから出てきたんでしょうか?

 

木谷 Craft Eggさんのキャラクターデザインからですね。これだけバンドの数が増えていますから、Craft Eggさんたちゲームチームも、Elements Gardenさんたち音楽チームも、楽器に変化があった方が個性をつけやすいのではないかなと考えた結果だと思います。

 

 

──そして毎度難航するのがドラムだと思います。

 

木谷 ドラムはバンドの柱ですからね。どうしようとなった時に、普段Poppin’Partyの大橋彩香さんや、Roseliaの櫻川めぐさんにドラムを教えてくれている先生にお願いしたらどう? という話が出てきました。それで(先生の)mikaさん本人に聞いてみたらすごくやりたいですと。どうもmikaさんは、女性ドラマーの先輩として同じ事務所所属でもあるRAISE A SUILENの夏芽さんに以前から憧れがあったようで。実はmikaさんはPoppin'Partyのステージでドラム叩いたこともあるんですよね。

 

──あ、日本武道館であった「BanG Dream! 7th☆LIVE」のサポートドラムさん!

 

木谷 そうなんです。そして、ほかのバンドとの差別化のためにボーカルを進藤あまねさんにしました。演じる倉田ましろと同じ高校1年生であり、ここからバンドを組んで成長してこうという、キャラクターとのリンクや、フレッシュさの一致も大きな魅力だと感じています。

  

──若い才能に成長とチャレンジの場を用意して化けることに期待する。なんとなく「デ・ジ・キャラット」以来の木谷さんのメソッドなのかなと思いました。

 

木谷 そうですね(笑)。進藤さんはまだ高校1年生ですから、今後の彼女の成長が本当に楽しみですよ。Morfonicaでは、桐ヶ谷透子役・直田さんのエレキギター、そして、広町七深役・西尾さんのベースも初挑戦で、そんな2人も今すごく成長しています。キャラクターと声優が一緒に成長している今のこの瞬間を、皆様とも共有できて、そして楽しんでいただけるのもMorfonicaの魅力のひとつですね。これも、バンドリ!プロジェクトでしかできない、まさにキャラクターとリアルがリンクするひとつのかたちです。

  

──「BanG Dream! 8th LIVE 夏の野外3DAYS」はMorfonicaにとって初めてのライブ、そして演者、バンドリーマーの皆さんにとっても念願の特別なライブだと思います。当日に向けてファンの皆さんにひと言お願いします。

 

木谷 会場にお越しいただく方も、ライブ・ビューイングでご覧いただく方も、そしてステージに立つ本人たちも、一生忘れないライブになるんじゃないかと思います。自分が生きてるんだってことを実感できるんじゃないかな。それを見て、体験して、感動して、明日への活力にしてほしいと思います。演者たちもすごい熱量でライブを楽しみにしているので、期待してください。

 

(取材・文/中里キリ)

 

【イベント情報】

■「BanG Dream! 8th☆LIVE」夏の野外3DAYS

・会場:富士急ハイランド・コニファーフォレスト

・日時:2020年8月21日(金)、22日(土)、23日(日)

開場15:30/開演17:00 予定

※全公演共通です。

※開場・開演時間は変更の可能性がございますのでご注意ください。

・公演名、出演者

DAY1:Roselia「Einheit」

DAY2:RAISE A SUILEN「THE DEPTHS」

DAY3:Poppin'Party、前島亜美(Pastel*Palettes 丸山彩役) with RAISE A SUILEN、Morfonica「Special Live ~Summerly Tone♪~」

・チケット料金:プレミアムシート(特製グッズ付き)  20,000円(税別)、一般指定席 11,000円(税別)

 

 <一般販売情報(先着順)>

・受付期間:8月15日(土) 10:00~(※なくなり次第終了)

・受付URL:http://r-t.jp/bgn8th

 

<リセールについて>

チケットをご購入頂いたお客様がやむを得ずご来場いただけなくなった場合、そのチケットを希望する方に定価にて再販売するリセールサービスを実施しております。

本サービスでは、チケット購入後に観覧に行けなくなった場合、「出品」のお申し出を頂くことで、そのチケットを観覧に行ける別のお客様に再販売し、再販売が成立した場合のみ、 チケット券面価格の100% を譲渡者の方に払い戻します。

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※電子チケットについて

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※電子チケットでのリセールについて

https://ticket.rakuten.co.jp/features/eventgate/resale.html/

 

リセールスケジュール

リセール受付(出品):8月16日(日) 18:00 ~ 8月18日(火) 9:59

リセールチケット販売:8月19日(水) 18:00 ~ 8月20日(木) 23:59 ※クレジットカードのみ

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