「六神合体ゴッドマーズ」の戦闘メカ「パンドラ」(バンダイ製)を組み立てて、“作画と模型の関係”を考えよう!【80年代B級アニメプラモ博物誌】第2回

2020年08月15日 11:001

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気をつけろ! 説明書は、けっこう口うるさいぞ!!


まず両腕の組み立てから入るのだが、説明書には腕ではなく“つめ”と書かれている。劇中では、つめの先端がふたつに割れて、ガイヤー(ゴッドマーズに合体する前に主人公タケルが乗るロボット)をガッチリとつかまえたりするのだが、そういうギミックはない。モビルアーマーのキットみたいに、同じスケールのガイヤーを付ければプレイバリューが増すと思うのだが、あんまりそういう方向へは行かないキットらしい。スケール表記もないし、「じゃあ何だ? どこを楽しんだらいい?」という疑問がわくが……。まあ、とにかく説明書どおりに組んでいこう。

▲腕というか“つめ”の組み立て。左右・上下に分かれたパーツをひたすら箱組みして、その接合部に丸い軸があれば、そりゃ可動するよね。とは言え、ミサイルが並んだような板状のパーツは、外殻に合わせて角が湾曲していたり、それなりにていねいなつくりではある


▲白鳥のような不思議な形状の首も可動するのだが……説明書には「向きに注意!!」との注意書き。変なところで繊細なつくりになっている。よく見ると首の横に穴が開いていたり、独特のデザインであることがわかる

▲尾の組み立て。円柱状の先端部と箱状の基部を、細いパーツで繋いで可動させるのだが、この細いパーツは「穴が上になる」との注意書き。なるほど、側面のフィンに傾斜がついている。作画のデリケートな描線を、懸命に立体として再現しようとした意欲的なキット……にも見えるのだが、どうなんだろうか。まだ油断はできない

▲「宇宙戦艦ヤマト」の頃から、ふと油断するとバンダイはこの台形のベースを付けてくる。しかもこのキットでは、支柱のパーツが左右ふたつに分かれている。それなりに重みがかかるということなんだろうか? ここにパーツを割くなら、同一スケールのガイヤーでも付けたほうがよかったような気がするが……? このベースには「パンドラ」と、碑のように名前が刻印してある

「ゴッドマーズ」の敵メカシリーズには手足のついたロボットらしいキットもあるのだが、本キットに限っては、「戦艦」「戦闘機」に近いコンセプトのようだ。ロボットのキット化で迷ったら、「ヤマト」の時代に戻ればいい。「ヤマト」プラモデル時代のノウハウが、ガンプラブームの渦中でも生かせる……これは、当時のバンダイの強みだったと思う。いやいや、そうは言っても頭と尻尾と腕があるんだから、戦艦じゃなくてロボットじゃないの?と、割りきれない気持ちのまま、完成へと向かうのであった。

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六神合体ゴッドマーズ

六神合体ゴッドマーズ

放送日: 1981年10月2日~1982年12月24日   制作会社: トムス・エンタテインメント
キャスト: 水島裕、富田耕生、石丸博也、川浪葉子、鈴置洋孝、塩屋翼、山田栄子、納谷悟朗、三ツ矢雄二、鵜飼るみ子、野島昭生、曽我部和恭、榊原良子
(C) 光プロダクション・TMS

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コメント(1)
ソウキソウキ2021/03/01 13:14

細部への見方が良いし、しっかりと評価や批判がされていて、キットへの愛情が感じられます。 アニメ制作現場の事情も伺えて、とても面白い記事です。 あ、「ゴッドマーズ」は「全然動かないロボットアニメだなぁ」と思ってました。

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