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「Realize」は、いろいろなことを背負っているスバルに、自分自身の思いを重ねて歌いました
── では、次に8月26日にリリースされる「Realize」についておうかがいします。TVアニメ「Re:ゼロから始める異世界生活 2nd Season」のオープニングテーマです。第1期の1クール目に続いてオープニングテーマを担当することになりましたが、今回はどのような曲を作ろうと考えましたか? 鈴木 私も含めて「Realize」の制作に関わった人たちに共通してあったのは、「いろいろなものを背負って生きてきた人の歌」ということでした。スバルは2nd Seasonになって、さらに腹をくくらなければならない場面が増え、グッと大地を踏みしめて仁王立ちしているようなイメージがあったので、それを歌でも表現したいなと。私自身にも最近、大きな環境の変化があって、さらにたくさんの人の思いを背負いながら音楽活動をしている感覚があるので、スバルと自分を重ね合わせた部分もありました。
── 「Realize」はすごくシリアスな曲という印象がありました。 鈴木 曲が持つ重みは、1st Seasonのオープニングテーマ「Redo」よりも増したと思います。「Redo」は、ここからスバルの異世界生活が始まるという場面で、何も持っていない人が、あがきながら最初の一歩を踏み出すというイメージで歌ったんですけど、「Realize」はいろいろな経験を越えて、心に感情を溜め込んできて、今度こそかなえてやるという、より強い気持ちを感じました。自然にレコーディングにも、ものすごく気合いが入りました。
── スバルの気持ちに寄り添って歌うことができたと? 鈴木 そうですね。「Re:ゼロ」の曲を歌うときはいつも、スバルの想いを背負って歌っている部分が大きいです。TVアニメも、レムかわいい!ベアトリスかわいい!という気持ちもありつつ、どうしてもスバルに感情移入して見てしまいますね(笑)。
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── それと同時に、4年前にリリースした「Redo」と比べて、鈴木さん自身の成長も「Realize」には入っていると思います。 鈴木 成長と言えるかどうかはわかりませんが、声質は4年前と比べてかなり変わったと思います。「Redo」よりも重みのある「Realize」は、今の自分だからこそ歌えたのかなと。トラックにも説得力があるので、ボーカルにもそれに負けない説得力を持たせたいと思いました。
── レコーディングは大変だったのでしょうか? 鈴木 いえ、苦労したという感じはまったくなかったです。大きなものを背負って冷静に心を燃やし、今度こそは目的を果たしてやるというスバルの思いに、私の心が自然にリンクしていたからか無心で歌うことができました。よくスポーツで、ゾーンに入ったと言うことがありますが、まさにそういう感覚があって(笑)。頭の中では理性的に歌詞の意味を解釈していたんですけど、心は無我の境地という感じでした。
── ジャケット写真も大人っぽいというか、大迫力ですね。 鈴木 燃えています(笑)。もともとは別のアイデアがあったんですけど、デザイナーさんに曲を聴いていただいたら、「楽曲の主人公の心の中が、激しく燃えている感じがします」と、炎を背負ったジャケット写真を新たに提案してくださいました。
── カップリング曲「A Beautiful Mistake」は、一転して明るくポップな曲でした。こちらは、鈴木さんが作曲されたんですよね。 鈴木 はい、作らせていただきました。「Realize」は音数が多くて重めのサウンドだったので、逆にシンプルなメロディで、聴いてくださった人の背中をバシッと叩いて元気づけるような曲にしようと思いました。
── 作詞は、数々のアニメ系アーティストに楽曲提供している草野華余子さんです。 鈴木 歌詞には、明るさ、前向きさにプラスして、ここで挫けてたまるか! みたいな人間味のある要素が欲しいなと思って(笑)、草野華余子さんなら、それを書いてくださるだろうなと。華余子さんにはアルバム「Shake Up!」のときに作曲でお世話になって(編集部注:「あなたが笑えば」)、そのとき、一緒に食事に行っていろいろお話しすることができたんです。すごくパワフルでエネルギッシュな方だなというイメージがあって、あの熱量を歌詞に入れ込んでいただきたいなと思い、お願いしました。
── 草野さんとは、今回、どのような話をしたんですか? 鈴木 私がステイホーム中に感じたことを、いろいろお話しました。今までなかった環境に、急に身を置くことになったじゃないですか。もちろんリモートでお仕事はできるんですけど、ひとりでいたらできないこともたくさんあって悔しかったですし、この状況に自分の心が試されている感じがしていたんです。「A Beautiful Mistake」の歌詞は、私のそんな思いに対する、華余子さんからのアンサーだと思いました。ミスすることを恐れなくてもいいし、ミスすること自体も自分にとっての解決法なんだよという、ポジティブな思考を分けていただいたような気がします。
── 「いざ 背筋伸ばしてミステイク」という歌詞がいいんですよね、堂々としていて。 鈴木 スカッとしますよね。力強いけれど気負ってなくて。サウンド自体もドラムの音が軽快で、走らなきゃという気分にさせてくれますし、私自身が元気づけられる曲になりました。