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幻の曲がボーナストラックとして収録されたDISC2
── DISC2は、1994年3月リリースの2ndアルバム「See-Saw」の収録曲に、3曲が加わった内容です。2ndアルバム「See-Saw」は、お2人にとって、どのような作品でしたか? 石川 この頃のSee-Sawは、楽曲作りのクオリティが上がっていく中で、楽曲のアレンジ面のうえでは、いろんな方と手を組んで制作していたイメージです。正直、楽曲によっては、梶ちゃんのデモのアレンジのほうがよかったなという曲もあって、そういった感覚的なことを大事にせねばと思ったアルバムでした。
梶浦 方向性の模索が、また違う舵を切ったという感覚がありました。私たち自身も、そしてSee-Sawのことを思ってくれていた周囲の人たちも、よくも悪くもまだSee-Sawの聴かせ方、見せ方に悩んでいた、そんなことが見え隠れする2枚目ですね。
── 9曲目の「また会えるから」は、活動休止前の最後の曲ですね。ゆったりとしたテンポで、異国情緒のあるメロディと、悠久を感じさせる歌詞が特徴です。 石川 「また会えるから」は映画「ルビーフルーツ」のテーマ曲でした。セクシャリティーを越えた壮大なストーリーで、このような作品の音楽をSee-Sawが担当するのかと驚いたものです。去年の17年ぶりのSee-Sawライブでこの曲を歌いましたが、この「また会えるから」だけは、今歌うほうが気持ち的にも、世界観をより感じられて、しっくりきました。
梶浦 当時のSee-Sawは「ともかく明るい曲を書いて!」という周囲からのプレッシャーがすごかったのですが(笑)、この曲は「ルビーフルーツ」という作品のテイストもあり、当時よく聞いていたニューエイジな感覚を少し曲に盛り込むことができて、楽しかったですね。
── ボーナストラックの10曲目「新しい予感 ~Only at JUSCO~」は、今回が初CD化となります。ショッピングセンター「ジャスコ」(現・イオンモール)のテーマソングという異色の曲で、当時のジャスコを知る年代にとってはなじみ深く、懐かしいです。 石川 正直あまり記憶がないのですが、いつもとは違うCM制作スタッフに囲まれて、環境的には緊張を強いられた印象しか思い出せないです。このアルバムに入るということで久しぶりにフルを聴きましたが、「ジャスコ」に寄り添ったポジティブ楽曲になっていて感動しました。
梶浦 「ジャスコ」というカラーの元に作るのでむしろ振り切って楽しく作れました。記憶がもはや曖昧ではありますが、作曲やアレンジに苦労した覚えはありません。レコーディングしている途中で「ギター欲しいよね!」となり、その場で西川進さんを電話で呼び出して弾いていただいたのもよい思い出です。
── ほかにDISC2で、思い出深い曲を上げるとしたら、どれでしょうか? 石川 「たった一人のあなたへ」という曲が入っておりますが、こちらは当時のメンバーであるベースの西岡(由紀子)さんが作った、素直なバラード曲です。See-Sawが3人編成だった頃、彼女の音楽のバックボーンから作り出す曲は、梶ちゃんの世界観とはまた違ってPOPな印象がありました。それぞれの料理を食べるような気持ちでこの頃は歌ってました。