【インタビュー】「光と闇」をテーマに、安田レイが美しく歌い上げる新曲「through the dark」

実体験をもとに書いた歌詞は、やはり強いなと思いました

──「Re:I」については、アキバ総研では今回初めて語っていただいたので、収録曲の中からアニメタイアップの2曲についても、お話を聞かせていただけますか？　まずは「blooming」。TVアニメ「レイトン ミステリー探偵社 ～カトリーのナゾトキファイル～」のオープニングテーマです。

安田　「レイトン ミステリー探偵社」は子どもから大人まで楽しめるアニメだったので、「blooming」のシングルをリリースしたときのインストアライブは、いつもよりかわいいお客様が多かったのがうれしかったです。「blooming」は自信を失いがちな女の子を主人公にした歌詞で、女の子らしい、かわいい言葉を意識してセレクトして書いていったのが印象に残っています。

── もうひとつの「きみのうた」は、TVアニメ「夏目友人帳 陸」のエンディングテーマです。「夏目友人帳」は長期にわたって続いているシリーズですね。

安田　「きみのうた」の歌詞は私を含めた3人の共作です。もう会えない人を想う曲で、アニメのストーリーに寄り添った内容でもあるんですけど、私自身は祖父を思い浮かべながら書きました。小さい頃からおじいちゃんっ子で、一緒に過ごす時間が多かったんです。私は日中に考えていることが夢に出てくることが多くて、祖父とも夢で会えるんですね。歌詞に出てくる「夢のなか」は、そんな私の経験をもとに書いたワードです。

── 「きみのうた」は、MVがドラマ仕立ての大作になっていました。

安田　11分を越えるMVで、もはやショートフィルムです。使い捨てカメラの「写ルンです」が重要なアイテムになっていて、フィルムを使い切ってしまうと、大切な人との別れがやってくるというストーリーです。主人公の女性は、死んでしまった恋人の想い出を胸に前に進んでいこうとする人で、勇気のある選択をしたんだなと、しみじみと感動しました。私がこの状況にあったら、なかなか前に進むことができないで、ずっと想い出に浸っているだろうなと（笑）。


── 「夏目友人帳」の物語があり、安田さんとお祖父さまの思い出があり、MVがありと、いろいろなドラマを含んだ曲になりましたね。

安田　やはり実体験を歌詞にすることほど、強いことはないだろうなと思いました。フィクションで飾るにしても、ベースにはしっかり実体験があって、人の心に届く歌をこれからも歌っていきたいですね。

安田レイプロフィール

1993年4月15日、アメリカ・ノースカロライナ州生まれ。
13歳で音楽ユニット「元気ロケッツ」に参加。20歳を越えた2013年7月に、1stシングル「Best of My Love」（TVアニメ「宇宙戦艦ヤマト2199」エンディングテーマ）をリリースし、ソロシンガーとしてデビュー。
「魔法科高校の劣等生」エンディングテーマ「Mirror」、「夏目友人帳 陸」エンディングテーマ「きみのうた」、「レイトン ミステリー探偵社 ～カトリーヌのナゾトキファイル～」オープニングテーマ「blooming」など、数々のTVアニメ主題歌を歌う。
2020年3月18日に、3rdアルバム『Re:I』をリリース。

CDデータ

■TVアニメ「白猫プロジェクト ZERO CHRONICLE」エンディングテーマ「through the dark」


〈収録曲〉
DISC 1

1. through the dark
2. true colors
3. through the dark -Instrumental-
4. true colors -Instrumental-

DISC 2
「through the dark」Music Video
「through the dark」メイキング映像

〈収録曲〉
1. through the dark
2. true colors
3. through the dark -Instrumental-
4. true colors -Instrumental-

〈収録曲〉
DISC 1
1. through the dark
2. through the dark -アニメサイズ-
3. through the dark -Instrumental-

DISC 2
 TVアニメ「白猫プロジェクト ZERO CHRONICLE」ノンクレジットエンディング


（取材・文／鈴木隆詩）