【Steam】ゲームの中なら「密」OK!?わちゃわちゃ密集系PCゲーム特集

2020年05月23日 12:000

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アキバ総研をご覧の皆さま、いかがお過ごしでしょうか。

ゲーム買いすぎちゃう系ライターの百壁ネロでございます。先日、友人とDiscordで通話をしながら「チックタック:二人のための物語」という、2人で会話をしつつ謎を解く脱出ゲームで遊びました。いわゆる「3密」を避けながら過ごしている昨今、なかなか友人と気軽に会うこともかなわない日々であるがゆえに、一層ゲームが面白く感じられました。

そんなわけで、今回はゲームの中だけでも「密」を楽しもうということで、人やキャラクターがわちゃわちゃと入り乱れる、名付けて「密集系ゲーム」をご紹介していこうと思います。



1.ステージが自作できる、かわいい手描きのモノ探しゲーム「Hidden Through Time


  • メーカー名:Crazy Monkey Studios
  • 発売日:2020年3月12日
  • 価格:899円(2020年5月17日現在)

「ウォーリーをさがせ!」という絵本をご存じでしょうか。小さな人物が大量に描かれたページの中から、赤白ボーダーシャツと丸ブチ眼鏡が特徴的なウォーリーというキャラクターを探すゲーム絵本で、日本では80年代後半から90年代前半に大流行しました。筆者は、まさに幼少期にブーム直撃だった世代なので、来る日も来る日も飽きることなくウォーリーを探し続けていたことを覚えています。大人になった今でも、ふっとあの頃のウォーリー探しの楽しさを思い出すことがあるのですが、そんな筆者のような人にもってこいのゲームが、この「Hidden Through Time」です。


(C) 2020 Crazy Monkey Studios


本作は、カラフルでやわらかいタッチの手描きイラストで描かれたモノ探しゲームです。
ゲームの進行はステージクリア型となっており、各ステージに用意されたターゲットを探し、一定数のノルマをクリアすることで次のステージがアンロックされていく仕組みになっています。すべてのターゲットを探さないと、次に進めないというわけではないので、そのあたりは親切設計だなと感じました。



マップのテーマは石器時代、エジプト、中世、ウエスタンが用意されています。そう言えば「ウォーリーをさがせ」シリーズでも、ウォーリーが石器時代やエジプトを舞台に旅をしていました。「サスペンスドラマといえば断崖絶壁!」みたいな感覚で「モノ探しゲームといえば石器時代!」が、もしかしたら定番なのかもしれません。



「ウォーリーをさがせ!」では人物を探すことが基本的な目標でしたが、本作は人物以外にも動物や日用品などさまざまなモノが、探すべきターゲットとして設定されています。恐竜などの大きなサイズのモノであれば比較的簡単なのですが、カタツムリや石ころなどがターゲットの場合はかなり大変。本当に目を皿のようにして探さなければなりません。
というわけで、さっそく実際にプレイ。ステージ1の画面がこちらです。



まさに絵本のようなかわいさ! 静止画では伝わりませんが、実際の画面では人や恐竜が常に細かくアニメーションで動いてくるので、一層かわいらしく、見ているだけでも楽しい雰囲気になっています。

さて、肝心のステージの方ですが、お肉と槍は簡単に見つけることができましたが、卵がどこにもありません……。

しかし、そこで筆者に圧倒的ひらめきっ……!

 


そうなんです。本作は、テントや家などの建物をクリックすることで、内部を調べることが可能なんです。この感覚は、単なるモノ探しゲームというよりも、かくれんぼゲームと表現したほうがしっくりくるかも知れません。

難易度は、こういったゲームのお約束として、進めば進むほど上昇していきます。探さなければならないターゲットの数は増え、マップは1画面に収まらないほど広くなるため、マウスによる画面スクロールと、マウスホイールでの画面の拡大・縮小を駆使することが必須となります。こうなってくると、もはや画面のわちゃわちゃ感は、「密」にもほどがあるというレベル。見ている分には楽しいですが、探すのはなかなか大変です。

とは言え、本作には時間制限やミスによるペナルティはなく、さらにターゲットごとにヒントテキストも用意されているので、じっくりのんびり、時間をかけながら楽しむのが正しい遊び方と言えそうです。ちなみに余談ですが、このヒントテキスト、クスッとできるパロディネタがあったりとなかなか面白いので、ぜひすべて読んでみていただきたいです。



本作は、モノ探しゲームとしては非常にオーソドックスな作りとなっており、また、操作も難しくないため、誰でもすんなりとゲームに入っていけるのが大きな特徴。小さなお子さんと一緒にのんびり遊ぶのもよさそうだなと感じました。 また、ステージを自作して公開したり、世界中のプレイヤーが作ったステージをダウンロードして遊んだりといった、クリエイティブなオンラインモードがあるのも本作の特徴です。つまり、実質、無限に遊べてしまうんです! 子どもの頃に夢見た無限ウォーリー探しが、このゲーム一本で現実のものに……!
というわけで、さっそく筆者も作ってみました。題して「クレオパトラをさがせ」です。



どうですか、この密っぷり!
……いやー、僕こういうステージ自作系のゲームって、とにかくひたすらいっぱい並べたくなっちゃうんですよね……マリオメーカーでもドッスンだらけのステージとか作りましたし……。はい、センスを磨きます……。

2.あまりにも「密」! 大混雑パズルアクション「群衆シミュレーター


  • メーカー名:ZHANG FAN, SHEN JIAWEI
  • 発売日:2019年9月24日
  • 価格:100円(2020年5月17日現在)

陶芸や毛筆など、Steamにはさまざまなシミュレーターゲームがひしめいていると、以前、特集でご紹介しましたが、今回、新たな変わり種シミュレーターゲームを見つけてしまいました。

何を隠そう、それがこの「群衆シミュレーター」です。


(C) 2019 ZHANG FAN, SHEN JIAWEI


本作は、シンプルなモノトーンのグラフィックが特徴的な、11種類の「混雑したシチュエーション」を体験するゲームです。シミュレーターというタイトルではあるものの、内容としては、ちょっと頭を使うパズルアクションといったところ。

操作するキャラクターは、人気インディーゲーム「ヒューマン フォール フラット」を彷彿させる、物理演算が使われたふにゃふにゃの人間です。結構クセがあるので、操作に慣れるまでにはひと苦労!


用意されているシチュエーションは、

「大混雑しているエレベーターになんとかして乗り込む」
「大混雑している地下鉄になんとかして乗り込む」
「大混雑している地下鉄からなんとかして降りる」
「大混雑している通りをなんとかして抜ける」

といった、ラッシュ時の新宿駅や土日の原宿・竹下通りなんかで実際に体験できそう(というか体験したことあります)なものから、「羊の大群をかき分けて牧場から脱出する」「羊を盗もうと次々にやってくる泥棒の大群をなぎ倒す」といったシュールなシチュエーションまでさまざま。

というわけで、筆者が特に注目したステージをピックアップしてご紹介していきましょう。



まずは満員電車に乗り込むステージ。

これはプレイして、筆者は完全に会社員時代を思い出しました。実際はこれだけ混んでいたら危ないのであきらめて次の電車をおとなしく待ちますが、しかし、これはゲーム。なんとしても乗らなければならないのです。

人の隙間に入るべく、左右にちょっとずつ揺れ動きながら前進し、ぐいぐいと肩を入れ込みます。人混みに押されて弾かれてしまわないように、前進するためのキーからは決して指を離しません。そして、ついに……。



「ドン勝」ならぬ「勝つ」! ……まあ、日本語訳が不自然なのはご愛嬌ということで!

しかし、ゲームだというのに、現実で満員電車に乗り込むときと同じような、「乗りたいけどつらい……つらいけど乗らなきゃ終わらない……ああ、一刻も早くこの時間が過ぎ去ってほしい……」という、あのなんとも言えない気持ちを体験できてしまいました。そういう意味では本作は、やはりシミュレーターなのです。



続いて、その逆。人混みをかき分けて満員電車から降りるステージです。

これは、ちょっとだけでも空間が空いている場所を目ざとく見つけて、そちらに向かって自分の体をねじ込むように進んでいくのがコツ。現実なら「降ります!」と宣言して、場所を空けてもらいつつ、どうにかこうにか降りることができますが、本作では当然そんなことはできないので、己を信じて出口に向かって突き進んでいくしかないのです。



続いてこちら。画像では若干わかりにくいですが、これは画面中央にいる羊を狙いにやってくる泥棒の大群を次々と蹴散らしていくステージ。死屍累々という言葉がここまでしっくりくるゲーム画面もなかなかないと思います。

泥棒たちがなぜ羊をそんなに盗みたがっているのか、なぜそんなに大勢でやってくるのか、なぜちょっと触れただけで盛大に吹っ飛ぶのかなど、プレイ中は疑問がノンストップで湧いてしまいますが、とにもかくにも目の前に湧く泥棒たちをしばき倒すことに集中しましょう! ここまでご紹介した、群衆の中をかき分けて進むタイプのステージとは違った趣向のステージとなっていて面白かったです。



最後にご紹介するステージはこちら。サメが棲む海に浮かぶ孤島で突如開催される、「おしくらまんじゅうデスマッチ」ステージ。これまでのシチュエーションと比べると群衆の規模は小さめですが、しかし押し合いにかける本気度はマックス。なぜなら、負けは即ち死を意味するから!

基本的に島の中央をキープすることを意識しつつ、島の端で落ちそうなヤツがいたら攻めに転じて積極的に押しにいくことも重要となってきます。しかし、定期的に現れる巨大なクジラには要注意! 海から跳ね上がってクジラが島を飛び越えていくときに、その衝撃で大きく動かされてしまいます。

単純なようで意外と駆け引きがアツいステージとなっており、これはもしもオンラインでフレンドとプレイできるようになったら楽しそうだなと感じました。


人混みのイライラ感と、それを突破・攻略したときに感じる爽快感をギュッと凝縮し、ミニゲームに落とし込んだ印象の「群衆シミュレーター」。シュールで笑える要素も多いため、YouTubeやTwitchなどで実況を配信してみても盛り上がりそうです。

3.仲間を集めて大きくなれ! キュートな動物たちの暴動アクション「Anarcute


  • メーカー名:Anarteam
  • 発売日:2016年7月12日
  • 価格:1,480円(2020年5月17日現在)

今大人気の「あつまれ どうぶつの森」ですが、その魅力のひとつは、やはりタイトルにもある「どうぶつ」の擬人化の妙にあると筆者は感じています。動物をかわいくキャッチーに擬人化したキャラクターは世界中に数え切れないほど存在しますが、日本における動物擬人化の最古参といえば、国宝でもある鳥獣戯画。筆で描かれたウサギやカエルの絵を教科書などで見た記憶がある方も多いと思いますが、なんと今から800年以上昔に作られた作品ということで、動物擬人化文化の深さをありありと感じてしまいます。 というわけで、本作「Anarcute」は、擬人化された動物たちが大活躍するゲームです。



本作の舞台は、恐ろしい洗脳警察によって支配されてしまった世界。悪の洗脳警察を打ち破り、世界に平和を取り戻すべく、住民である動物たちが仲間を集めて立ち上がるというストーリーとなっています。 キャラクターやステージ、ゲームのUIのデザインなど、全体的にカートゥーンチックなビジュアルが特徴的な「Anarcute」。洗脳者を倒すために暴動を起こすというシリアス気味なテーマでありながら、ゲームの雰囲気は明るくポップ。かわいくキャッチーなBGMもプレイを盛り上げてくれます。



本作は、見下ろし型の3Dアクションゲームです。動物の集団を操作して「敵から旗を奪う」「建設物を壊す」など、ステージごとに設定された目標を達成すればクリアとなりますが、そのためには仲間を集めて戦力を増やす必要があります。仲間はステージ中で立ち尽くして眠っていたり、捕まって檻にとらわれていたりしますが、近づいて救出することで集団に加入させることが可能。助ければ助けるほど集団のサイズがどんどん大きくなっていきます。この感覚は、Switchでリマスター版も出た名作「塊魂」に近い気持ちよさ! 筆者的には、大好きなゲームであるPSPの名作「バイトヘル2000」の中の「デモ行進」や、PS3の「The Last Guy」を思い出し、懐かしくなりました。


(C) 2016 Anarteam


仲間を集めて自分の集団がどんどん大きくなっていく様子は見た目にもインパクトがあり、遊んでいてテンションが上がっていくポイントですが、同時に本作最大の攻略の肝にもなっています。 集団の人数は、そのままプレイヤーの体力となっており、洗脳警察とポカポカ殴り合いをする内に自軍の動物たちが全員倒れてしまうと敗北となってしまいます。また、集団は、パトカーや自販機などステージ中のオブジェをひとりにつきひとつ持ち上げることができ、遠距離から投げて攻撃することが可能。さらに、人数が一定に達すると、衝撃波を出したりビルを倒したりといった特殊アクションもできるようになります。つまり、人数=体力であると同時に、人数=攻撃力でもあるわけです。まさに「数は力」といったところ。



集団を大きくして強くなっていく感覚と、敵をうまく倒せたときの快感が心地よい本作ですが、筆者のお気に入りのポイントは、ちょっとシュールな背景の文字表現。 東京が舞台となっているステージでは建物の看板に日本語が使われているのですが、「素晴らしい」「申し分無い」「致死量」「好ましい硝酸」など、クセが強すぎる言葉のチョイスがプレイ中とにかく目を引きます。「好ましい硝酸」とか、たぶんこのゲーム以外で目にする機会、一生で一度もないですよ……。



先述の「塊魂」のようなアクションゲームが好きな方以外にも、このキュートでシュールな、ちょっと毒のある世界観にグッとくるものがある方はぜひ、実際に遊んでみていただきたい作品です。

しっかり「密」を控えつつ、おうち時間でゲームを楽しもう!


というわけで、わちゃわちゃ感が魅力の3作をご紹介しました。
先日、筆者のもとにもいわゆるアベノマスクが届き、改めて、今は「密」を避けなければならない状況なんだと強い実感を得ました。「密」を控えなくても安心できる日が一刻も早く来ることを祈りながら、今はおうち時間でゲームを楽しんでいきましょう!



筆者:百壁ネロ
ゲーム買いすぎちゃう系フリーライター。現在積みゲー300本以上。小説家でもあります。著作は「ごあけん アンレイテッド・エディション」(講談社)、「母の嘘(「悪意怪談」所収)」(竹書房)。

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