メガハウスの「ヴァリアブルアクションキット 新世紀GPXサイバーフォーミュラ」は、どうして“半完成キット”なのか?【ホビー業界インサイド第59回】

2020年05月23日 12:000
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組み立て時に、2つのモードを選べる意味とは?


── ヴァリアブルアクションキット(VAKIT)では、それぞれ2つのモードを選択する方式になっていますよね。この仕様は、なぜでしょう? それぞれの形態を別々に売るとか、組み立て後に差し替えできるようにもできたのではありませんか?

小林 メガハウスのメカもの商品は、「ヴァリアブルアクション」というシリーズ名で統一されています。この「ヴァリアブル」という言葉には、“自由自在”にとか“変幻自在”にという意味があり、これまでの商品にも“自由自在に動く可動範囲”だったり、“変幻自在に変形するギミック”が搭載されています。
ですから、VAKITも例にもれず、組み立て時に2つのモードを“自在”に選べる「ヴァリアブル」な要素を取り入れました。今回は完成品と違い、ユーザーの方が「組み立てる」部分が特徴でもありますから、「ヴァリアブル」な部分は「組み立てる」段階にあったほうがいいだろうと考え、「組み立て時にモードを選択」という仕様にしました。
もちろん、組み立てた後でも差し替えは可能なのですが、塗装を施したりした場合、塗装面に傷がついたりすることもあります。ですので、組み立て時での選択を推奨しています。


── パーツ単位での色分けだけでなく、シールが付属するようですね。なぜデカールではなくてシールなのでしょう?

小林 はい、VAKITには、つや消しのPVCシールが付属します。先ほども言ったように、手軽に組み立てられることを重視すると、水転写のデカールではプラモデルになじみのない方にはハードルが高いと感じる方もいらっしゃるだろうと思いました。また、組み立ての際に水をためる容器やカッターナイフ、綿棒など、デカールを貼るために必要な道具を用意しなければいけません。そこで、すぐに貼れるシールにしました。
ただ、紙のシールですと厚みがあってスケール感にそぐわないので、なるべく薄い素材のシールにしたかったこと、また、貼っただけでボディの曲面になじむようにするために、つや消しのPVC素材のシールを選びました。もし塗装をされる場合は、シールを貼った上からトップコートを吹けば、水転写のデカールのように車体の表面になじんで、剥がれにくくなります。
余談ですが、自分が小学生のころ、お店で買ったプラモデルを家まで待てずに、公園や河原で組み立てていました。当時のプラモデルはニッパーもカッターも接着剤も必要でしたよね。なのに、一切の道具を使わず手でもぎって、アンテナとかを折りまくり、パッケージの上蓋に付属の接着剤をたらして作っていました。最後の仕上げのときに、水転写のデカールだけはどうやっても道具がないと貼ることができず……(笑)。そういった思い出も、心なしか反映されている気がします。


── 最初のラインアップは「スーパーアスラーダ01」、「ナイトセイバー005」、「イシュザーク」ですね。この3車種を選んだ理由を教えてください。2021年にかけて、5回に分けて3車種ずつ発売するようですが?

小林 第1弾~第2弾にかけては、マシンもドライバーも人気が高いラインアップを揃えています。第2弾は「スーパーアスラーダ(エアロモード)」、「ファイアースペリオンG.T.R」「ステルスジャガーZ7」を予定しています。この後、コレクション性を高めるために深堀りしたラインアップ展開をしていきます。

── VAKITは、「サイバーフォーミュラ」だけを展開していくのでしょうか? それとも、ほかのアニメから車以外のメカも商品化するのでしょうか?

小林 まずは「サイバーフォーミュラ」をしっかりとシリーズ化していき、後にほかの作品も商品化していきます! もちろん車以外のメカも商品化しますが、メカにこだわらないかも知れません。そうした意味からも、“ヴァリアブル”な商品化展開をしていきたいと考えています。


(取材・文/廣田恵介)
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新世紀GPXサイバーフォーミュラ

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放送日: 1991年3月15日~1991年12月20日   制作会社: サンライズ
キャスト: 金丸淳一、小野健一、三石琴乃、飯塚昭三、安達忍、松田辰也、竹村拓、速水奨、緑川光、関俊彦、松岡洋子、島田敏、置鮎龍太郎
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