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日本のアニメの中の中国語を、中国ではどう感じるか?
近年、日本のアニメの中では「語尾にアルが付く」ような中国語(?)ではない、「きちんとした中国語」がさまざまなやり方で使われるようになってきています。また劇中以外にも、たとえば4月の新作「八男って、それはないでしょう!」では、中国配信版のほうでOPテーマの一部を中国語にしたバージョンが制作され、現地ではちょっとした話題になっているそうです。
中国ではこういった日本のアニメの中で使われる中国語に関してイロイロと話題になることもありますし、現地の反応や受け止め方などについて簡単にまとめてみようかと思います。
まず近頃の中国における日本のアニメに中国語が出てきた際の反応ですが、
「ちょっとした話題のネタになる」
「なんだかシラけてしまう」
といったものが比較的多いそうです。
これに関して、中国のオタクな人たちからは
「今のアニメ視聴者にとって、単純に中国語が出て来るだけでうれしくなるということはないです」
という、言われてみれば納得できるような話が出てきました。またほかに、
「中国系キャラの扱いと似たようなところがあるかもしれません。いかに正しく、カッコよく使われるかというのも重視されているのではないかと。中国語が出てくると発音が正しいかどうか、どこのなまりかといった話題にもなりますから」
という話も出てきました。
この「なんだかシラけてしまう」ということに関しては、母国語である中国語が聴こえてくると二次元から現実に引き戻される、字幕や日本語でワンクッション挟んで把握されていたものが直接把握できるようになってしまうのが厳しい……という事情もあるとのことです。
これは言ってみれば、洋楽の歌詞が外国語だからカッコよく聴こえる部分があるのと似たようなものなのかもしれませんね。
実際、中国のオタクな人たちからは
「中国語だと耳で聴いてそのまま意味がわかってしまうのが厳しい。なんだか恥ずかしくなる」
という意見を聞いたこともありますし、日本の作品にありがちな「必殺技の名前を叫ぶ」のも、中国人にとっては外国語になる日本語で叫ぶからなんとなくカッコよさを感じて恥ずかしくないといった面もあるとのことです。
そんなわけで、日本のアニメ、それもオタク向けの作品で中国語を使うということは、中国の視聴者の興味を引くところはあるものの、中国のオタク層全体から歓迎されるとは限らない。場合によってはコア寄りな層が離れてしまう可能性もある、という、少々扱いの難しいものにもなっているようです。
もちろんうまく使われていれば、中国のオタク界隈、さらには一般寄りの視聴者の間でも話題になると思われますが、使い方やさじ加減を間違えた場合は
「ヘンな形で中国語が出てくる作品」
などといったイメージのほうが強まってしまうこともあるそうですし、使われていれば単純にプラスになる、あるいはサービスとして歓迎される、といったものでもないようです。
(文/百元籠羊)