PCエンジン mini発売記念! PCエンジン大好きライターが、「やっぱり楽しい!」厳選10タイトルをセレクトしてみた!

2020年04月04日 16:080

「今遊んでも楽しい!」「ゲーム史的に重要な!」PCエンジンソフト10選

●THE 功夫(1987/KONAMI)

PCエンジン本体発売の翌月に登場したタイトルである。本作の「売り」はゲーム史上最大サイズのデカキャラが動く! というものだった。

実際、そのグラフィックのインパクトは絶大で、当時のゲームキッズ達は「スゲエ!」「でけえ!」と度肝を抜かれたものである。

当時は香港のカンフー映画の全盛期でもあり、多くの少年たちがジャッキー・チェンに憧れていたものだ。


ゲームは右へと強制スクロールするアクションゲーム。道中では人間の敵のみならず、「岩」や「蛾」なども隊列をなして迫ってくるが、これをテンポよく連続で破壊するとアイテムが出現するので気が抜けない。ちなみに体力回復アイテムは烏龍茶だ!

 

 

が、本作の肝はやはりボス戦。ボス戦に突入すると画面は固定され、いわゆる対戦格闘ゲーム風のタイマン勝負となる。デカキャラ同士が殴り合うボス戦を見て「こりゃあ、今までのゲームハードとは違うわけだ!」と納得したゲームキッズは数知れず。PCエンジン=グラフィックという図式を、もっとも端的に示した、象徴的なタイトルである。

 

●スーパースターソルジャー(1990/KONAMI)

 

ファミコンの名作シューティングゲーム「スターソルジャー」の正統な続編となる本作。ハドソンがファミコン時代から開催していたゲーム大会「ハドソン全国キャラバン」の公式認定ソフトでもある。

 

 

ゲームモードは、普通にエンディングを目指す「NORMAL GAME」、そしていわゆるタイムアタックモードである「2 MINUTES GAME 」(制限時間が2分のモード)、「5 MINUTES GAME」(制限時間が5分のモード)の3種類となる。この「2 MINUTES GAME 」「5 MINUTES GAME」では、よほど自力での連射に自信がない限り、別売りの連射パッドを用意して高得点を狙うのが吉。

そのほか、「ボスの撃破と同時に自爆する」といった超高等テクニックも存在するなど、やりこみ要素もたっぷりだ。

 

 

個人的には「ハドソン全国キャラバン」でも使用された「2 MINUTES GAME 」「5 MINUTES GAME」の完成度は「一生遊べる」レベルだと思う。今でも情熱を注ぐゲームファンも多く、文句なしの名作だ!

 

 

●イースI・II(1989/日本ファルコム)

 

「イース」は、当時まだまだ高級品だったパソコンで遊べるゲームソフトとして登場した人気アクションRPGである。なんせパソコン1台が数十万円するのが当たり前の時代である。子供達には、とてもではないが手の届かない存在であった。いわば「イース」は、年上のお兄さんたちしか遊ぶことのできない「高嶺の花」だったのだ。

それが、「PCエンジンCD-ROM2」に移植されたことによって、ようやく子供たちにも手が届くようになったのである。

 

 

まず度肝を抜かれたのはオープニングを含むアニメシーンだ。渡辺菜生子、荘真由美、鶴ひろみ、銀河万丈、屋良有作といったアニメ界でバリバリ活躍する声優陣のゲーム出演という衝撃もさることながら、「フィーナ」や「リリア」といったヒロインたちがとにかくかわいかったのだ。前年にはすでにファミコン版「イース」が発売されていたが、圧倒的なパワーアップぶりに、すでにパソコン版を遊びつくした大人のゲームファンも、「PCエンジンすげえ!」と感嘆するばかりであった。

 

おまけに続編「II」とのカップリングということで、お得感も半端なかった。肝心のアクションRPG部分も、使いやすいPCエンジンコントローラーの恩恵もあって、ストレスなく遊ぶことができたのも高ポイントである。

不朽の名作とは本作のためにあるような言葉だ。

 

 

●スプリガン mk2(1992/KONAMI)

 

マニア受けする硬派なシューティングゲーム「アレスタシリーズ」「ザナック」を発表してきたコンパイルの開発作品だけあって、かなりハードな世界観を持つシューティングゲーム。ゲームの難易度は高いものの、機体性能や敵の行動を把握し、特に特殊武器の使いどころを覚えればクリアできるという絶妙なゲームバランスが特徴だ。

また、ゲーム中に挿入されるアニメやセリフが非常にカッコよく、まるでアニメ「ガンダム」シリーズのようなSFロボットアニメの世界を体験するような気分で遊べるのがポイント。

 

 

CD-ROM作品でありがちな長いロードなどもほぼ気にならず、テンポよく遊べるのが嬉しいところ。

ちなみに本作には、「真のエンディング」というものが存在する。その詳細はネタバレになるので伏せさせていただくが、なにはともあれハードモードでラスボスを倒そう。その後に何かが起こる! 

 

●天外魔境II 卍MARU(1992/レッド・エンタテインメント)

 

「PCエンジン CD-ROM2」発売の翌年に発売され話題を呼んだ大作RPG「天外魔境 ZIRIA」の続編。前作同様日本によく似た「ジパング」という島国を舞台に、壮大な物語が繰り広げられる。

基本はオーソドックスな見下ろし型RPGで、歩いていると体力が自動で回復する仕様からもうかがえる通り、比較的難易度は低めに設定されている。

 

 

企画・監修は「サクラ大戦」シリーズなどでおなじみの広井王子が担当。彼ならではのエンタメ要素満点のシナリオ、キャラクター描写が本作最大の魅力である。当時、「30分に一度は大きなイベントが発生する」と宣伝されていたが、その看板に偽りなし。「やめ時が見つからない!」と思わされること間違いなしである。

また、前作同様アニメを見てるかのように動く、見た目にも楽しい戦闘シーンは特筆すべき点だ。

 

 

ちなみに前作の音楽は「教授」こと坂本龍一が手がけたが、本作ではスタジオジブリの映画劇伴などで知られる久石譲が担当しており、サウンド面も非常に豪華。

「CD-ROMという大容量メディアだからこそできるゲーム表現」を、もっとも早い段階で端的に示した、ゲーム史におけるマイルストーンのような1本である。

なお本作に登場する「カブキ団十郎」は、主人公顔負けの人気を獲得。本人が主役を務める「天外魔境 風雲カブキ伝」というスピンオフ作品も発売された。こちらもおススメだ!(PCエンジン miniには未収録)

  

●グラディウスII -GOFERの野望- (1992/KONAMI)

 

名作シューティングゲーム「グラディウス」の続編にして、前作を超えた傑作!との呼び声も高い1本。

アーケードゲームとして登場した後、ファミコンやX68000へと移植。満を持して、「PCエンジン SUPER CD-ROM2」に登場した。OP、EDにデモが新たに用意されたほか、6面にオリジナルステージが存在するなど、大容量のCD-ROMを生かかした要素が追加されている。

 

 

本作では4種類のパワーアップゲージを選べるようになった。そのため、自分にとって相性のいい装備を発見するのが、攻略のひとつのポイントとなる。個人的なオススメは「2ウェイ」+「テイルガン」+「リップルレーザー」+「フォースフィールド」の組み合わせだ。この組み合わせはリップルレーザーで正面の広い範囲を攻撃でき、2ウェイで上下の敵にも対応できる。さらに通常のバリアでは正面しかカバーできないのに対し、耐久値は低いもののフォースフィールドでは機体全面を守ってくれるのは心強い。

 


グラフィック面で特筆すべきは「Ⅱ」で初登場となったボス「クリスタルコア」だ。当時、あまりの美しさに画面にかじりついて見ていたのを覚えている。そのインパクトは今も色あせることはない。

  

●悪魔城ドラキュラX 血の輪廻(1993/KONAMI)

 

「悪魔城ドラキュラ」シリーズはファミリーコンピュータ ディスクシステムでの登場を皮切りに、各ハードおよびアーケードにて多くの作品が発表されているが、このPCエンジン版はシリーズナンバーワン作品との呼び声も高いタイトルである。

敵キャラも初代「悪魔城ドラキュラ」の要素を踏襲しており、ドラキュラ伯爵はもちろん、死神、メデューサ、フランケンなど多彩なラインアップでプレイヤーに襲いかかってくる。

 

 

主人公リヒター・ベルモンドのアクションもこれまた多彩で、ジャンプボタンを素早く2回押すとバク転が出来るなど、行動の幅が大きく広がりプレイスタイルの幅が前作と比べ大きく広がった。

ちなみに本作には隠しキャラである「マリア」という少女キャラが存在する。ある方法でマリアを助け出すと、以降プレイヤーキャラとして使用することができるようになる。が、その性能はチートレベルの高性能であり、バランスブレイカーとまで呼ばれることもある。ゆえに彼女のセリフ「マリア平気だもん」をもじって「マリア兵器だもん」という言葉まで生まれた。

なお本作は「ドラキュラ」シリーズの中でも、「X」シリーズという独立した作品群のひとつに数えられており、ストーリー的には後にプレイステーションで発売された「悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲」の5年前という設定になっている。

そちらもあわせて楽しむことで、より深いストーリーを楽しむことができるはずだ。

 

●超兄貴(1992/エクストリーム)

 

ボディビルというスポーツの存在は知っていたものの、なんとなく自分とは遠い存在だと思っていた。

……のだが、まさかそのボディビル選手のようにマッチョな男たちが大暴れするシューティングゲームが登場するなんて! 当時のゲームキッズたちが最初にこの作品の存在を知った時、あまりの衝撃に声も出なかったものである(少なくとも筆者はそうだった)。

 

 

本作には、たとえば実際のボディビル大会の掛け声のコミカルなノリだったり、漫画「魁!男塾」や「グラップラー刃牙」のような、マッシブなキャラクター達が繰り広げる過剰なやりとりが、ひと周りしてなぜかギャグになってしまうような、独特の雰囲気が漂っている。ゲームとしてのノリの角度としてはKONAMIの「パロディウスだ!」のギャグ&パロディ要素に、筋肉成分を盛りつけた感じとでもいえばいいのか……。

自機に限らず、敵キャラクターもほとんどが「筋肉」をモチーフにした奴らばかりで非常に暑苦しくも男らしい。

 

 

本作は葉山宏治によるBGMの人気も非常に高く、シングルカットされたサントラCD「仁義なき兄貴」がオリコン・POPS部門16位にランクインするという快挙を達成している。

 

●ときめきメモリアル(1994/KONAMI)

 

1990年代に花開いた、新たなゲームジャンル「恋愛シミュレーションゲーム」の先駆けとなったのが本作だ。プレイヤーは高校入学から卒業までの3年の間に、幼なじみの藤崎詩織をはじめとする12人のヒロインのうち1人と結ばれることが目的。

かわいい女の子と仲良くなっていく過程がていねいに積み重ねられていくゲームシステムの妙であったり、主人公の育成と女の子とのデートスケジュールのバランスを調整するマネジメントのオモシロさ、そして見事、意中の女の子と結ばれた時の達成感と幸福感など、すべてが新しく、それまでのゲームファンが体験したことのない刺激が、本作には満ちていた。

 

 

リリース当時、地上波のニュース番組やバラエティ番組でも取り上げられたことがあり、ある種「オタク」文化のアイコン的存在になっていた。と同時に、「ときメモ」ファンを指す「ときメモラー」を多く生み出したことも特筆すべき点だろう。

また、「ときメモ」フィーバーはゲームだけにとどまらず、ラジオ、ドラマCD、OVA(オリジナルビデオアニメ)、書籍とメディア展開をしたほか、フィギュア、トレカといったグッズ展開も幅広く行われた。

  

●SNATCHER(1992/KONAMI)


本作は随所に映画的演出やミニゲームがちりばめられている、オーソドックスなコマンド選択式のアドベンチャーゲームだ。

SFドラマの世界観で展開され、当時のゲーム少年からすると「ちょっと大人」な雰囲気が漂う言い回しや小道具が随所に登場する、アダルティでおしゃれな作品という印象だった。

 


元々はパソコンで発売されたゲームで、「PCエンジンSUPER CD-ROM2」に移植されるにあたり、グラフィックの強化、アニメーション演出、声優による演技など大幅にパワーアップ。

タイトルにもなっている「スナッチャー」とは何者なのか……。その恐ろしさは、実際にプレイして体験してほしい。

 

今回紹介したおすすめタイトルは以上だ。

 

もちろんPCエンジン miniには、このほかにも名作が多数収録されているうえに、海外版PCエンジンである「ターボグラフィックス-16」のタイトルも収録されている! 全58タイトルとボリューミーなのに、お値段はなんとたったの10,500円(税別)! これはお買い得ってレベルじゃねえぞ!

当時を懐かしみたい方も、これからレトロゲームに触れたいとう方にも絶対にお勧めの逸品である。

 

(文/sukesan)

 

【商品情報】

■PCエンジン mini

・メーカー:KONAMI

・発売日:2020年3月19日予定

・収録タイトル数:58タイトル

・プレイ人数:1~5人

・価格:10,500円(税別)

・CERO:D(17才以上対象)

※「PCエンジン」ラインアップのタイトル(日本語)と「TurboGrafx-16」ラインアップのタイトル(英語)は、一部重複して収録しているタイトルを含みます。

  

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