※本コンテンツはアキバ総研が制作した独自コンテンツです。また本コンテンツでは掲載するECサイト等から購入実績などに基づいて手数料をいただくことがあります。
kzさんに1から教えていただいて、初めての作詞に挑戦しました
── 「Assortrip」は全13曲収録で、シングル曲とカップリング曲を除く6曲が新曲です。2曲目に収録されている「one another」がアルバムのリード曲となっているので、まずはこの曲の印象からお聞かせください。作曲はkz(livetune)さんですね。 halca kzさんにはインディーズ時代、「Hail to the world!!」という曲を書き下ろしていただいたことがあるんですけど(ミニアルバム「white disc +++」に収録)、そちらはもっとキラキラでハッピー感の強い曲で、「これからよろしくね、前に進んでいきます」というメッセージがこめられていたんです。今回の「one another」は、デビューして経験を重ねた私からファンのみなさんに感謝の気持ちを伝える曲にしたいですとお願いしたら、きれいな中に落ち着きのあるメロディを書いていただけました。
── 作詞はhalcaさんご自身です。 halca ライブ前のひとりでいる時間を書けたらいいなと思いました。初めての作詞はすごく難しかったです。最初はkzさんと共作の予定だったんですけど、私からいくつも歌詞の草稿を提出させていただいたら、「僕が手を加えないままのほうが面白いし、今しか書けないものがあるから、それを大事にしたほうがいいよ」と提案してくださって。最終的に、私が書いたそのままの歌詞でOKをいただけました。
── ファンのみなさんへの感謝の気持ちと、ライブ前のひとりでいる時間という2つの要素が入っている歌詞だと思いますが、それに加えて、ちょっとネガティブな感情も混ざってますよね。 halca やっぱりそう思いますか?(笑) 初めて作詞に挑戦して気づいたことなんですけど、自分はどちらかというとポジティブな性格だと思っていたんですが、違う一面も持っていたみたいです。完成した「one another」の歌詞はだいぶ明るくなっているんですけど、最初に提出した歌詞はかなり後ろ向きな内容になっていて、kzさんにも「重くて暗いね」って苦笑されてしまいました(笑)。「初めての作詞ということでずっと後まで残る曲だから、素直な気持ちを書きたいのはわかるけど、歌詞は前向きなほうがいいよね」と相談に乗っていただいて。全体としてはポジティブだけど、ネガティブな部分も隠さずに出した、自分らしい歌詞にできたかなと思います。
── 初めての作詞ということで、自分でも気づかなかった心の奥にあったものが出てきたということなのでしょうね。 halca 作詞することで、自分と深く向き合うことができたのはよかったと思いますし、書いている時間もとても楽しかったです。
── 面白かったのは「何話すの? お水はどう飲む?」という部分で、ライブ前にMCの段取りを考えている姿がリアルに思い浮かびました。 halca ステージに出る直前になってマネージャーさんと「今日は、何を話すつもりでしたっけ?」と確認し合ったり、曲を歌い終わった後でお水を飲むタイミングに迷ったり(笑)。そういうふうにライブで悩んでいることを、そのまま書いてみました。kzさんも面白がってくださって、OKをいただきました。
── kzさんは楽曲提供だけでなく、作詞の指導もしてくださったんですね。 halca はい、具体的なアドバイスをたくさんいただきました。
── 「目の前がぬいぐるみだとか自分だったら イメージとかそのまんまで落ち着けるのに」という部分もライブ前の緊張を表している部分だと思いました。しかも、halcaさんならではの言葉の使い方がよく出ていて、ちょっと不思議な歌詞になっていなす。これはどんな心境を表現しているんですか? halca 目の前がぬいぐるみというのは自分の部屋で練習していることを表していて、自分というのは、練習スタジオの鏡に映った自分のことなんです。
── なるほど、普段練習している環境だったら緊張しないのに、という意味なんですね。 halca はい。最初は「目の前がぬいぐるみだとか鏡だったら」と書いていたんですけど、「だとか」と「鏡」で「か」の音が続くので、ほかの言葉にしたほうがいいよとkzさんからアドバイスをいただいて、「自分」に直しました。
── kzさんはレコーディングのディレクションも担当されたということですが、いかがでしたか? halca kzさんは「自分で歌詞を書いたから、気持ちの込め方もわかるよね?」と私に任せてくださって、自由に歌うことができたので、レコーディングはとてもスムーズに進みました。kzさんに直接、歌を聴いていただくのは「Hail to the world!!」以来で、成長した姿を見せたいなと思っていたので、録り終わったときに誉めていただけてうれしかったです。
── 「one another」というタイトルは、歌詞には出てこない言葉ですね。 halca 作詞が終わって、いいタイトルはないかなと探していたときに見つけた言葉でした。「each other」と「one another」はどちらも「互いに」という意味なんですけど、「each other」は1対1の関係で、「one another」は1対多数の関係だというふうに書いてあって、ライブのことを歌った曲だから、「one another」がいいなと思って。歌詞の中に「わたしみんなと目が合った」という部分があるんですけど、そこはあえて「あなた」ではなく「みんな」にしたんです。たくさんの人に歌を届けていきたいという思いを込めて書いた部分で、そんな気持ちにも通じるタイトルになりました。