ここまでやる! 「ファイナルダンクーガ」を大解剖!
長澤 ブラックウイングは脚に変形のための可動を盛り込んでいるので、足を伸ばした印象とかも出しやすいんです。やはり関節が多い分、ポージングを調整できるというのが嬉しいですね。ここまでがヒューマノイド形態で。
泰 そうでした、まだあるんでした。見せてもらえるんですか? ファイナルダンクーガ。
長澤 ちゃんと用意しています! 今回、なぜダンクーガにサフ吹きのパーツがあるかといいますと、新規造形でジョイントパーツが付属しているからです。このジョイントのおかげで、ファイナルダンクーガに合体できるわけです。
長澤 そしてブラックウイングの胸パーツを、ジョイントパーツに差し替えます。ちなみにこの腕のスライド可動が後々になってきいてくるんですが……。いや~、いいですね。自分で作っておいて言っちゃいました(笑)。
(一同拍手)
長澤 オフィシャルな商品としては、今回が初のファイナルダンクーガになると思います。実は最近になって、それまではオフィシャルではうたえなかった「ファイナルダンクーガ」という名称が初めて使えるようになったんです。ですので、初めて登場した「スーパーロボット大戦」のファンの方も楽しめる仕様となっています。
泰 過去、他社さんでブラックウイングとダンクーガが商品化された時も、「あわせて遊べますよ」としか言及されてなかったんですよね。
断じていい大人が、ただ楽しそうにミニプラで遊んでるわけではない! 取材中なのだ
長澤 もともとはゲーム設定なのでオフィシャルには入れないという方針だったのですが、今はゲームから入ってきたお客さんも多いから、その方にも楽しんでいただきたいという風に、方向性がちょっと変わってきたのではないかなと思っています。
そこから認知していただいている影響も大きいので、今回はきちんとお客さんに楽しんでいただく。最大公約数の方に楽しんでもらうには、盛り込まないといけないだろうということですね。
開発初期段階は合体できなかったのですが、ブラックウイングをやるなら何が何でも合体要素は入れる気持ちでした。
泰 いいお話ですね~。
長澤 そしてファイナルダンクーガには、ファイナル断空砲という必殺技があります。これを今からやります! ファイナル断空砲って、ブラックウイングの機首がパカッと開くギミックがあるのですが、そこをちゃんと再現しています。
泰 そのためのスライドギミックか!
長澤 ここがブラックウイングのなかで一番テンションが上がるところです。これをやりたかったんです! でも、首を付けていた部分に接続穴が見えていて味気ないですよね。そこで、きちんと砲口のパーツを付けました。これを首の所にはめます。
泰 首を差し替えにしたことの恩恵がここにあるわけですね。ここは誰も見たことがないディテールですね。
長澤 版権元様には、「こういう形で行きます!」ときちんとOKをいただきました。
泰 うわー、かっこいい! これが発射形態ですね。
長澤 普通に合体させると真上にしか砲口が向かないじゃないですか。でもそれだとちょっとカッコ悪いので、ジョイントに可動軸を設けて、こういう風にブラックウイングを前に倒せるようにして、ちゃんと踏ん張ってファイナル断空砲を撃つイメージのポーズがとれます。
泰 ブラックウイングもけっこう重量があるから、前傾姿勢がちょうどいい感じですか。
長澤 ダンクーガの腰部に接続して、台座を後ろにつけることができるパーツも用意していますので、バランスを保つことができます。ご安心ください。
伝統の「ブラックカラーVer.」も登場!
──これでまたスーパーミニプラのハードルが上がっちゃいましたね。
長澤 やっちゃった~、みたいなところはありますね(笑)。そして、実は3月にもブラックウイング発売を記念してダンクーガの「ブラックカラーVer.」を出そうと思っています。
泰 ブラックカラー?
長澤 オリジナル設定なんですが、超合金やデラックス玩具だとブラックバージョンはよくありますので、それにのっとったフォーマットで出させていただきます。
泰 ブラックバージョンといえば黒と金!
長澤 ご理解いただけて嬉しいです。リアルタイプカラーといった商品もありますが、新たなダンクーガのアイテムをぜひ楽しんでいただきたいと思って企画させていただきました。シックな装いで高級感を演出しています。
泰 おおお~~!
長澤 そして今回は、プラモデルユーザーに手に取っていただくことを考えています。プラキットという性質上、自分で組み立てて遊べるという面を出していただきたいとも思っているので、そこにチャレンジさせていただきました。そのための新たな挑戦として水転写デカールを採用しています。
なぜ水転写デカールにしたかと言うと、ホビー事業部の限定アイテムでも水転写デカールを使用した商品が好評をいただいていますので、スーパーミニプラでも同様に楽しんでいただければ……と思い、盛り込ませていただきました。また、紋章やマーキングを好きなところに貼れるのがデカールの嬉しいところだと思いまして、今回はアニメのアイキャッチに出てくる獣戦機隊の紋章をデカールとして付けました。それを好きなところに貼っていただきたいなと。
泰 これは通常版にも貼りたいですね。
長澤 それはお好みでできるようになっております。そういう楽しみ方もあるよと、本当に自分でいじり倒すための人向けのアイテムとなっております。さらにブラックウイングの発売記念ということで、黒騎士の紋章も入れています。
泰 それをブラックウイングに貼れるわけですね。でもこの紋章、テレビシリーズに出てましたか?
水転写デカールとなる紋章のデザインデータ
長澤 実は、第12話でちらっと出てきていたんです。(と場面写真を見せる)
泰 あっ、本当だ! 超アップになった瞬間に出てる。たぶんひとコマ分とかですよね。
長澤 僕もこれを確認するために何度も見直しました。紋章は、そのシーンをベースにしたカラーリングになっています。今回はブラックウイング発売に連動したお祝いアイテムでもありますので、黒騎士の紋章も必要だろうということで、入れることになりました。
そしてブラックウイング発売記念のカラーリングということもあり、もう1パターンのマーキングを用意しています。こちらはブラックウイングのエングレービングを拾ったパターンとなっていて、通常のDX玩具・超合金のブラックバージョン的なパターンと、お好きなほうを貼っていただきたいです。
やっぱり組み立て式のプラモデルは、こういう自由な幅があってこそ楽しいと思いますので。
今回のお客様の反応をうかがって、これからもいろんなバリエーション展開を考えていければと思っています。お客さん声を拾えるのがスーパーミニプラのいいところだと思うので、そこも意識したアイテムとなります。
「ブラックカラーVer.」はオプションパーツも最初からセットされている
泰 そうですよね。スーパーミニプラのユーザーってモデラ―側からくる方も、食玩からくる方もいますからね。モデラ―から見ればそのくらい自分でなんとかすればいいじゃないという意見もあれば、食玩ユーザーからするとそうでもなかったり。
長澤 そうですね。今回、自分がホビー事業部から異動してきたこともあったので、ぜひ自分で作り上げていく楽しさを感じてもらいたいと思っています。
泰 ガンプラもガンプラでいいものだと思うんですけど、スーパーミニプラはそれとは違った組み立て方ができるのが楽しいんですよね。
長澤 そうですね。やっぱりアニメのロボットという文化は、いろんな合体変形があってこそだと思うので、スーパーミニプラではそこの魅力を今後も追求していきたいと思います。
ロボット談義は尽きず、インタビュー後も盛り上がり続ける2人
【商品情報】
■スーパーミニプラ 超獣機神ダンクーガ ブラックウイング【プレミアムバンダイ限定】
・販売価格:4,950円(税込)
・お届け日:2020年4月発送予定
<セット内容>
●プラキット一式(全1種)
●シール
●取扱説明書
●ガム(ソーダ味)
<素材>
プラパーツ:PS・ABS
<サイズ>
H約120mm × W約80mm
<対象年齢>
15歳以上